おまけ:誰かの独白2
予定通り、一年で免許皆伝をした。
先生はこのままここにいて欲しいと言う。歴代最強も僕なら夢ではないと。
まあ、興味は欠片もないので断った。
心底どうでもいい。
僕はただ兄さんの力になるためだけに修行にきただけ。父上に行かされたに過ぎない。
早く兄さんに会いたい。
なので、免許皆伝したその日に先生の家を出たかったがお祝いをすると言うので1日だけ我慢をする。その時にお世話になった方たちにしっかりと礼を言っておいた。
あとは父上の仕事だ。
一応それくらいの礼儀はある。
あいつほど子供じゃないのだ。
翌日の朝早くに先生の家を出て、自分の家に帰るため港のある町に向かう。
どれだけ急いでも10日はかかるのが辛い。
兄さんのそばにずっといられると思うと気が急いてどうしようもない。
常に早くと思ってしまう。
船に関しては、仕方ないので6日間の船旅だ。
途中海賊に襲われたが、時間を無駄にしたくないので客船の護衛だけに任せず戦っておいた。
そのため、予定通りの日数であった。
陸路に関しては、足の速い体力のある馬を借りて最短ルートを行くつもりだ。
子供が1人でいるで行こうとしているので店主が心配をしてくれる。すぐに家族と合流すると言っておいた。
野盗がいるらしいが問題ない。
昔から相手にしてきた、騎士と戦うよりも慣れている。
全く、兄さんに早く会いたいのに邪魔が多すぎる。
待っていてくださいね。
兄さんの支えになるべく強くなって来ましたから――。
誰の弟かはなんとなく気づきますよね?




