中間報告
今年も無事に終わりそうで安心をする。
去年候補者にあげていた前三年生たちは全員、本人と家族が辞退。
学校に通ってる間に良い出会いがけっこうあったようだ。
城や上級貴族の下に就職した人も多い。
ちなみに、フローラは隣国から婿をとった。
三年生、サラやジョルジュの学年は去年言ったように足の引っ張りあいで、本性?というか裏と表がよくわかる。
全体的に見れば優秀なんだと思うが、ジャマを排除するのに力を入れすぎてあまり候補者として向かない。
蹴り落とすことも、切り捨てることも上の立場になれば出来た方がいい。けれど、そこに救いを持たせることができないならばこの国で王のそばに立つことはできない。
まず彼女たちは自分の力じゃなく、家の力でやってるので基本的にアウトだ。
そんな中でも候補者はいる、足の引っ張りあいをかわし続けている人や、究極的にマイペースな人。
王子と気が合うかは知らないけど……。
二年生、俺や王子の学年は――。
進級そうそうのハリエットの登場にわりと一致団結。王子にアタックするよりも、ハリエットから王子を守る行動にチェンジ。
周囲を妨害するよりイザベラを王子に見初めてもらう方が重要みたいだ。
エメリも学校で習うことを次々と吸収して貴族の令嬢らしくなってきた。
入学した頃王子を迷子呼びしたことに最近恥ずかしさを感じているようだ。
王子も世継ぎらしくなってきたのかもな。
ハリエット率いる一年生はというと、ハリエットの押しに引き気味で、自主的な行動をするのはあまりいない。
ソフィア皇女ほどではないけど、おとなしい人の集まりだと思う。
リーダーが存在しない学年で、先輩の後をついて行く感じだ。
ハリエットについては調査に時間がかかっているようで、しっかりとした報告はあがってない。
今年はルディが入学してきたり、正体がバレたりと驚きの連続だった。
だけど、それなりに楽しいと思えた。
あと一年、気を引き締めてしっかりとやっていこうと思いながら、報告書を書き上げる。
城に行くからついでに精霊にも会いにいこう。
元気だとわかっていても、顔を見せないと心配されるから、時間のある時は会いにいっておく。
たぶん、それだけでこの国はほんの少し平和になる。
現在は精霊に会いに行くのに指定はありませんが、時間がかなり空くようだと城に荒らしに精霊がやってきます。
ここで二年生編、完結です。
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