話題の2人
あの決闘からシャーロットの名は広まっていて、皆、俺の方をチラチラみながらヒソヒソと何かを喋っていた。
地味で目立たない令嬢は、平凡だけど誰もが知る令嬢になっていた。
そんな夏休み明け、友人たちのとの会話によく上がる人物が2人。
フローラ・キュリーと サラ・ロワイエ。
三年生のフローラは伯爵家で、二年生のサラは子爵家だ。
2人とも将来確実に社交界の華になるだろうと噂される美貌の持ち主で、学校でも彼女たちが身につけているものと同じものを欲しがる令嬢は多い。
流行を作り出しているといっても過言じゃない。
フローラは派手めな美人で、なんていうか姉御とか姐さんとか呼んだ方が似合いそうな人で、誰にでも気さくに話している。
サラは反対に控えめでおしとやかな感じで、清楚って言葉が似合う。笑顔を絶やさない人で高嶺の花のように見られてる感じだ。
対照的に見える2人だけど、仲はいいようでよく一緒にいるのを見かける。
そろそろ観察?だけじゃなくて直接会話をして、人となりを調べようと思ってたし、ちょうどいい。
フローラとサラに会いに行こう。
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放課後、2人を探す。
よく出現すると言われる日陰のテラスに向かうと、仲良くお茶をしていたのでこえをかける
「フローラ様、サラ様。お時間よろしいですか」
「いいわよ。あなた、どこかで――」
フローラがいう。
幼少期に無理やり出された家が主催のお茶会であってるし、銀髪は少ないので記憶にあってもおかしくない。
女装という名の変装していても、見る人が見ればバレる変装だ。
なので、素早く自己紹介を始める。
「シャーロット・ルーチスです。夏休み前にジョルジュ様と決闘したので、そのためだと思います」
誤魔化すかのように早口になったが、二人とも気づいてないようだった。
サラがああと声を上げる。
「怖かったでしょう。あの方は時折、強引ですから」
「ええ、ですが、友人たちのおかげで不思議と怖くなかったんですよ」
ニコリと笑って見せるとフローラがこちらに笑いかける。
「そうだったの。もし、次に何かあったら言ってちょうだい。これでも顔は広いから力になれると思うわ」
「ありがとうございます。フローラ様、サラ様にお願いがありまして」
「なにかしら」
一呼吸していった。
「お二人のような立ち居振る舞いを教えていただきたいのです」
王妃様から教わったのは、高貴な人ようすぎてあまり役に立たない。
それに、彼女たちは社交界の華になるだろうと言われるだけあって一つ一つの動作は上品だ。
きっと二人から教われれば間近で観察も出来る。男とばれにくくもなるだろう。
フローラもサラも了承してくれて、俺は一週間ほど二人と一緒にいた。
大抵は三年生の教室に近い場所で教わっていて、フローラ以外の三年生とも話す機会が多くあって仕事が捗った。
フローラはサングラスを頭に乗せたりすると似合いそうです。