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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「突然のことで悪いが

作者: 柘 榴

諸々のあれそれとか抜きにして言わせてくれ。死ね」

そう言いながら人に覆いかぶさった人間を右手で作った握り拳で、そのお奇麗な(かんばせ)をぶん殴ってやった

「お前は教育を受けてない餓鬼か?タダこねて人様の気持ちを思いやれない感情教育をされてないなり損ないか?そんな情緒不安定なやつを王様ってあがめてる国も終わってんなって思うが今はそうじゃねぇ。くっそみたいに自分勝手な餓鬼がそのまま大人になって権力やら物理的な力を手に入れたって時点でもう終わってんな?人生やり直したら?母親の腹に戻って生まれ直してどうぞ?」

此方に反撃しようとした人間…この国の王様を足蹴で体制を崩させ、そのままその上にどかりと座った後にかるーく、腹が立つぐらいきめ細やかな頬を叩く

「ああ、俺を排除しようだなんて思わない方がいい。俺は悪魔だ、邪神だ、人の…というより監禁されてる被害者の絶望が多ければ多い程強化されてくクソみてぇな仕様の無機物だ。俺を殺したきゃ錆らすか溶かすか…まぁ後は勝手に考えろ。っと、そうじゃなくって、俺は俺の力の源になる被害者を助けるヒーロー様だからな。悪役に負けるなんて断固両断だから」

ああ、それとー、ほい。なんて軽快で緊張感のない一言と共に発せられた己の左手から奏でられる指パッチンで被害者…この世界に召喚され、詳しい事情は省略するとして、帰るための湖壊されて失意のうちに大切なこの世界の親友であり戦友をこの椅子にしてるのに殺されちゃった可哀そうなカワイソウで今まさに壊れかけてる御子様ってやつだ

尚、その親友殿は死ぬ前に魂だけ捕獲して別の無機物にぶち込んだ。いや今その話してねぇな

指パッチンでその御子様の鎖やらなんやらを無くして(正確に言えば俺の装飾品になってもらった。いや俺も金属系の神様なのでこんなこと出来ちゃうっていうね)指にはめてた武骨な指輪を御子様の方に軽い動作で放り投げる

勿論、この指輪が御子様の親友こと騎士だ。俺に名前を覚えるという機能は搭載してないというか無機物に何を求めてるんだ。無機物が人の名前を覚えるわけがないだろ

「そいつは今は俺の眷属だが別になにそれするつもりはねぇから安心しろよ。そいつにも言ってるが、そいつの目的が達成されたら自動的にそいつの魂は理に帰る。取り敢えずそいつはアンタ預かりってことでよろしくー」

ひらひらーと装飾品まみれの手平を揺らした後に椅子の男を見る

「あの騎士様?騎士のやつを同行しようと思うなよ愚者が。あいつは確かに御子様預かりだがあくまでも、あ、く、ま、で、も!俺の眷属なわけだから何かしたらこのヤンデレ絶対許さないマンである俺がお前を殺しに来る。いいな?」

つー訳で後は頼んだぞー、新人眷属くぅん。とわざとらしいおちゃらけた感じでその場を後にする

自己処理?だから無機物に何を求めてんだ


●キャラ紹介

御子様

この世界に召喚された一般人。善良とまではいかないけど悪にもなりきれない中途半端な流され人間

世界を救って帰る間際に目の前で帰り道を壊された挙句、信頼していた親友でありともに旅をした戦友であり、良き相談相手であった騎士様を目の前で殺されてぽっきり心がいった。その後の監禁からの性行為で心が壊される前に目の前で王様がぶん殴られた挙句、椅子にされた。ずっと唖然としてた

尚、王様とは両片思い。一夫一妻が良いけれど国の法律的に一夫多妻だからそれに耐えられないから帰るという逃げの手を打ったのがこの後の話し合いで判明。腹割って話し合え

王様

異世界より御子を召喚した国を攻め入り、不義理な扱いを受けていた御子様を救ったヒーローだった男

なんやかんやで御子たちと共に世界を敷いては国々を救った賢王様。ただし愛の伝え方も知らなかったしなんなら恋に狂っちゃったレッドカード案件の人間。なんかもう後戻りできない状態で本当にどうしようもない状態にする間際に無機物にぶん殴られた挙句椅子にされたのははっきりいって因果応報、自業自得。恋愛の仕方を学べ。周りを頼れ

御子様以外はいらない精神だったので、こうなる前にちゃんと話あってればお互い幸せになれたのにね。腹割って話し合えよお前ら

騎士様

今回最大の被害者。お前ら話し合えよと何度生前言ったことか。二人が両片思いなの知ってたから猶更どうしてここまで捻じれにねじ曲がったのかと頭を抱えている。強く生きてほしい。死んでるけど

御子様のうじうじさと王様の破滅的なまでの恋愛不器用さに何度も叱咤しかけたがすんでのところで己の騎士道精神で堪えちゃったが運の尽きだったと反省した。それもあるが単純に何物にも縛られない眷属という存在になったのでこれからは二人の恋路サポーターに徹する気マンマン。お前はそれでいいのか

無機物

とある世界のとある国には生まれたばかりの子にピアスを付けるという風習がある。そのピアスはその子の身代わりになるとされておりそれはもう大事な大事な風習だった

そしてそんな国に生まれた一人の聡明で凛とした、何れは賢王となるだろうと民からも貴族からも、家族からも言われていた王子がいた

しかしある日、神が述べた。世界を存続させたくば贄を寄越せと

王子は人を、家族を、国民達を愛していた。だからこそ立候補し、神に献上された

自分はどうなってもいい。そんな気持ちで神のおひざ元に来た王子の希望は容易く砕け散った。神は彼のことを気に入っていた。気に入っていたからこそ彼を贄に選んだ世界に住まう者達が許せなかった。だから神は世界を亡ぼした

それから王子は、元王子は絶望の中を生きることになった。そんな王子から輝きが失われたことに気付いた神は彼の輝きを取り戻すためにあの手この手で気を引こうとする。その行いで尚の事、元王子は絶望へと追いやられる悪循環

ある日、神は彼に身に着けられる装飾品…ピアスを目障りに感じた。だから元王子からピアスを奪い捨てた

正気はとうに失ったが元王子は国の風習を思い出した。あのピアスは身代わりなのだ

ならその因果を反転させようと。そうして生まれたのが無機物

なんやかんやあり、神から元王子…持ち主を救うために皮肉な形ではあるものの力を得たが。神には遠く及ばず

けれど神の目を盗んで持ち主との交流を深めていく。何れ自分が彼のためだけに存在する身代わりの装飾品に戻ろうとも

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