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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第4章 大陸中央部編[衝突]
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93・混乱の中の激情

 いよいよサバルナ獣人国とエルファリアの会合が始まる。

 サバルナ獣人国の国王ライオルが口火を切ろうとした瞬間「バヅン!」という衝撃が脳に走った。

 その場にいた全員を襲った衝撃は、襲われた者達の思考を狂わせていく。


 な、何が起こってるんだ?


 思考を保つ事に成功したナスカにも状況が掴めなかった。

「お姉様に近づくな、殺すぞ、貴様!」


「ランスロード様、コイツらは俺が殺ります! マリン様の避難を!」


「おいどんに任せるでごわす、奥方には触れさせん!」


「メソの姉貴はあっしが守るでやんす! 根性でやんすよ〜!」


 クネクモ、オークジェネラル、ベルグレシの男、ポンキチが次々と席から飛び出し、争い合う。


 クソッ、何だってんだよチキショウ!


『マスター!』


『ナビさん! なんなんだよ、この状況は!』


『幻覚です。殆どの者が精神攻撃を受けて幻覚を見せられています』

『思考を保てているのは、マスター、マリ、メソ、タツキ、ライオル。エルファリア側ではランスロード、ヴィア、オークメイドと謎の男だけです』


『幻覚だと、クソ、どうすればいい、ナビ先生!』


『意識を奪うか、強烈な何かで意識を書き換えてしまうかですが・・・気絶させるのが最良の選択だと具申します』


 要するに全員ぶっ飛ばして正気に戻せってことだな。良し!


「あんた、クロス、コイツら全員叩きのめ」

「マリ、メソ、タツキ、ライオル、全員ぶっ飛ばし」


「獣人兵ども、エルファリアの奴らを全員ぶっ殺せ! 俺の妹を助け出すんだあ!」

「我がエルフの戦士達よ、サバルナの者共を壊滅しわたくしを助けなさい!」


 おそらく俺と同じことを考えていたヴィアと俺の言葉は、シヴァルとエレンスィリアの大号令でかき消されてしまった。


「「「「「「オオ〜!」」」」」」

「「「「「「ハッ!」」」」」」


 横幕を破り捨て、獣人兵とエルフ兵が雪崩れ込んでくる。クソ、最悪だ!


ドゴオオォォン! ズタアアァァン!


 獣人兵とエルフ兵の一部が吹っ飛ばされた。やったのはこの二人。


「呆けている場合ではないのだナスカ! 兎に角今は、殴って止めるしかあるまい!」


「それしかないよな、お前も動けよランスロード」


 ぶっ飛ばしたのはタツキと謎の男。そのまま二人は幻覚に侵されている者達への攻撃を続ける。


スドオン!


「ぐふぅ!」


「脳筋馬鹿獅子と人間の小僧! あんたらも手伝いなさい! ほら、あんたもだよ!」


 仲間である筈のギガースを蹴り飛ばして、ヴィアが乱暴な指示を飛ばす。


「ごめんねエアちゃん」


ズダアンッ!


「悪いわねガラジャ」


ドシイィン!


 それに答えるように、獣人化したメソと闘気を練り上げたマリが、エアとガラジャを殴って気絶させた。


 クソ、仲間を攻撃しろってのか! お、俺は今迄仲間を守る為に・・・。


『選択の余地がありません、マスター』


『うるさい! 黙れ!』



「ウィンドショット!」


ブワッシャアァァッ!


「きゃああぁぁ!」


 突然の風魔法でメイド姿のオークが吹き飛ばされた。やったのは。


「お嬢様、マリンお嬢様ぁ!」


「おい、どういうつもりよ性悪女」


 オークメイドが伸ばした手の先にいるエルフが冷たい声を放つ。


「悪いわねヴィア、貴女達にはもう少しの間、大人しくしていて欲しいんですの」


 そのエルフの手の中には小さな可愛い少女がいた。


「そういやああんた精神系の魔法が得意だったわよね。この状況もあんたがやったって事でいいのかしら」


「ええ、幻覚を見せているのはわたくしよ。そうそう、心配はしなくていいわ。この娘に掛けたのは昏倒ですからね、命に別状はないわ」


 手の中の少女、マリンの頭をボンボンと叩きながらヴィアの質問に答えるエルフ。


【エルフ女王】エレンスィリア。全ての元凶はコイツかあ!


ピクッ


 エレンスィリアの手が一瞬揺れる。


「動いては駄目よランスロード。いくら貴方でもわたくしがこの手を引き抜くよりも速くは倒せないでしょ」


 動く素ぶりを見せたランスロードを牽制するように、ナイフを握る手に力を込めるエレンスィリア。

 そのナイフはマリンの首筋に当てられている。


 何だコイツら、内輪揉めか! お前らの内輪揉めに俺の仲間を巻き込むんじゃねぇよ!



「きゃあっ!」


「こんまいのが出しゃばるもんじゃないっべよ」


 ラスリルが女のベルグレシに捕まった。混乱した状況の中でも争いは続いている。


「ラスリルを放すっす、デカ女!」


 そこにポンキチが飛び込む、ヤバイ!


「待て、ポンキチ!」


「出しゃばるなって、言ってっべよ!」


ドゴンンン!


「ぐぎゃあぁ!」

「がふうっ!」


グシャアン!


 女のベルグレシは、掴んでいるラスリルを飛び込んで来たポンキチに叩きつけ、そのまま二人を放り投げた。

 放り投げられた二人は、ポンキチを止めようと動いた俺の前を通過して、仮設の柵に利用していた杭に激突した。


「ぽ、ポンキチ、ラスリルぅぅ!」


 二人を助ける為に動き始めた俺に声がかかる。


「貴方もまだ、動いては駄目よナスカくん」


 俺は声を掛けてきたエルフのクソ女を睨みつけた。


「うるせぇ! 黙れ!」


ドガゴオオォォォン! ズダアアァァァン!


「ぐわああぁ!」

「ぎひぃいいん!」


 俺の進路上にいた女のベルグレシとスレイプニルの白馬を。足を止めることなくなぐりたおしてラスリルとポンキチの下へと向かう。


「ラスリル! ポンキチ! しっかりするんだ!」


 グッタリとした二人は何の反応も示さないが、息はある。


「メソ! 二人に治癒魔法だ! 早く!」


「はい!」


 メソが急いでこちらに向かって来る。



「ぎゃひいぃん!」


 スレイプニルの赤馬に跨った男のベルグレシとオーガの女を相手に、一頭で戦っていたルルが、ベルグレシの持つハルバードで斬られた。


「タツキィィ!」


「クソッ、わかっておる! マリ、ルルを頼むのだ!」


「任せなさい!」


 俺の叫びに呼応して、タツキがルルを庇うように立ち塞がる。

 マリもルルの救出に向かった。


 俺の仲間達が傷ついていく、俺の、俺の大事な仲間達が!

 全ての元凶はコイツだ! この女の所為で俺の、俺の仲間達が!



「エレンスィリアァァァァァ!」


「何? ナスカくん。そんな大声で呼ばなくても聞こえているわよ」


「貴様は絶対に許さないぞぉ!」


「あら、怖いこと。ナスカくんがあんな事言っているけど、いいの? ランスロード」


 エレンスィリアのナイフを握る手に力が入れられる。

 少々傷つくことになるだろうが、シヴァルの妹は助ける。その上であのエルフを殺す。

 絶対に殺してやる!


 全神経をエレンスィリアのナイフを握る右手に集中して、ゆっくりと歩きながら距離を詰めていく。




《全員んん、その場をぉぉ、動くなあぁぁ!》




 突然のランスロードの大声。

 その余りの大音量は、平原でありながらやまびこを生じさせたかのようなエコーがかかっていた。

 そしてその大音量は衝撃波のように、その場にいた全ての者を襲い、全ての者の動きを停止させたのだ。


 強烈な何かで意識を書き換える。

 ナビが言っていた事をやってのけたのか?

 やっぱり凄えんだな、このおっさん!

[能力はチート・・・]との完全リンク2話目です。

[能力はチート・・・]の方の文面をどうするかも考えながらの作業は大変だけど面白いですね。

 こんがらがって頭痛くなるけど・・・。



 新連載[ユーウィル!]の出足が不調です。

 読んで頂ければ、楽しんでもらえる自信はあるのですが、ページを開けてもらえないっす。

 是非一度読んでみて下さい。

  ↓

 https://ncode.syosetu.com/n3451ge/








 【作者からのお願いです】


 読者様からの反応を何よりの励みとしています。

 ポイント評価、ブクマ登録、感想、レビュー、誤字報告を頂けますと、創作意欲のより一層の向上に繋がります。

 お手数だとは思いますが、何卒宜しくお願いします。




 連載中[能力はチートだけど・・・]

 この小説とリンクする作品です。

 ↓

 https://ncode.syosetu.com/n8548fz/


 互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。

 こちらもよろしくお願いします。

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