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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第4章 大陸中央部編[会合前]
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90・漠然とした不安

 ライオルからシヴァル経由で会合の日時の連絡がきた。

 俺が成人した後にしたいという願いは叶わず、誕生日前日となる3日後に会合が開かれる事となった。

 場所はサバルナ獣人国とエルフの国エルファリアとの間にあるエーレスト山の麓である。


 この会合に向けての対策を、俺達の方でも用意しなければならない。

 会合に出席する俺、マリ姉、メソ、タツキの四人は連れ立ってエウデモル様の下を訪れていた。


「お前達、よく訪ねてくれたの。嬉しく思うぞい」


「いえ、エウデモル様に呼ばれればいつでも伺いますよ」


 そもそもこの話し合いはエウデモル様の方から提案されていたのだ。


「それでエウデ様、今回の会合について、エウデ様はどのようにお考えなのですか?」


「うむ、そのことなのじゃが、どうもわしは嫌な予感がしてならんのじゃよ」


「嫌な予感ですか?」


「うむ、元竜族であるニーズヘイルのところの単なる勢力争いであれば問題などないのじゃ。いざとなればわしが出て行って一喝してやれば済む話じゃしの」

「しかしじゃな、そこにナスカ達やランスロードの勢力までもが巻き込まれている事が普通ではないのじゃ」


「普通じゃない?」


「うむ、前にこの地上が大きく揺れ動き始めていると言ったろう」


「はい、お聞きしました」


「わしの推論じゃが、その動きの中心にはナスカ、そなたとランスロードの二人がいると思っておる」


「俺とシヴァルの父親がですか?」


「そうじゃ、今まで直接関わり合うことのなかったこの二人が同時に巻き込まれた。しかもお前に掛けられたゼースの制限が解ける寸前のこのタイミングでじゃ、偶然とは思えぬ」


「偶然じゃない? 誰かの意図したものだと?」


「それはわからぬ、わからぬがのナスカよ、お前がランスロードと合い見えるのは、制限が解けた後が好ましいと、わしは思っておった。しかしこのタイミングでお前はランスロードと会う事となってしまった・・・」


 話しを続けていたエウデモル様だったがここで言葉を止めてしまった。

 何かを話そうとしていたが、二の句を告げず一度考え込んでしまう。


 少しの静寂の後、エウデモル様は再び話し始めた。


「誰かの意図したものなのか、どうなのかはわしにもわからぬ。しかしのお、此度の事は何が起こってもおかしくはないと思う。何が起こるのかはわしにも全く予想がつかぬ。何も起こらぬかもしれん。じゃがな、何が起こっても対処出来るように心構えしておいて欲しいのじゃ」


 エウデモル様は俺達四人の顔を一人一人見回していき、全員に言い聞かせるように言葉を続ける。


「漠然とした言葉しか言ってやれぬ事を申し訳なく思うがな、注意してもし過ぎる事はない。その事を其方ら全員が心に刻み、ゆめゆめ忘れるでないぞ」


 俺が前世で亡くなったのは成人となる誕生日の前日だった。その事に何か因縁めいたものは俺も感じていた。

 エウデモル様の今回の助言に具体的なものは何もない。エウデ様の言う嫌な予感というのも漠然と感じているだけのものなのかもしれない。

 だが、その嫌な予感は俺自身でも感じていたことであった。

 エウデモル様の言葉はその自分の予感も再認識させてくれたのだ。


「はい、肝に命じておきます。エウデモル様」







 ナスカ達が去った後で、終始無言だったズライサラーマが、重い口を開いた。


「あれだけの言葉で良かったのですか、古竜様。古竜様が本当に安じていらっしゃるのは」


「言うな、ズライサラーマよ。確証のない事じゃ。確かにわしが一番懸念しているのは・・・」

「じゃがな、わしはナスカを、あの子達を信じておる。どのような事態に陥ろうとあの子達は、あの子達が為すべき事を為すだろう。わしらはそれを見守り、少しだけ手を貸してやればいいんじゃよ」


 そうじゃ、わしらは見守るだけで良い。もし仮に奴らが理不尽な行為に及ぶような事にでもなれば、その時は・・・。







「なんか、今回は歯切れが悪かったわねエウデモル様」


「それだけエウデ様にも今回の事は読めないって事なんだろうな」


 エウデモル様の漠然とした不安は俺達全員に伝わっていた。

 俺達自身、今回の会合にどういった体制と心構えで臨むのかを再確認する必要があると思われた。


「獣士隊はどうするの、ナスカくん。誰か連れてくの?」


「いや、今回は本当に何が起こるかわからないからな、この四人とそれぞれの近衛だけでいいんじゃないかな。少人数の方が何かあっても対処しやすいからな」


「そうじゃな、我もその方が良いと思う。ところでナビとアンナの方はどうじゃ、何か情報は掴めたのか?」


「いや、目星いものはないな。ギリギリまで情報収集は続けさせるけど、何も掴めない可能性が高いと思う」


「まあ良い、我も一緒に行くのだ、何かあっても我に任せておけば良いわ」


「そうだねタツキちゃん、みんないるんだし大丈夫だよね」


 そう言うタツキとメソの表情には何処か釈然としない不安のようなものが浮かんでいる。勿論マリ姉の表情にも。


 どうも今回は予測不能な事が多すぎてスッキリとしない。でも、俺の役割は変わらない。


 何かあれば俺が皆んなのことを守る! 俺の役割はいつも同じ、皆んなのことを守るだけなのだから。

 誕生日投稿スペシャル7時台の投稿です。

 この作品自体では本日2回目の投稿になります。







 【作者からのお願いです】


 読者様からの反応を何よりの励みとしています。

 ポイント評価、ブクマ登録、感想、レビュー、誤字報告を頂けますと、創作意欲のより一層の向上に繋がります。

 お手数だとは思いますが、何卒宜しくお願いします。




 連載中[能力はチートだけど・・・]

 この小説とリンクする作品です。

 ↓

 https://ncode.syosetu.com/n8548fz/


 互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。

 こちらもよろしくお願いします。

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