84・いってみよ〜、エンヤ〜コラヨット
この小説と対になっているもう一つの小説[能力はチート・・・]が、第8回ネット小説大賞の一次審査を通過する事が出来ました。
どちらかと言えばメインであるこの小説[転生5回目・・・]も評価して頂けるように頑張って書いていきますので、これからもよろしくお願いします。
タマモ母さんの、のほほん攻撃もあってメテス達との和解が成立した。
だけどこの機会に、メテス達との今後の関係についても話し合っておかないとなあ。
「それでさ、ナスカくん、ルタ総督の事なんだけど、しっかりと監視すると約束するから僕達に任せてくれないかな?」
ルタ総督の扱いに関しては、エウデ様からメテスとギリス教のプロステート派との関係を聞いた時から、メテス達に任せても良いと思っていた。だけど、その前に話して置かなければいけない事がある。
「その前にベダム王国について話しておきたいのだけど、いいかな?」
「うん、いいよ。話して」
「ベダムの王城はホミン=ベダム女王に返して、今迄通りの自治は認めるつもりなんだけど、俺達の統治下には置こうと思っているんだ。つまり、アスリ獣国領ベダム自治区として、再出発してもらう事になる。その事はホミン女王にも理解してもらっていて、アスリ獣国から派遣する代表とベダム王族との話し合いも進んでいる」
「ただ一つだけ、ギリス教のベダム教会については方針が決まらないんだ。ベダム教会はベダム王国の政治とも深く関わっていたので、俺達としても無視出来ないんだけど、今後の教会の運営について、メテスの方で何か良い方法ってないかな?」
「ナスカくん達はプロステート派の信仰については認めてくれるの?」
「本来のプロステート派は魔物に敵対するものではないんでしょ。それならプロステート派を認める事については吝かではないよ」
「それだったら僕がメルカリーナ教会から正式なプロステート派の牧師を派遣して、ベダム教会を正式なプロステート派の教会として改革する事も出来るよ。勿論ナスカくんがそれを了承してくれるならだけど」
「そこにルタ総督が含まれたらマズイんだけど」
「ルタ総督はメルカリーナ教会において再教育が必要だと思ってる。一度は欲に目が眩んでしまった人間だけれど、元々はメリカーナ教会で洗礼を受けた人だから、もう一度ちゃんとプロステート派の信仰を教え込む事はメルカリーナ教会の義務でもあるからね」
「じゃあ、メテスの方にベダム教会の運営をお願いしてもいいかな? 勿論ルタ総督の処遇に関しても任せるよ」
「両方とも僕が責任を持って管理するよ。僕を信頼して任せてくれるって事だよね。とっても嬉しいよ、ありがとうね」
「それと、俺達アスリ獣国とメテス達メリゲン大陸との関係だけど」
「僕達にナスカくん達と敵対する考えはないよ、それどころか良い関係が築けると思うんだ。ナスカくんが良ければだけど」
「俺もメテス達とは良い関係を築きたいと思ってるよ。正直に言うと闘ってた時にもそう思ってた」
「じゃあこれで本当の意味で仲直り、いや違うか、新しい友達として仲良くしようね」
俺とメテスは、お互いにニッコリと笑顔で歩み寄り握手を交わした。
最初から漠然とだが、メテスとは友達になれる気がしていたけど、良い形で話し合いが終わってホッとした。
まだまだ細かなところを決めていかないといけないのだけど、取り敢えずは一安心だな。
「ほっほ、そろそろわしの出番かのう」
俺とメテスの隣に突然転移してきた人影が現れた。
無造作に伸びた真っ白な白髪に、フッサリとした長く白い髭を蓄えた老人。長く伸びた白眉の下には厳しさと優しさを兼ね備えた目が光る。年齢の割にはピンと伸びた背筋。威厳を備えた立ち姿には神々しさが滲む。
長い付き合いの中でも、数度しか見た事がない人化した姿の【古竜】エウデモル様がそこに立っていた。
「げっ、爺ちゃん!」
「何が「げっ」じゃ、ジュガイル。お前、ナスカをブレスで吹っ飛ばしたそうじゃのう。相変わらず直情的で落ち着きのない奴じゃわい」
「も、もう謝っただろうが、な、なあ、ナスカとやら」
ジュガイルがしどろもどろになっている。そりゃあまあ驚くよな、この登場の仕方は。俺も驚いたし。
エウデ様も人が悪いよな。
「まあまあ、お久しぶりですわねエウデモル様。余りジュガイルさんイジメないであげて下さいね。ジュガイルさんもおかわり要りますか?」
「は、はあ、頂きます」
すっと立ち上がって、エウデ様とジュガイルにお茶を入れる母さん。流石です。
「イジメているわけではないのじゃよ、タマモさん。注意してやらんと此奴は調子に乗りますのでな」
母さんの入れたお茶を一口啜って笑顔を浮かべるエウデ様。
「すまないがタマモさん、お茶をもう一つ用意してくれんかの」
「お前はいつまで隠れているつもりじゃ。まさかとは思うが、わしにも気づかれていないとは思っておらんじゃろうなぁ」
エウデ様が、誰もいない空間に向かって睨みを利かせながら話しかける。
何だ、何かいるのか?
「なあ、ドーマルマンよ」
え、え? ドーマルマンって三大竜の?
「別に隠れていたわけではないですよ始祖様。俺も少し、始祖様のお気に入りが気になっていたので見に来ただけですよ」
エウデ様が睨んでいた空間が歪み、そこから人影が現れた瞬間に、俺の身体から体温が奪われた様な気がして、身体がブルブルと震えた。よく見ると周りにいる皆んなの身体も震えている。まるでこの中央会議室の室温が下がり、空気が凍りついてしまったかのようだ。
2メートルを優に超える長身は非常に細く、3メートルを超えているかの様に見える。華奢を言っておかしくない程の細い体から伸びる四肢も細く長い。
病的に白い体の上の頭までが細長く見える。無造作に短く刈られた短髪も白いが、薄く青く光っていて、実際には白なのか、青なのかがよくわからない。いや、それは髪だけではなく、身体全体も、着ている衣服すらも薄く青い光を放ち、白なのか青なのかわからなかった。
性別は多分男。余りにも細い身体の為に男っぽくないのだが、女性的なところは感じられない。
切長の細い目の上にも細く長い眉。細長い鼻は高く、美形と言っていいだろう。
創造神ウラースにより創られた最初の竜であるエウデモル様が創造した竜族の一柱。三大竜の最後の一柱。【極氷竜】ドーマルマンの人化した姿がそこにあった。
「お久しぶりでございます。始祖様」
「まあまあ、新しいお客様ね。嬉しいわぁ」
嬉々としてお茶を差し出す母さんが、ドーマルマンの作った妖しい空気を吹き飛ばす。ドーマルマンも苦笑いを浮かべていたが、俺の様子を見ながら口を開く。
「流石に始祖様が気に入るだけあって、中々面白そうな子ですね」
「お前のお気に入りも復活したんじゃろ、あの悪魔の小僧は元気にしておるのか?」
「ええ、ディブロの奴は面白そうなオモチャを見つけたらしくてね。最近はそっちに夢中で俺の相手をしてくれないんです。暇なんで始祖様のお気に入りを見に来たんですよ」
ズライサラーマが立ち上がってドーマルマンを睨みつける。
「ああ、貴様、勝手に出ていっておいて遊びにでも来た様な言い草だな。何様だ貴様は!」
「そんなに睨まないで下さいよ姉様。俺も遊びにきたわけじゃないですよ。少し始祖様にお話しがありましてね、ついでだからジュガイルにも話しておこうかなと思って、今来た次第ですよ。なあ妹よ」
「あたいに対して兄貴面するのは止めろ、あたいはあんたが昔から大嫌いなんだよドーマルマン」
ジュガイルもいつの間にか立ち上がっていて、ドーマルマンを睨みつけていた。
突然の竜族の集合に、本来なら呆気にとられてしまう展開だったのだろうが、所々で炸裂する母さんのホンワカ砲がシリアスな空気を打ち破る。一体どうなるんだろうか、この状況。
今話のタイトルですが、三大竜全員集合ということでこのタイトルをつけさせていただきました。
志村けんさんのご冥福を心よりお祈りさせて頂きます。長い間、変わらぬ笑いを届けていただき、ありがとうございました。
三大竜最後の一柱ドーマルマンの登場回です。設定的には長女ズライサラーマ、長男ドーマルマン、次女ジュガイルとなってますが、単にエウデモルが創った順番であって、別に姉弟というわけではないです。
ドーマルマンが皮肉って言っただけだと思って下さい。
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お手数だとは思いますが、何卒宜しくお願いします。
連載中[能力はチートだけど・・・]
この小説とリンクする作品です。
↓
https://ncode.syosetu.com/n8548fz/
互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。
こちらもよろしくお願いします。




