58・健康診断は大事な行事
宴会もお開きに近づいた頃、シヴァルがとんでもない事を言い出した。
「行くぞナスカ、今から女湯をノゾキに行く!」
「ノゾキに理由なんか必要ない。そこに女湯があるからノゾクんだ。それが男の浪漫ってもんだろうが!」
168歳のジジイが何言ってんだ。
「でもなあ、ノゾクっていっても俺にはターゲットがいないんだよ」
「マリ姉は実の姉だし、キヒ姉とメソも姉弟同然。ミドリは成人前の子供だぞ」
「ロロは人化出来ないし」
「バカヤロウ! お前は姉達の成長をその目で確認したいと思わんのか!」
「人でなしかお前は!」
「そうだぞナスカ。成長を確認するのは大切な事だ」
「俺には父として、ミドリの成長を確認する義務があるのだ」
「流石だな、マルサン。お前はよくわかってる」
バカヤロウはお前らの方だろうが。
「懲りない男だなシヴァル。やはり貴様はこの場で死にたいのか。」
「マリさ・ゴホン。女達の裸をノゾクなど、その様な愚劣な行為を私が許すとでも思っているのか!」
「ははーん。グライスといったか、お前も人でなしなようだな」
「貴様は何を言っている?」
「お前には裸で無防備なマリ、いや女達を守ろうという男としの気概はないのか?」
「なんだと?」
「その上でマリ、いや女達の健康状態を確認しようというのだ。お前は女達が心配じゃないのか?」
「私がマリさ・、女達の健康状態を確認する?」
「どうなんだよ、心配じゃないのか!」
「しかし私は・・・」
「ああん、どうなんだって言ってんだよ!」
「・・・そ、そういう事ならば仕方ない。私が責任持って確認するしかないようだな」
ちょろ過ぎるぞ、グライス・・・。
「そうと決まったら確認に行くぞ! 確認だ、確認!」
裸が成長と健康状態に、ノゾキが確認にそれぞれ代わってるだけじゃねえかよ。
☆(ここからキヒ視点)
「うわ〜い、広いお風呂だ〜。やった〜」
メソはいつも元気ね。お姉ちゃんまでほっこりしちゃうよ。
「本当に広いお風呂ね。気持ち良さそう」
「あっ、駄目よメソちゃん。先に体を洗わないと」
続いてマリがお風呂場に入ってきた。
マリも大きくなったなあ。初めて会った時からもう12年も経ったんだもんあ。早いもんだ。
「やっぱりマリちゃんは美人さんだね。抜群のプロポーションってやつだよね」
本当にマリは綺麗になったわね。雌の私が見てもドッキリしちゃうくらい。
「そうですわね、私も早くマリみたいになりたいですわ」
「メソちゃんだって可愛いじゃない。胸は私より大きいし」
「ミドリもその年でそれは成長し過ぎでしょ」
メソって意外と意外なんだよね。
ミドリさんは逸材だし、将来が恐ろしいわね。
普通なのは私だけか・・・。
「それに私的にはキヒ姉さんが一番よ。大き過ぎず、小さ過ぎず。バランス良く全てが整ってるよね。顔も美人だし」
えっ、私!
「うん。キヒお姉ちゃん、とっても綺麗」
「それには私も納得ですわ。キヒは肌も真っ白でとても綺麗ですわ」
「みんなして何言ってるのよ。どう見てもあなた達の方が綺麗だし可愛いでしょ。そ、その、大きいし」
「でもタツキちゃんがいなくて良かったかも。なんでかタツキちゃんはこういう話になるとすぐ怒っちゃうから」
「タツキは小さいのを気にし過ぎなのよ。あの娘だって可愛いんだから」
タツキはエウデモル様の使いで、ブルジ山の北側に行ってるのよね。
あの娘が暴れ出したら手がつけられないから、確かによかったかも。
「私はみなさん羨ましいですよ。私は人化出来ないですから(ナスカ様も人化出来る方が好きなんだろうなあ)」
「うちの獣達はドンドン進化していってるから、ロロだってわからないよ。人化能力獲得しちゃうかもよ」
「からかわないで下さいよ、マリ様」
「私は魔獣ですよ。聞いたことないですよ」
「そんなに拗ねないの。ほら、洗ってあげるからこっちに来なさい、ロロ」
「メソはルルちゃん洗ってあげる〜」
「僕は雄なんだから、ナス兄ちゃんとお風呂に入りたかったのに・・・」
マリとメソがロロとルルを引っ張っていって二頭を洗い始める。
あっという間に二頭の毛並みが泡立っていくわ。
それにしても凄い泡立ちね。泡泡ね。
「メソいい事考えちゃった。キヒお姉ちゃん、ちょっとこっちに来て」
「何よ、変な事しないでしょうね」
「洗ってあげるだけだよ、大丈夫」
私はメソの言う通りに、メソに背中を向けて座る。
ちょっと不安だけど、いくらメソでもお風呂場で変な事はしないでしょう。
「じゃあキヒお姉ちゃんいくよ〜、それ!」
「ひゃん、ちょっと、何?」
「まだまだいくよ〜、それ、それ〜」
「はうん、ダメ、ちょっと、やめて、きゃうん」
「わふっ、メソ姉ちゃん、あわわ、わぷっ」
メソがルルの体を使って、私の体を洗い始めた。
うわ、これはちょっと、さわさわの泡泡で。
ヤバイ、アワアワのサワサワが、気持ちいい!
「あっ、それ気持ちいいかも。ロロ、ちょっと動かないでね。えいっ」
「マリ様、何を。ひゃあ〜っ」
マリがロロの泡泡の体に抱きついた。
「あふんっ、ロロの体が泡泡さわさわで、あん」
「ちょっとマリ、ズルイですわよ。私も」
続けてミドリさんも泡泡ロロに抱きつく。
「ひゃあん、確かにこれは、あうん、気持ちいいですわね」
「じゃあみんなで泡泡になっちゃお〜、とお〜」
メソが泡泡の私と泡泡ルルを巻き込んで、泡泡な二人と一頭にダイブする。
これは、ちょっと、ああん、泡泡が、きゃいん」
☆(ここからはミィージョ視点)
「あ〜、は〜、良いお湯だぁ〜。は〜極楽」
思わず声が出てしまったなあ。
宴会もお開きになり、僕はセイメンと大浴場に入っていた。
他の者達は馬車で疲れたのか、風呂は明日の朝にすると言って寝てしまった。
やっぱりお風呂は良いなあ。旅の疲れも吹き飛んでしまうよ。
さっきから女湯の方が、キャッキャウフフと騒がしいが、気持ち良さにそんな喧騒も気にならなくなってしまう。
そんな至福のひと時もバカヤロウどもに掻き消されてしまう。
「全く使えねえなあ。お前、グリフィンだろ」
「貴様が暴れるからだろう。何故貴様は大人しく出来ない」
シヴァル達が泥だらけで入ってきた。
また五月蝿いのが来ちゃったなあ。
「なんだお前ら、ノゾキは上手くいったのか?」
「ダメだ、流石に街中にある露天風呂だな。外からのガードは完璧だった」
「コイツに俺たちを乗せて飛ばせたんだが、このヤロウが落っこちやがってこのザマだ。
確かに全員が泥だらけだな。
「だから貴様の所為だと言っているだろうが」
「しかしまだ諦めたわけじゃない。俺様の情熱はそう簡単に止まらねえぜ!」
まだやる気か、コイツら。凄え勢いで体を洗ってやがる。巻き込まれないように少し離れるか。
「どうだナスカ、行けそうか?」
「ぷはあっ、駄目だね。お湯は繋がってるけど鉄格子で完璧にガードしている」
「ここを通れるのはスライムぐらいだな」
「やはり上か! この高い仕切りを攻略するしかない!」
「マルサンよ、俺様が登るからお前が台になれ」
馬鹿かコイツ、届くわけないだろ。
「それでは俺は見れないだろうが」
「そんな事は後で考えればいい。今は仕切りの攻略こそが先決なんだ。いいから台になれ!」
渋々台になったマルサンの肩にシヴァルが乗る。
たしかシヴァルって飛行能力持ってたよな。必死になり過ぎて忘れてんのか、コイツ。
「どうだ、シヴァル!」
「ダメだ、全然届かん。来いナスカ。俺様の肩に乗れ!」
「いや、その上に俺が乗っても、俺の身長では焼け石に水だ」
意外と冷静だな、ナスカくん。
「仕方ない。来いグライス。お前なら人化状態でも俺の肩まで届くはずだ」
「いや、しかしグリフィンの誇りが・・・」
「まだそんな事言ってやがんのか。攻略目標を突破も出来ずに誇りもクソもあるか!」
「クソ、わかった、思い切り行くぞ」
嫌な予感しかしないな。もっと離れていよう。
「テヤアァァ!」
ダァンッ
「どうだ!」
「壁の上に手が掛かった。行けるぞ!」
メリメリメリッ
「ヤバイぞ、壁が!」
「あーもう面倒くせえ!全員で壁を破壊するぞ、強行突破だあ!」
もう馬鹿の局地戦用重モビ○スーツだな。
んっ、モビル○ーツってなんだ?
ズカシャアアァァン!
仕切り壁の一部は完全に破壊された。
その破壊により発生した埃が少しづつ晴れていく。
しかし女湯に女性達の姿はない。
一匹のスライムが湯船に浮かんでいるだけであった。
一匹の大きなピンク色のスライムが・・・
「随分といい度胸ね、この馬鹿どもが」
スライムの中から一人の女性が現れた。
マリくんだ。
マリくんは、さっきまでメソくんが着ていた服を着ている。サイズが合わないせいか少しだけ丈が短い。
「メソの勘の良さを舐めていたわね。おかげでメソの中に避難する事が出来たわ」
マリくんが強烈な殺気を放っている。
あれ、マリくんってあんな話し方だったっけ。
なんか雰囲気も違うような気が・・・
その時に僕は、自分の影から何かの気配を感じた。
『すいません、避難させて下さい、ミィージョ公王』
ナスカくん、いつの間に?
抜け目ないな、君は。
そうだよね、やっぱりド○は3機じゃないとね。
だから○ムってなんだ。
「水場での水の女神の恐ろしさを教えてやるわ」
「この馬鹿どもが〜」
マルサン、シヴァル、グライス。3機のド○は跡形もなく破壊されてしまうのだった。
だから○ムって何だよ!
馬鹿話って書いてて面白いっすね。
読んでも楽しめる内容になってると良いんですけど。
上手く合わせられたので、明日は時節ネタをやろうと思っています。
☆
マルサンだ。
シヴァルだぜ。
グライスだ。
俺達のジェッ○ストリームアタックは通用しなかったが、俺達の浪漫は理解してくれたと思う。
ジェッ○ストリームアタックって何だ?
浪漫溢れる話しが読みたい。
これからも男の気概を見せてくれという方達にポイント評価をお願いする。
それを励みに俺達は更に強くなる筈だ。
次回、ミドリ洋菓子店に立つ。
君は生き延びる事が出来るか。
連載中[能力はチートだけど・・・]
この小説とリンクする作品です。
↓
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互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。
こちらもよろしくお願いします。




