57・旅の夜と言えば宴会だよね
やたらと背の高い男が宴会に乱入してきた。
ミィージョ公王の知り合いみたいだが、どう見ても人間じゃない。
何者だ、あの男は?
「騒がせてすまなかったね、みんな」
「知っている者もいると思うが、この男の名はシヴァル。これでもジベルト国の国王で、歳はたしか170歳だ」
「おい!俺はまだ168だ!」
じじいかよ!
「ちょっと黙ってろよシヴァル。ミィージョがお前の紹介をしてやってんだからよ」
「おお、マルサンも居たのかよ。久しぶりじゃねえか」
「だから、ちょっと黙れって」
マルサン公とも知り合いなのか。こちらも随分と親しい様だけど。
しかしジベルトってたしか、魔王が治める魔国って聞いたような。
「こほん。まあ見ての通りのヴァンパイアだが、悪い奴じゃないので安心してくれ」
やっぱり吸血鬼か。
魔人ヴァンパイア族。魔物の中でもかなりな上位種族だ。個体差が大きい種族とも聞いているが、こいつの魔力はかなりヤバイ。
「シヴァルはかなりな変わり者でな、魔王とか魔国とか言われるのが嫌いなんで、そこだけは注意してやってくれ」
「変わり者とはご挨拶だな。俺はただ、勇者になりたいだけだ」
魔物が勇者に? 何言ってんだこいつ。
「まあ、なんだ。俺はただ遊びに来ただけなんだが」
「まあ、よろしく頼むわ」
「なんだ? お前、宴会に加わる気か?」
「当たり前だろ。宴会どころか泊まってくぞ、俺は」
急に変な展開になっちまったな。
宴会は仕切り直しとなり、ドルベ公王が改めて乾杯の音頭をとって始まった。
シヴァル王(魔王だろ)は、マルサン公とミィージョ公の前に陣取り、もう呑み始めている。
チグス兄さんだけは、シヴァル王の料理と部屋の手配にてんてこ舞いしているが。
『ナビ先生、アイツの解析終わってる?』
『はい。魔王級でも上位の戦闘力ですね。グライスに迫る強さだと思います』
『マスターでは太刀打ち出来ません』
だろうなあ。ヤバイもん、アイツの魔力。
でもまあマルサン公達と親しいみたいだし、闘いにならないなら気にするまでもないかな。
俺は気をとり直して、マリ姉やメソ達と談笑しながら料理を摘み始めた。
しばらくの間、俺が料理を楽しんでいると、俺の目の前にシヴァル王がセイメンと一緒にやって来た。
俺に挨拶をしに来てくれたらしい。
セイメンとも仲良いんだな、こいつ。
「なんだ、このちっこいのがそうなのか?」
「シヴァル様、ナスカ様も既に国王の立場にあるお方。失礼な言動はお控えください」
「かてぇなあセイメンは。わかったよ」
「俺がジベルトのシヴァルだ。よろしくな、ナスカ王」
シヴァルが、俺に向かって右手を差し出してきた。
「小さいのは自分でもわかってますよ。よろしくお願いします、シヴァル王」
差し出された右手に向かって、俺も手を伸ばした。
『!!!』
バッ ババッ
一瞬で空気がピリつく!
シヴァルが撒き散らした《威圧・EX》に反応したロロとルルが、俺の影から飛び出してシヴァルを睨む。
マリ姉とメソも既に魔力を高めていた。
「冗談はおやめください、シヴァル王」
冷静に言い放つセイメンの言葉を受けて、シヴァルは《威圧・EX》を止めた。
「ははははっ、悪かったな、冗談だよ」
「おっかねぇ奴もいるみたいだしな」
シヴァルがチラリとグライスを見た。
グライスは箸も止めずに自分にも放たれた《威圧・EX》を受け流していた。
「それに・・・良い根性してるな」
シヴァルは繋がれた自分の右手に視線を戻した。
俺は手を止めず、そのままシヴァルの右手を掴んでいる。
俺にはグライスのやった受け流すような真似は出来ない。《威圧・EX》を受けながらも握手を交わしたのだ。
「小さいって言って悪かったな。根性入ってる奴は、俺は好きだぜ」
「俺が嫌いなのは、やる気のない奴だからな」
「気にしてませんよ。改めてよろしくお願いします、シヴァル王」
「呼び捨てでいいぜ。俺もそうするからよ、ナスカ」
そこからは普通に談笑となった。シヴァルは話してみるととても良い奴で、良い関係が作れそうだ。
話しの流れでシヴァルが「お前の姉ちゃん良い女だな」と言った時には、グライスが強烈な殺気を放ったが、その時もまあ事なきを得た。
さっきは軽く受け流しといて、グライスの奴もなにやってんだか。
今回の遠征前から気合入りまくりだったロロは「絶えず影から護衛します」と言って頑なに俺の影に潜み続けていたのだが、出てきてしまったのでそのまま宴会に加わった。
ロロに付き合わされていたルルはもちろん大喜びだった。
その後の宴会は大変に盛り上がった。
しかし、いつまでも終わる素ぶりの無い宴会に呆れた女性陣は、サッサと大浴場へと消えた。
護衛があるからと断っていたロロと、俺のそはを離れようとしないルルも引きずるように連行された。
その様子を目を尖らせて見ていたシヴァルが、俺に向かって言う。
「さてと。行くぞ、ナスカ」
「行くってどこへ?」
「そんなの決まってんだろ。ノゾキだよ、ノゾキ!」
このままお約束まで突入してしまうと、メチャクチャ長くなりそうなので、区切らせてもらう事にしました。
ごめんなさい。
宴会ってリアルでもダラダラと長くなりますよね。
って事でご勘弁下さいね。
☆
はははっ。割り込んでやったぜ!
シヴァルだ。
本編に登場してすぐに後書きにも登場だぜ。
俺様は王様だ。
王様の活躍は見たいだろ。
ならば今すぐにポイント評価だ。
ブクマでもいいぜ。
そこんとこ頼むぜ、ホント。
連載中[能力はチートだけど・・・]
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互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。
こちらもよろしくお願いします。




