42・不条理の襲来
明日、2月1日に旧なろうコンに投稿してみようと思います。
この機会に作品名を一部変更しました。
なろうコン記念として、本日は久々に4回投稿します。
今回は書き溜めがあり、順に投稿するだけなので楽勝です。
☆
こんな村はサッサと片付けて、セコードまで攻め入る。
マルサン元公爵の首を、ズハ王に献上するのだ!
「斥候の報告では、こちらに向かっている援軍は3000だったな」
「はっ。3000で間違いありません」
身なりの良い貴族服を着こなした中年の男が、戦地とは似つかわしくない革張りの椅子に腰掛けて、若い騎士に問いかけている。
「よーしよし。その程度であれば、魔物だけで返り討ちに出来る」
「バジリスクに埋め込んだ魔道具の効果が出ているようだな」
「はっ。あの魔道具は元々通信魔道具を妨害する為に開発された物です」
「魔物を狂わせる効果は偶然の産物であります」
「しかし効果は絶大だな」
「ハーテノン、ファスルトと実験を繰り返し、ランクの高い魔物、多数を同時に狂わせられる代物になった」
「魔物の魂と同化させれば、同化した魔物はコントロールが出来るようにもなったしな」
「我々の研究の賜物ですよ」
丈の長い白衣を纏った白髪老齢の科学者が、若い研究員達を引き連れて、入室してきた。
「魔道具に狂わされた魔物が、その魔道具に惹きつけられる効果も付与することが出来ました」
「この距離で滞陣していれば安全に一方的に攻撃することが可能というわけです」
「ふふふっ、楽な戦というわけだ、ただ見ていれば良いのだからな」
「こちらにはAランクの魔物がゴロゴロいる」
「何よりこちらにはバジリスクがいる」
「負けるはずがないのだから!」
余裕の表情を浮かべる貴族服の男の元に、慌てた様子の軍人が駆け込んできた。
「森への攻撃隊から伝令です。森に新たな魔物が現れ苦戦していると」
「苦戦だと!森へは2000の第5師団と1000の騎士隊を向かわせたのだぞ。苦戦などあり得ん」
「新たな魔物とは何だ?」
「ソードウルフです」
「ソードウルフだと!」
「たかがソードウルフ如きに苦戦などあり得んだろう」
「只のソードウルフではありません。全頭が見たこともない専用の剣を使いこなし、連携も完璧です」
「体制を立て直したゴブリン達とも連携しています」
「伝令!ガラシ副官討死!ラー騎士長討死!
「何!」
「伝令!バネロウ師団長が重傷を受け運ばれました」
「何をやっているか!これでは魔物の方がよっぽど役に立つではないか!」
貴族服の男は椅子から立ち上がって怒声を放つ。
だが、次に飛び込んできた物見兵の報告で、彼も顔色を変える事になる。
「大変です、トガシン伯爵。バジリスクが」
「バジリスクがどうした?」
「バ、バジリスクが倒されました。それも一瞬で!」
「バジリスクが何に倒されたというのだ!勇者が現れたとでも言うのか!」
「わかりません。あっという間の出来事で」
「バジリスクの死骸のそはには子供が一人立っているだけです」
「こ、子供?」
「はい。10歳くらいの子供です」
トガシン伯爵は本陣を飛び出して、物見から遠筒を引ったくって覗き込んだ。
確かに子供が一人立っていた。
幼さを残す顔は10歳を超えたくらいだろうか。
凛々しさよりもどちらかといえば可愛いらしい。
極端な短髪が無造作に伸びた様なボサボサの髪は黒というより漆黒の髪だ。
可愛いらしい顔には黒目がちで大きな漆黒の瞳が似つかわしくない厳しい輝きを放っていた。
「馬鹿な・・・」
「何故、あんな子供があんな所にいる」
「何かの間違いだ・・・」
「全軍出陣する!!」
「全軍を持ってこの村の全てを灰塵と化す」
「出陣だあ!」
そうだ。何に頼っていたのか!
こんな村など自らの手で叩き潰せばいい。
何も問題などないのだ!
☆
クッソ、身体がバラバラになったみたいだ。いてえ。
もう反動がきたのか?《根性》の反動はLv1で24時間後、Lv2で12時間後だった。Lv3は6時間後って予想してたんだけどな。
「ナスカく〜ん。来てくれたんだ!」
狐姿のメソが、俺を見つけて駆けつけてきた。
そしてそのまま俺に向かってダイブ。
「痛い痛い痛い痛い痛い!」
「あっと、ごめんね。怪我したの?」
「いや、《根性Lv3》使ったら、もう反動がきた」
「悪いけど、村の中まで運んでくれる?」
「いいよ、乗って」
俺はそっとメソの上に乗る。ちょっと動くだけで凄く痛い。戦闘は無理だなこりゃ。
「メソ、そっと運んでね。そお〜と」
「りょ〜か〜い」
メソは全く揺らす事なく運んでくれてるが、それでもやっぱり痛い。
メソの上で何度も意識を失いかける。
駄目だ。戦闘は出来なくてもやれる事はある。
「メソ、村長のところに向かって」
「ほいよ」
なんかメソ楽しそうだな?
『ロロ、魔道具は壊した。ミノタウルス・イエティー・ホワイトファングなんかの知恵ある魔物は倒さなくていい』
『事情を説明して1ヶ所にまとめて置いてくれ』
『承知しました』
駄目だ、思考回路もヤバくなってきた。
『ナビ先生、同様の命令を全員に徹底させて』
『了解です。マスター』
俺が命令している間に、メソが村長の元まで連れてきてくれた。
「ナスカ!来てくれたか!」
「村長、時間がありません。もうすぐ此処にタツキって娘が・」
「わはははは。どうだナスカ。5分で来てやったぞ」
「我の方が速いだろう!」
さすがの俺も呆気にとられてしまった。
タツキが竜の姿で目の前の空に浮いている。
5分ってお前!
ドガシャガシャガシャガシャガシャガシャアアァン!!!
突然、俺の耳に森の方角からけたたましい音が鳴り響いてきた。
「・・・タツキ、お前なんかした?」
「おう。森に人間の軍隊がいたからな」
「ちょっと高度を下げて、真上を飛んでやったのだ」
「飛んだだけかよ!」
音が後から来るってことは・・・。
「今頃壊滅してるんじゃないのか、確認してないけど」
「ソニックブーム!」
思わず前世で得意だったゲームキャラのモノマネを披露しちまったじゃねえか!
「ところでナスカよ。向こうにいる人間達が近寄ってきてるようだが、やっちゃってよいのか?」
「ああ、蹴散らしちゃって」
「じゃあ、やるのだ!」
竜姿のタツキが大きく息を吸い込む。
竜の胸が大きく膨らむ。
そして、その口が大きく開かれ、炎光線が敵の軍を焼き始める。
ゴガガガガガガガガアアアアァァァンンン!
遠くを眺めると、既に敵軍は半壊していた。
「スッキリしたのだ!」
化物にも程ってもんがあるだろ!
「ナスカ。タツキ。来てくれたのね」
「ああ。マリ姉、起きたんだ」
「怪我は?」
「気を失ったけど、擦り傷よ」
「そうか、良かった。じゃあ後は頼んでいい?」
「いいけど、あなた大丈夫なの?」
「だめ、もういしきがたもてない・・・」
「じゃああとよろしくね・・・」
そのままおれは、いしきをてばなしました。
1本目終了!
☆
タツキ参上!
もはや戦闘にもなりませんでしたね!
タララッタ タタタ
タララッタ タタタ
タララッタ タタタタ タ タ タ タ
ポイント ピッピッピピッピ ピッピッピピッピ
ポイント ピッピッピッピ ピピピピピ
よろしく〜




