表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第2章 建国編[ファスルト争乱]
43/110

40・馬跳び

 19話から30話までの見直しをしました。

 直したのは誤字と言い回しだけで内容の変更はありません








 とにかく調薬を終わらせない事には、獣の村は安心出来ない。


 大至急終わらせないと。

『はあ、アレティーを領主に貸し出す〜?』


『正式には元領主です。マスター』


 また変なこと言い出したよこの人。


 俺が調薬を続けている間にアレティーから、また新たな情報が舞い込んだ。

 今度のは王国の三公爵全てが貴族位を剥奪されるというショッキングなもので、それに対してマルサン公爵が激怒。内戦は確実なものとなった。


 その為アレティーに情報収集させたいって事なんだろうけど(主にナビ先生の為に)。


『アレティーは人間の言葉がわかるけど、《思念伝達》は使えないだろ』


『私がサポートします』


『どうやってだよ』


『《絆の協和》を通じて彼の意識をトレースし続ければ、彼と人間の直接会話が可能になります』

『並びに随時、私が彼に助言・提案をする事も可能です』


『ナビさんがアレティーの《案内人》になるって事かよ。俺のサポートはどうすんだよ?』


『当然行います。私は貴方のスキルですよ、マスター』


 同時に出来るってか!

 既にスキルの域超えてんでしょ、それ。


『既にアレティーの了解は取ってあります』

『マルサン元公爵が内戦を決断した今、アレティーが元公爵の側にいる意味は御理解しているでしょう』


『俺はまだ領主を手伝うと決めたわけじゃないんですが』


『8割方決めているものと思いますが』


 怖い人だな、この人。


『アレティーに危険は?』


『有りません』


 言い切っちゃうの!


『わかった。好きにしていいけど、アレティーに危険がない様に充分配慮してくれよ』


『了解です。マスター』


 他にも好き勝手やってんだろうな。ナビ先生は。


『それとマスター。ズハ王側がマルサン元公爵とミイージョ元公爵、王国の南部を切り離した事で帝国と繋がっている疑いが強くなりました』

『マリ達の件も急いだ方が良いかと』


『わかってる』


 ミイージョ公爵まで処分したって事は、王国を北と南に分断して内乱の図式を分かりやすくしたんだと思う。

 なら、後で南側を取り戻す算段があるって事だからな。



「ナスカ様〜、呼びました〜?」


「おう、ググ。今、何頭集まってる?」


「まだ50頭ぐらいだね〜」

「残りはロロが掻き集めてるよ〜」


「そうか。じゃあ先にググに説明しとくよ」


 俺はググにファスルトの村に向かう事と、その目的。

 それに、その移動方法を細かく伝えた。


 ググとロロは共にエクスの子供だ。

 ググが長男でロロは長女。つまり二頭共ルルの兄弟である。

 エクスは子沢山で、18頭も子供がいる。さすがにもう作らないって言ってたけど、複数の奥さんがいる絶倫雄だからなぁ、エクスさんは。


「こういう方法で移動しようと思ってるんだけど、出来る?」


「やる事は単純だし簡単だと思いますよ〜」


「じゃあ順番を決めて練習してみて」

「後から来るみんなにも説明しといてね」


「了解〜」



「お前ら〜。適当でいいから表に並んで〜」


 ググが練習を始める。

 俺はその間もせっせと調薬だ。







「調薬終わった〜!」


 やっと終わった。思わず声に出してしまった。

 ググ達の準備の方が早く終わり待たせる事になってしまったけど、調薬は予定通りの時間で終わらせた。


 俺が遅れたわけじゃないよ。

 ソードウルフ達が早かっただけです。


『グライス。調薬終わったから手が空いたら取りに来てくれ』

『俺はすぐにファスルトに行く。薬は家に置いとくから』


『わかった。マリ達が怪我でもしてたら、お前引き裂くぞ』


 マリ達じゃなくマリ姉がだろ、お前の場合。怖いねえ。


『肝に命じて置くよ。こっちは頼んだよ』


『任せておけ』



 自宅を出て、俺は大きく伸びをした。

 いったい何時間の間、家にこもって調薬し続けていたんだろう。

 さすがに疲れたけど休む訳にはいかないな。


「順番は決まってる?」


「バッチリですよ〜」

「俺が最初に行かせてもらいます〜。ナスカ様は最後尾をロロと進んでくださいね〜」


「俺はロロの影に潜って運んでもらうよ」

「頼むよ、ロロ」


「お任せくださいナスカ様」

「私が責任もってナスカ様をお届けします」

「ググなんかよりずっとお役に立ちますよ。私は」


 張り切ってんな〜、ロロ。

 でだ。問題はコイツだ!


「お前は留守番だ。ルル」


「なんでだよナス兄ちゃん」

「僕も病気してない動けるソードウルフだよ」


「駄目だ。お前は留守番だ」


 ルルは、今回は連れて行って貰えるものだと思っていたのか、途端にシュンとしてしまった。


「ナスカ様の言う事をちゃんと聞かないと駄目だぞ、ルル」

「私がしっかりとナスカ様のお役にたってくるからな」


 数日前に、私もセコードまでついて行くと言った自分を忘れてるな、ロロ。



「ググ。始めてくれ」


「了解〜。じゃあみんな〜、行くぞ〜」


 ググの姿が一瞬で消える。《影移動》だ。


 それを合図にソードウルフ達が次々と消えていく。

 移動先のググの影を目指して《影移動》しているのだ。


 今回、俺が考えた移動方法とは《影移動》を繋いでいく方法だ。


 先ずは先頭のググが《影移動》する。

 次に二番目を務めるソードウルフが、移動先のググの影に向かって《影移動》し、ググの影から出る。出現後にもう一度《影移動》してその場に待機

 その次は三番目だ。

 三番目は先ず《影移動》でググの影から出現。次の《影移動》で二番目の影から出現。そしてもう一度《影移動》して待機。

 これを120頭で120番目まで繰り返したら、最初のググに戻る。

 つまり、俺が前世の子供の頃にやった馬跳びである。


 スキル《影移動》とは自分の認識の範囲内の影に移動するスキルだ。


 影を認識する事は意外と難しい。普通は視界に入らなければ認識は出来ない。

 だが、《影移動》持ちの者が《魔素感知》を併用すれば割と遠く、約1.5キロ先の影を感知出来るのだ。


 影は魔素を持っていないが、その影を作る木や草などの植物、動物や魔物も魔素を持っている。


 その上で影を認識する方法を一つ例に挙げると、先ずは視界に入らない1本の木を《魔素感知》で探る。

 《影移動》持ちはそうして認識した木から、その木が作り出す影も認識する事が出来るのである。


 《影移動》にはもう一つ面白い特性がある。


 一度《影移動》を使うとその場所に道の様な物が出来るのだ。そしてその道を利用するとスキルの仕様による疲労が殆どないのだ。


 例を挙げるとA地点とB地点にそれぞれ2つ以上の影があるとする。

 一度AからBに《影移動》すると、AとBを繋ぐ道の様な物が出来る。

 疲労するのはこの最初の移動だけで、その後はAのどの影からBのどの影に移動しようと、逆にBのどの影からAのどの影に移動しようと疲れないのだ。

 この道は他人が作ったものでも使用可能だ。


 この道方式は《影移動》の上位互換である俺の《亜空間移動》も同じ仕様である。


 つまり、俺は次には疲労する事なくセコードまで行く事が出来るのだ。

 まあ俺が一人で移動する事は余りないので意味ないけど。


 まあそんな訳でここからファスルトまで《影移動》2回分の疲労で行けるのである。《影移動》2回くらい全く疲れないので実質ノーダメだ。


 後の問題は連携だけだったが、全く問題なかった。


 馬跳びをやった事があればわかると思うが、詰まってしまって渋滞を起こす事がある。

 だが、今回のメンバーは同じ群れで暮らすソードウルフのみ。連携は完璧だった。

 唯一の人間の俺はロロの影の中で運んでもらうだけだ。



「では行きますよ。ナスカ様」


「ああ。行こう」


ガブッ


「痛っ!」


 ロロの影に飛び込む瞬間、右脚にチクっとした痛みを感じた。

 見るとふくらはぎに小さなモフモフがぶら下がっている。


『ルル、お前なあ』


『ナス兄ちゃんと行く』


『ロロ、ルルがついて来ちまった』


『ダメじゃないのルル、あんたは留守番って言われたでしょ』


『ナス兄ちゃんと一緒に行く』


 しょうがない奴だなぁ。


『ロロ、今どの辺?』


『4回目の影の中です。このテンボの最中に止まったら、大渋滞を起こしますね』


 連携が良すぎて困るとはねえ。


『しょうがない。到着したら俺はロロの影から出るけど、ルルはこのまま影の中にいるんだぞ』

『それが守れるなら連れてってやる』


『まもれる!』


 返事はいいんだよな。


『ロロ、わるいがルルを頼む』


『承知しました』


『ルル、姉ちゃんの言う事聞くか?』


『ロロ姉ちゃんの言うこときく!』


 やれやれ。


『ロロ、到着したら起こしてくれ。それまで俺は仮眠するよ』


『はい。ゆっくりとお休みください』


 俺は到着までの約10分間仮眠をとることにした。

 ロロの影の中で、ルルを抱えて目を瞑る。

 ルルの体温が温かくて心地良い。


 短い時間だけど、ぐっすり眠れそうだ。

 主人公さん、到着直前には寝ていたことが発覚しました。


 主人公視点の時に説明文が多いのは、主人公とナビが単に説明好きって事みたいですね。


 作者がどっかでお茶を濁そうとすると、この二人が許してくれません。

 これでも頑張って濁してはいるんですけどね。







 続きが気になる。続きが読みたい。投稿を頑張って欲しい。という方にブックマーク登録をお願いしています。読者数の増加は大変励みになります。是非お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ