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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第1章 転生編 [天界]
4/110

4・なんか泣けてきます

『次で実に5回目の転生になります』

「はぁっ?5回目!」

 やべぇ、またつっこんじったよ。

『いい加減にしなさい、この無礼者め!』


 アクラの奴がすっげぇ睨んでるな。つい出ちゃったんだからしゃーないっしょ。


 アクーリスは冷静な表情のまま、右手の手の平をアクラに向けてーー構わないーーといった仕種をした。

 流石は師匠。人間、いや女神が出来ている。


『では転生制度について説明しますね』


 転生制度?制度化してんのか?


『この制度は貴方達の世界の創造神と私達の世界の創造神の二柱が古い友人関係にあった事から制定された制度で、お互いの世界で生まれた子供達が本人の過失なく、不慮の事故や虐待などで命を落としてしまった際に救済する為の制度です』

『原則5歳までに命を落とした子供が対象で、今回の貴方の場合は特例という事になります』


「私達の世界の創造神と仰いましたが、ではもうここは俺の居た世界ではないのですか?」


『はい。先程ここは天国とは違うと申しましたが、貴方にとってのここは異世界の天界という事になります』


 驚いた!俺は既に違う世界にいるらしい。


『では、今回何故貴方が特例として異世界に転生出来る事になったのかも説明致しますね』


 それも気になるところだよなぁ。


『それには貴方のこれまでの転生の経緯を先に説明する必要があります』


『最初に貴方は向こうの側の世界に生まれましたが、貴方は産み落とした母親に捨てられ生後3日で息を引き取りました。死亡場所はコインロッカーの中でした』


「マジで!」


 思わずまたつっこんだけどアクラも死亡理由に驚いたのか、今度は何も言って来ない。


『酷い死に方に同情した創造神二柱は即決で転生制度の適用を決め、1度目の転生を行いました』


『異世界に転生した貴方でしたが、貴方の2歳の誕生日に生まれた国が戦争によって他国に滅ぼされ、亡国の国民となった貴方と貴方の家族は個別に奴隷として売り払われました。その時に貴方を買ったのは戦勝国の変態貴族です』


「・・・・・。」


『売却先の貴族の元で、貴方は半年間嬲られ続け、2歳6カ月で帰らぬ人となりました。死因は栄養失調でした』


「悲惨!」


『・・・・・。』


 今度もアクラは何も言って来ない…。


『原則、転生は1度だけなのですが、この時も創造神達は即決で再びの転生を決断しました。2回目の転生で元の世界に戻った貴方ですが、生後6か月の時に大きな地震にあいまして・・・。』


『・・・・・。』


「・・・・・。」


『この地震では助かったのですが、震災後に孤児となった貴方は孤児院に引き取られます。この孤児院の院長がまた酷い人でして、まだ赤ん坊の貴方を毎日毎日蹴りまくりました。顔は痣になってバレるからとお腹ばかりを毎日毎日』

『当然、貴方は死んでしまいます。享年9か月。死因はお腹を蹴られた事による多臓器不全』


「かわいそう!」


 アクラが何やら悲惨なものでも見る様にこっちを見てる。


『そして3回目の転生となりますが、この時の転生担当神は空間魔法を得意とする時の男神でした』

『彼は1度目の転生の時も担当神として見守っていた神であり、創造神様に「今度こそはこの子が成人するまで自分が助けることをお約束します」と確約しました』


『もう気合い入りまくりでした』


『その甲斐もあって幾度かの危機を潜り抜けてきた貴方でしたが、7歳の時に貴方の住む村が魔物の大群に襲われてしまって…。』


『・・・・・。』


「・・・・・。」


『貴方の首元に魔物の爪が迫った瞬間の事です。時の男神が得意の空間魔法で貴方を逃がそうと空間転移させたのですが、手元が狂ったらしく、川の中に飛ばしてしまったそうです』


「何してくれてんの!」


『何やってんのよ!』


 ついにアクラからも声が出たな。


『そんな訳でまた駄目でした。死因は窒息です』

『後日になって判明した事ですが、どうも男神さん、その時にお酒を呑んでいたらしく、創造神様に大目玉を食らって現在は失踪中です』


『あの柱、それでいなくなったのか〜』


 アクラが小声でボソボソとなんか言ってんなぁ。


『既に5歳を過ぎていて原則転生制度にかからないのですが、死因が明らかに担当神の過失によるものでしたので、この時も特例が認められました。それでまあ4回目の転生になるのですが、結果はまあご存知ですよね』


「ええ、まあ」


『あちらの世界の担当神さんも4回目は頑張っていたみたいですよ。銃弾を死なない程度に逸らしたり、飛行機の墜落の衝撃を緩和したり』


 あれって俺の運が良かった訳じゃなかったのね…。


『一応あちらでも4回目の担当神が成人までの生存を確約していて、危機が迫ってる際には予め見守りの強化をしていた様です』

『でも担当神も四六時中見張っているわけではないし、19歳。ほぼ成人まで来ていたという事で今回の転生はいいかという話しで纏まりかけていたのですが』


『貴方が撃たれた時に、隣に女子高生がいたのを覚えてます?』


「いや、覚えがないですけど。それが何か?」


『いやね。その女子高生があちらの担当神のどストライクだったそうでして…。貴方が撃たれた時にはそちらに目がいっていたらしいです』


『「アホか!」』


 ついにアクラとツッコミが被った!


『過失が明らかになった事で、今回、5回目の転生が決まりました』


『余談ですが、あちらの世界の4回目の担当神は免職されて、あちらの世界の地上界に落とされたとの事です』


『現在は、元気にその時の女子高生のストーキングをしているとか』


「罰になってねえ!」


 俺の人生っていったい…。

 本日、もう1話頑張って投稿しよう。

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