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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第2章 建国編[ファスルト争乱]
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36・土の壁・氷の天井

 ミドリさんを助ける!


 私とメソちゃんは村へと急いで向かう。

「アイスピラ!」


 有り明け方の暁天に複数の氷の槍が舞う。

 槍先は確実に上空の敵を捉え撃ち抜いていく。


 コカトリスたちはバタバタと落ちていくが、ガーゴイルやワイバーンには致命傷は与えられていない。


 やっぱりジャベリンかトマホークじゃないと無理か。


〈アイスピラ)は複数の敵を同時に攻撃できて魔力消費も少ないが威力は少ない。対して〈アイスジャベリン〉や〈アイストマホーク〉は破壊力はあるが魔力の消費が著しい。


「マリちゃん、乗って」

「一気に村に入る!」


 いつの間にか狐の姿に変身していたメソちゃんが、私の横を駆ける。


「メソちゃん、お願い」


 私は迷うことなく、メソちゃんの背に飛び乗った。


「グラウンドランス!」


 地面からいくつもの槍が突き出して魔物たちを刺し貫いていく。

 メソちゃんの前に道が開ける。


「マリちゃん、しっかりと掴まってて」


 紫色の空に私を背にしたメソちゃんが、高々と飛翔する。


「アイスピラ!」


 私は再び複数の氷の槍を放って、空に道を作る。


 ふわりと着地したメソちゃんは、そのまま、村長でもあるゲルキメン男爵の家に向かう。


 ゲルキメン男爵の屋敷は村役場と隣接して建っている。ミドリさんもそこにいる可能性が高い。


「これ以上の魔物の侵入を防ごう」

「メソちゃんは陸をお願い」


「任せて!」


「グラウンドグレートウォール!」


 高さ20メートルもある分厚い土の壁が、村全体をぐるりと囲むように聳え立つ。

 壁の外側にも深さ10メートルの空堀が出来ている。


「クリエイトウォーター!」

「アイスエイジ・スカイ!」


 私が天に向かって手を翳すと大量の聖水が噴出する。

 その聖水が空堀を満たしていくと同時に大気中の水分が集まり凝固し始める。

 足りない水分は聖水で補いながら分厚い氷の天井が形成されていく。

 私が手を降ろすと、空堀は聖水でなみなみと満たされ、氷の天井は土の壁からドーム状に村の空を覆っていた。


 敵の魔物にアンデッド系はいなかったと思うが、魔物は通常魔属性だ。普通の水よりは効くだろう。


「メソちゃん、どのくらい持つと思う?」


「1時間くらいかな。マリちゃんは?」


「同じくらいだと思う。急ごう」


「うん」


 メソちゃんは大魔法を使っている間、立ち止まっていた脚をまた動かし始めた。


 今の魔法で私の魔力は大幅に減ってしまった。メソちゃんも同様だと思う。


 どのくらい持たせられるか・・・。


『ごめん、マリ』


『どうしたの、アクラさん?』


『私が表に出ればもっと魔力が増えるし威力も上がるのに』


『しょうがないよ、女神様のルールなんだし』

『サポートしてくれるだけで助かるから』


『私も歯痒いのよ。本当にごめんねマリ』


 私が引っ込んで、アクラさんが私の体を支配すれば確かにもっと強くなれる。

 けれど、それが出来ないのはわかっていた事だ、

 今は出来る事をするしかない。


 ゲルキメン男爵の家はもう目と鼻の先だ、

 待っててねミドリさん。直ぐに行くからね。



☆(ここよりミドリ視点)



「きゃああぁ〜っ」


ドシュ、バシュ、ドタンッ


「大丈夫ですか、お嬢様?」


「ありがとう。大丈夫よ」


 私を狙った腕とミノタウルスの首が、一瞬で落とされている。

 さすが、強いですわね、セイメン。


「この〜、ファイアーボール!」


 ゴブリンを1体黒焦げにしてやりましたわ。


「お嬢様はお下がり下さい」


「私も戦いますわ。私だってゴブリンくらいなら」


「違います。治癒魔法の使えるお嬢様は貴重なのです」

「負傷者の治療に専念して下さい」

「ここは私が守ります」


 周りを見渡せば、兵達だけではなく村民にも多数の負傷者がいる。


「わかりましたわ。ここはお任せします」



「ミドリさ〜ん」


 私が村人に治癒魔法をかけていると、私を呼ぶ声が聞こえてきた。


「ミドリさ〜ん」


 真っ白な美しい狐に乗った美少女が凄い速さでこっちに向かってくる。

 水色の長い髪を靡かせ、顔にはいつも優しい笑顔を浮かべて一直線に。


「マリ、来てくださったのですね」


ガシッ


 私の返事も待たず、マリは狐から飛び降りると、そのままの勢いで強く抱きしめてくれましたわ。

 

「ミドリさん。大丈夫?怪我はない?」


「もちろんですわ。私だって少しは戦えますのよ」


ガシッ


「ミドリちゃ〜ん。良かったよ〜」


 誰?ですわ?

 真っ白な少女に抱きしめられましたわ?

 サラっとしたセミロングの真っ白な髪が私の鼻をくすぐりますわ。涙を浮かべたその顔は清楚系お嬢様ですわ。


「誰?ですの?」


「メソだよ〜、ミドリちゃん」


「えっ、えっ、メソ?えっ」


「ミドリさんは見たことありませんでしたっけ。メソちゃんが狐から人化するとこの姿なんですよ」


「そうなんですの?」


 私はメソから顔離して、その顔を覗き込む。


「えへへ、びっくりした?」


「貴方、随分感じが変わりますのね」


「えへへ〜。いいでしょ」


 本当に印象が違いますわ。

 いつものふわっふわの可愛い系ピンクっ娘から、さらさら清楚な真っ白美少女になってますわ。


「口調はたしかにメソですわね」


「ミドリさん状況を教えてくれる?」


「それは私からお伝えしましょう」


ドシュ、ドサッ


「背中にお気を付けを、男爵様」


「セイメン殿、助かりました」

「マリ達も来てくれてありがとう」


「いえ、お久しぶりです村長」



 セイメンに護衛をしてもらい、その間に私とゲルキメン男爵とで、マリ達に現状を報告する。


 今から1時間前に突然魔物に襲われた事。

 直ぐにお父様に連絡を入れたが、通信魔道具が途中で切れて、そのまま繋がらなくなった事。

 ボット隊長率いる騎士隊が村の北側を、ゲルキメン男爵率いる駐留守備隊が村の南側を守って戦っていた事。

 マリ達が侵入を阻んでくれてからは、既に侵入していた魔物の掃討戦に移行して、ゲルキメン男爵はこの場まで状況の確認に戻ってきた事などをマリ達に伝えましたわ。



☆(ここよりマリ視点)



 私達の話し合いの最中に、ボット隊長も戻って来て話しに加わった。


「そう。通信魔道具も駄目だったの」


「通信員に続けさせてはいるが、変化はないそうだ」


「マリちゃん。オーリンくんが着いたって」

「このままじゃ入れないから迎えに行ってくる」


「おお。オーリン殿が。それは頼もしい」


「男爵、オーリン殿とは?」


「オークジェネラルだ、ボットくん」

「しかも防御に特化しているという」


「敵の中にもオークはいる。同士討ちの可能性は?」


「それは大丈夫。うちの子たちはみんなハイオーク以上で全員鎧を着用してるから、簡単に見分けはつくはずです」


「じゃあ迎えて行ってくるね」


「気をつけてね、メソ」


「ミドリちゃんも無理しちゃ駄目だよ〜」


 メソちゃんは狐の姿に戻るとあっという間に消えていった。


「ボットさん、騎士隊の被害は?」


「戦闘不能は4人だけだ。まだやれる」


「村長、守備隊の方は?」


「22名やられた。残りは78人だ」


「合わせて104人ですね」


『オーリン、メソは着いた?』


『はい。今、壁を開けて貰いました』


『何人連れてきたの?』


『オークを50体です。それと他に4頭ほど』


『4頭?ポンゾウとポンノスケだけじゃないの?』


『すいません。ポンキチとラスリルが付いてきてしまいまして』


『ラスリルまで!』


 あの子達は、ほんとに!


『来てしまったものはしょうがないわ』

『あなたたちは急いでこちらに合流して』


『了解しました』



「オーリンがオーク50体連れてきたそうよ」

「森にはまだゴブリン達もいるから、状況次第でこっちに来てもらうわ」


「それは心強いが、果たしてどこまで持つか」


「ボットさん。敵の残りはどれくらいかわかる?」


「正確にはわからんが、400体ぐらいは倒しただろう。残りは800体ぐらいか」

「しかし倒した魔物はランクの低い奴らばかりで、厄介な奴らは粗方残っている」


「厳しいわね」


『マリ、なんか変よ』


『変って何が、アクラさん?』


『良い事なんだけど、こっちの被害が少な過ぎるよ』

『相手にはAランクの魔物が大量にいるのに』


 たしかにそうだ。騎士隊が強いにしても4人は少な過ぎる。守備隊に至っては半数以上やられていてもおかしくないのに。


『それに暴れ方も変なのよ。知恵ある魔物達が全く連携せずに勝手に暴れてるわ』

『壁や天井への攻撃にしても、1ヶ所を狙わずにバラバラに攻撃してる』

『まあそのおかげで後1時間半は持ちそうね』


『そっか、ありがとう、教えてくれて』


『何か感じたらまた伝えるわ。頑張ってねマリ』



「どうしたんですの、マリ。何か考え込んでますの?」


「いえ、敵の魔物がおかしいと思って」


 私はこの場の全員に魔物の行動がおかしい事を伝えた。

 その間に合流した、メソちゃんやオーリン達も含めて話し合いを続ける。


「敵の攻撃が弱いのはいい事だろ。そのおかげで壁も持つのだし」


「たしかにそうなんだけど・・・」



「ボット隊長。壁に登り外の状況を確認していた物見より伝令です」


 そう叫びながら、一人の騎士が駆け込んできた。


「申せ!」


「魔物の向こうに軍列が現れ布陣しました。その数2万」


「援軍か!」


「旗印からガネーボウ領兵と確認しました」


「良し!これでこちらからも攻勢に出られる」


「お待ちください。軍陣の中に攻城兵器も確認しています」


「攻城兵器?何故そんな物が必要なんだ?」



 私達は全員で顔を見合わせた。そして絞り出すようにボット隊長の口から言葉が溢れた。


「援軍ではないのか・・・」






 


 

 ミドリも無事でした。


 とりあえず一安心ですね。



 貴方はだんだんと画面をスクロールしたくなる〜

 したくなる〜、した〜くな〜る〜


 そして〜、だんだんと〜


 ポイント評価のボタンを押したくなる〜

 押したくなる〜、押したくな〜る〜


 も〜う押さずにはいられませんよ〜


 ハイ、押した〜



 よろしくお願いします。

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