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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第2章 建国編[争乱前夜]
34/110

34・内乱の兆し

 ラスト1本!



 そろそろシリアス展開に突入するので、サブタイトルで遊んでる場合じゃなくなりました。






 ファスルトへの調査団が出発して丸一日経過した。

 我儘娘はどうしてるやら。

「旦那様、先程報告が入りました」

「お嬢様方は無事に野営地を出発」

「本日の夕方には予定通りファスルトの村に入られるとの事です」


「わかった。わざわざ執務室まで、我儘娘の為にすまんな、トーヨウ」


「いえ、マルサン家の執事長として当然の事」


 全く、我娘ながら余計な仕事を増やしてくれるな。

 ファスルト村で何かが起こったという報告はきていない。このまま調査が済むまで何事も無ければ良いのだが。


 心配事はファスルトの件だけではない。王国としてはもう一つの事の方が問題なんだ。


 ファスルトの件は、私が気にしすぎなのかもしれない。何も起きなければ安全な街道が確保出来、村の発展につながるんだ。

 良い事づくめじゃないか。



ドンドンドン


「領主様、緊急のご報告があります」


「入れ!」


 報告に来た若者は、転がり込む様にして入ってきた。ただ事じゃないな。

 服装からすると魔道具通信員の様だが。


「どうした、ファスルトで何か起こったか?」


「いえ、ファスルトの件ではありませんが、良くない事か・・・」


 通信員が躊躇う様に言葉を飲む。ろくな事じゃねえな。


「緊急だろう。早く話せ」


「はい。王が・・・」


 くそっ。こっちの問題か。


「王がどうした!」


「はい。国王様がドルべ侯爵様の貴族位を剥奪し、領地を没収すると布告を出されました」


「はあ?まさか?」


「・・・・・・若王が」


「若王が侯爵領にまで手を付けたというのか!」


 思わず声を荒げてしまう。

 

 また一人、通信員が執務室に駆け込んできた。


「続けてご報告致します。ドルべ侯爵様より魔道具通信が入りました」


「申せ。ドルべ侯爵様はどうすると?」


「はっ。ヌドゥリウル侯爵様に頼られるそうです。領主様も気をつける様にと仰っておりました」


「わかった。グタ伯爵とバグーン伯爵に念のため兵を集めておけと連絡しておけ」

「可能ならばドルべ侯爵の支援も頼むとな」


「了解しました」


 通信員の退出を見届けると、私はトーヨウを側に呼び耳打ちする。


「このままヌドゥリウル侯爵領に向かってくれ。彼も危ういかもしれん」


「畏まりました」


「すまんな。セイメンがいれば奴に行かせるのだが」


「いえ、セイメンはまだ若い。侯爵様のお相手はまだ任せられません」

「それに、この老体がお役に立てるのであれば喜ばしい限りです。では」


 トーヨウは足早に退出する。


 まさか若王が侯爵にまで手を出すとは思わなかった。


 ヌトン侯め、自分の父を失脚させるとは何を考えている。


 ミイージョ公爵とも協議する必要があるな。


 クソッタレめ、考え得る限りで最悪の事態とタイミングだ。




 ズハ=ベロン=ダラーゴ=ニスリーン。

 先代ラガ王が急死し、14歳の若さで王位について在位5年。19歳の青年王である。


 年こそ若いものの賢く聡明で、将来はニスリーン王国建国以来最高の賢君になるだろうと期待されていた王だ。


 しかし2年前に新たな宰相を迎えてから、ズハ王は変わってしまった。

 その新たな宰相こそが、ズハ王の従兄弟でもあるヌトン侯爵である。


 ヌトン侯爵は、先代ラガ王の兄であるドルべ侯爵の長男で、末子相続が普通なニスリーン王国では行き場の無い立場であった。

 だが、軍事・政治の両面において優秀であり、帝国との小競り合いの中で掴んだ戦功も認められて、伯爵の位階を掴んだ人物である。

 その後、ズハ王の治世になり、侯爵へと位階を上げたのだ。


 ズハ王はこの2年の間に、次々と貴族や官僚達の位官を剥奪し追放。その領地を没収し、ズハ王の直轄領としている。

 時にはその領地の一部をヌトン侯爵に与える事もしている。


 追放された貴族達の殆どが先代ラガ王の功臣達で、ズハ王の即位後には、ズハ王直属の臣下となった者達だ。

 つまりズハ王は、一度は自らの手で直参として任命した者達の領地を取り上げているのだ。


 そんなズハ王でも、これまで侯爵領には手を出せなかった。


 ニスリーン王国の侯爵とは、殆どが王族出身の者達に与えられる貴族位である。

 形式上では侯爵は公爵より下の位であるが、王族との距離は公爵よりも近しい存在なのだ。


 ズハ王はついにその侯爵にまで手を伸ばし始めた。

 公爵とて油断の出来ない状態に突入したのである。





 


「あ〜あ。ミドリちゃんとはもうすぐお別れかあ」


「ここまでお二人とご一緒出来て楽しかったですわ」

「それにお別れと言っても、近くにはおりますわよ」


「そうだよね。メソも楽しかったよ」


「今更だけど、叔父さんの所に顔を出さなくてよかったの?メソちゃん」


「すぐに出発だったからね。いいんだよ」

「マリちゃんこそ、商店に寄りたかったんじゃない?」


「慌しかったからね。次にセコードに行った時には皆んなで行こうね」


「うん」


「その時は私もご一緒しますわ」



 セコードの街にはマリちゃんの両親の商会の本店があって。今はメソの叔父ちゃん夫婦が店を守ってる。


 クライムフォール商会はハテルノンの事件の後も、叔父ちゃん夫婦が守ってたの。


 叔父ちゃん達は無事だったメソ達と再会した時に、商店をマリちゃん達に返すって言ってたけど、マリちゃん達は受け取らなくて、正式に商会を叔父ちゃん達に譲渡しようとしたの。

 叔父ちゃん達も全部は受け取れないって言って、権利の一部はマリちゃんとナスカくんに残したの。


 だから今でも商会はマリちゃんの物でもあるんだ。


 叔父ちゃんも叔母ちゃんもマリちゃんもナスカくんもみんな良い人だから、仲良しなんだよ。

 セコードの街に居た時も商店の離れでみんなで住んでたんだ。



「マリ様、メソ様。森が見えて来ました。森の入り口まで後30分程です」


「わかりました。ありがとうセイメンさん」

「じゃあオーリン達に、もうすぐ着くって連絡するわね」


「待ってマリちゃん。メソもポンキチくんに連絡してもいい?」


「ふふ。いいよ」


「やった〜」



『ポンキチく〜ん。メソだよ〜』


『おお!メソの姉貴!お久しぶりっす』


『もうすぐ森に着くよ〜』


『ホントっすか。今すぐ迎えに行くっすよ。待ってるっす』



「へへ〜。ポンキチくん、迎えに来てくれるって」


「わあ、私も会いたいですわ」



 そうこうしている内に馬車が森の入り口に着いたみたい。

 ミドリちゃんも一緒に馬車を降りると、森から小さな影が飛び出してきたよ。


「マリの姉貴、メソの姉貴。お疲れ様っす」


「わ〜い、ポンキチくんだ」


「ポンキチ、久しぶりね」


「ポンキチくんですわ。大きくなってますわ」


 ポンキチくんの後ろから、もう一つ小さな影がおずおずと出てくるの。


「マリお姉ちゃん、メソお姉ちゃん。いらっしゃい」


「ラスリルちゃんだ〜」


「ラスリルちゃんですわ〜。やっぱり大きくなってますわ」

「二頭とも私を覚えてますか?」


「覚えてるっす。ミドリの姉貴っすよね」


「僕も覚えてるよ。ミドリちゃん」


「覚えていてくれて嬉しいですわ」


「相変わらず僕っ娘なのね。ラスリルは」


 マリちゃんはラスリルちゃんを抱き抱えてミドリちゃんに渡してる。


「森の獣の成長は早いからね」

「トランスフォームラクーンドッグとホーンラクーンは小型の獣だから、そんなに大きくはならないけどね」


 ミドリちゃんはマリちゃんの話を聞きながら、嬉しそうにラスリルちゃんを抱っこしてる。



「ミドリ様。今日は早目に宿に入らないといけませんので、そろそろ」


「わかりましたわ、セイメン」

「では名残惜しいですが、私は行きますわ」


「うん。ミドリちゃんまたね」


 メソ達はミドリちゃんにお別れの挨拶をして、馬車を見送ったの。



「あっし達も行きますか。皆んな待ってるっす」


「そうね。行きましょう」


 メソ達も森のみんなの所に向かうの。


 この森にも大きな建物は2軒あって、ブルジ山の獣の村と同じで、ドワーフさん達に作ってもらったんだ。

 1軒がメソ達の泊まる所で、もう1軒は魔物達の集会所なの。


 森には他にもゴブリンさんやオークさんの家がいっぱいあるよ。

 ナスカくんと魔物さん達で一所懸命に作ってた。

 メソもお手伝いしたんだよ。



!!!


「メソちゃん、どうしたの?」


 何かへん!メソが急に立ち止まったからマリちゃんが聞いてきたの。


「何かへんだよ。マリちゃん」


「変って何が?」


「わかんないけどへんなの。あと何かいる」


「何かって、何かはわからないの?」


「うん。でもいる。勘みたいなものだけど」

「へんなのは森全部からするよ。いつもと違うの」


「森がっすか。あっしにはわからないっすが」


「こういう時のメソちゃんの勘は鋭いの。ポンキチとラスリルも注意して」



 しばらくはメソの見てる方をみんなも見ててくれた。



「あっ、消えた。いなくなっちゃった」


「気配が消えたって事?」


「うん。でも森がへんなのはまだ続いてるよ」


 マリちゃんは暫く考えてから言ったの。


「気になるけど、今は先に進みましょう」

「メソちゃんは引き続き警戒していて」


「うん」


 マリちゃんはいつも冷静に判断してくれる。

 マリちゃんに着いていけば大丈夫だ。


 メソはメソの出来る事をしよう。


 でもなんなんだろう、このへんな感じは。


 とても嫌な感じだなあ。







「本当に鋭い娘だな、メソといったか?」


「はい。気配を抑えている我々の存在を察するなど、ちょっと信じられませんな」

「我々でさえ感じ取るのが難しかった森の気配も読み取っていた様ですし」


「確かにこの森、いやこの辺り一帯がおかしな雰囲気に包まれている」

「必ず何か起きるぞ。貴様は天界に報告を上げておけ」

「創造神ゼース様に」


「はっ。了解しました。天使長殿」


 





 1日4回投稿終了!


 終わった〜!


 明日からはまた通常営業です。



 今回は領主視点からのメソ視点でした。

 いかがだったでしょうか?


 大分慌しくなってきましたが、おさらいの為、この後、登場人物紹介や設定の一部開示を挟みます。

 前から書きたかったのですが、ココしかタイミングがありませんでした。


 主に、人が増えてきてわけわかんなくなってきている作者のおさらいのために。


 プロットも書いた方が良いのかな、


 行き当たりバッタリの思いつきで書くのも辛くなってきました。


 第2章の章タイトルはもう少しだけ伏せさせていただきます。

 カッコ書きの細かいのはこれまで通りにボチボチつけていく予定ではありますが。





 ポイント評価をお願いします。


 感想でも誤字報告でも構いません。


 無理して4回も投稿したから文章が粗いぞ、この野郎でも構いません。


 読者の皆様からの何らか反応だけを励みにして書いていますので、お手数ですが宜しくお願いします。

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