33・天は人の上に・・・
本日3本目。
☆
エウデモル様自身もかつての創造神ウラース様の創造物であった。
そしてエウデモル様は現在の創造神ゼース様と盟約を結んでいると言う。
その盟約とは一体。
『新たな地上の管理者である創造神。ゼース殿は、この地上に様々な種族を造った』
『人間や亜人たちをはじめとした、動植物たちである』
『そして創造神たる自らにも地上界に深く干渉してはならぬと誓約をして、地上界は新たなる種族たちに委ねる事に決めたのだ』
『ゼース殿は地上の管理者であったわしの元を訪ね、その旨を伝えてきた』
『わしは元々、創造神ウラース様によって地上の管理を任されていた。新たな管理者でもあるゼース殿の意に背く気はなかった』
『その頃には既にウラース様はお隠れになっておられたしの』
『そして、わしとゼース殿とで盟約を定めたのじゃ』
『わし達竜族は地上のあらゆる物事に干渉しない。かわりに天界もわしら竜族に干渉してはならない』
『天界は地上界に管理の為の最低限の干渉はするが、深く関わってはならない。天界が地上界に過度な干渉をした場合には、わしら竜族はその行為を非難し、天界に対しても自由に行動を起こせる』
『という盟約をな』
竜族と天界。相互に監視して牽制し合うという盟約だな。
創造神ウラース様とは古竜エウデモル様にとっても父であり母でもある存在なのだろう。
エウデ様と神様達との間に上下の差がない同列の存在故に結ぶことの出来た盟約といえるのだろうな。
『まあ過去には色々あって、竜族33柱の内、わしに従う者は11柱になってしまったのだかな』
『他の22柱の竜達は今はどうしているのですか?』
『【極氷竜】ドーマルマンが9柱を【豪雷竜】ジュガイルが10柱をそれぞれ従えている』
『それだと合計しても32柱ですよね』
『それはまあそうなんじゃが・・・今はそんな事はどうでも良いのだ』
誤魔化しやがった。
まあいいけど。
『今この時にお前達にわしや竜達、天界の事まで話して聞かせたのには訳があるのだ』
『訳とは?』
エウデ様は思案する様に一度目を伏せたが、決意した表情で話しを続ける。
『今の地上界は不穏な空気に包まれておる。今後、何年にも渡って様々な事象が繰り返される事になるじゃろう』
『お前達も様々な困難に巻き込まれる事になると思うのだ』
『じゃが盟約が有る故に、わし達はお前達の手助けをしてやる事が出来ぬのだ』
『その事を心に留めて置いて欲しいのだ』
そう言ってエウデ様は静かに話を終えた。
今はまだ話したくても話せない事が、まだまだたくさんあるという事が、その表情に浮かんでいる。
エウデ様が俺達を気に入り、また、心配してくれている事が伝わってくる。
『盟約に問題ない程度の事なら助けてください。例えば相談するくらいの事なら問題ないでしょエウデ様』
『ワハハハハ』
『そうじゃな。相談くらいになら乗ってやるわい』
『いつでも来い。待っておるぞ』
最後にエウデ様は豪快に笑いながら、いつもの優しい笑顔を見せてくれた。
☆
「わしとした事がその存在に気が付かないとは、全く厄介な奴等じゃな、精霊とは」
「いつ気がついの?ちゃんと気配消してたのに」
「話しの最後の方になってからじゃな」
「ゼース殿の命令か?ティルベルよ」
「うち達精霊は、デアミタル様に造られた眷属だよ」
「デアミタル様以外の命令なんて、受ける訳ないじゃない」
タツキとメソ。唯一無二の存在が二人もわしの近くにいる。天界も監視の目を強めてきたか。
いや、ナスカ殿か。
ナスカ殿の存在こそ、天界に危機感を感じさせてもおかしくはない。
「彼奴の復活も近い。天界も騒がしくなってきたのか?」
「知らないわ。精霊も地上界の存在ですもの」
「それよりも、貴方もおかしな考えを持たないようにね」
「わかっておるわ」
わしが考えるよりも余程の事が起こるやも知れぬの。
気をつけるのだぞ、ナスカ殿達よ。
☆
「あの者の監視は順調か?デアミタルよ」
「あらゼース。貴方の要望通りに眷属に監視させているわよ」
「アクーリスから報告がきてな」
「エウデモルが、あの者との会話からアクラを締め出したそうだが、何か知らないか?」
「あらそう。私の方には眷属からの報告はないわよ」
我とエウデモルとは古い友人だ。奴の性格なら盟約を破る事などない筈。心配はいらないだろう。
デアミタルも厳格な神だ。忠実にあの者の監視にだけ専念する筈。問題ない。
「何かわかれば報告するわ。それよりアクーリスを余りコキ使わないでね。あの子はあくまで私の部下よ。
「わかっている。このまま二柱で監視を続けてくれ」
デアミタルが何も掴んでいないとは思えないのだが。
まあ良い。監視はこの二柱だけではないしな・・・。
本日の3本目終了。
あと1本だあ!




