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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第2章 建国編[治療2]
31/110

31・スーパードクターN

 12月20日の初投稿から、今日、1月19日でちょうどひと月。

 今日はなんと4回も投稿したいと思います。





 集会場は患獣で溢れかえっているのに薬が足らん。

 ナビさんからタツキが出発したと連絡がきたから、もう大丈夫だ、と思ったらもうタツキが到着した。

 連絡きたばかりなんですけど!

「何を呆けた顔をしておるのだ、お前は」


 タツキがなぜここにいる?

 いくらなんでも早過ぎる。


「お前が出発したってナビさんから聞いたのは、ついさっきだぞ」


「どうだ!速いであろう!」

「まあ我には医療知識はあっても医療技術は無い」

「お前が先に戻ったことにも意味はあるのだ。悲観するな」


 あ〜、ドヤ顔がムカツク。


 タツキの言う通り俺が先に戻る必要があったんだが、釈然としねえな。

 いい加減にそのドヤ顔をやめろ!


『タツキの能力はマスターの数十倍です』

『マスターが《根性》を発動しても勝負になりません』


 そりゃあわかってるんだけどね。


「調合済みの薬はどのくらいある?」


「中型魔獣で5頭分しかないのだ」


「とりあえずその分の処置をする。タツキは俺を手伝ってくれ」


「承知したのだ」


「グライス、薬が届いた。こっち代わってくれるか?」


「ああ。この子の敷布を替えたらそっちに行く」


「頼む」


 グライスに俺の担当を引き継いでもらい、症状の重い患獣を看護しているキュービ兄の方に向かう。


「キュービ兄、代わるよ」


「かなり苦しそうだ。処置してやってくれ」

「タツキもご苦労様。来てすぐで疲れてないか?」


「問題ないのだ。キュービこそ疲れた顔だぞ、少し休むがよい」


「ははは、そうさせて貰うかな」


 そう言いながらも、キュービ兄は他の患獣の元に向かった。本当に疲れてる筈だから、少しは休んで貰いたいのだが。


 タツキに薬を出して貰いながら、俺は次々と患獣を処置していく。サポートしてくれてるタツキの手際が良いので、俺も治療がしやすくて助かる。

 こういう時は本当に頼もしいなタツキは。


『キヒ姉、そっちの様子はどう?』


『お母さんは大丈夫よ。顔色も良くなってた』

『今はフェラーとフェリを看てるけど、二頭とも食欲も出てきて問題なさそうよ』


『タツキが戻ってきた。一通り処置したら俺は家で調合するから、キヒ姉には集会場の応援頼める?』


『了解よ』


 母さん達も順調に回復してる。後はこの集会場のみんなの処置さえ終われば安心できるな。







「これで薬は最後か」


 手持ちの薬を使いきり、俺とタツキが立ち上がる。


「キュービ兄、俺は家に戻るよ」


「ああ。後はやっとく」


「熊のお袋さんの容態があまり良くないんだ。処置はしてあるけど注意して看てやってくれる?」


「わかった。調合の方頼むぞ」


「それと、兄さんも少しは休んでね」



 集会場を後にしたオレとタツキは連れだって俺の家に入った。


「母さん、タツキが帰ってきたよ」


「具合はどうだ、タマモ」


「お陰様で楽になったわ。タツキさんもご苦労様ね。お帰りなさい」


「タツキ。向こうの奥に薬剤を全部出してくれ」


「全部出してよいのか?結構な量になるぞ」


「全部でいい。お前この後ズライのとこに行くんだろ?」


「うむ。母様に報告には行くが」


「なら全部でいい。調合は俺一人でも出来るからな」



 前もって空けておいた奥のスペースに、タツキが《影収納》から薬剤を次々と取り出して並べる。

 本当に結構な量だな。


「おっと、忘れるとこだったのだ」


 そう言って、タツキはもう一度自分の影に手を突っ込んだ。


「こいつ、寝ておるな」


ズボッ


「くふぁ〜、ひゅ〜」


 すっかりと寝こけているルルが引っ張り出されてきた。


「あらあら。ルルちゃんってば、すっかりお眠なのね」

「ルルちゃんは私が見てるわ。ナスカは調合を始めなさい」


「母さん、まだ無理しない方が」


「このくらいは大丈夫よ」


 ルルの予防接種はセコードで済ませてあるし、これぐらいは母さんの気分転換にもなって良いかもしれない。



 ルルを母さんに預けて、俺はタツキと向かい合った。


「ありがとうなタツキ。助かったよ」

「ズライによろしく言っといてくれ」


「ナスカも偶には顔を出せ。お前は母様のお気に入りだからな」


「そうだな。問題が全部片付いたら行くよ。伝えといてくれ」



 タツキを見送り、俺は薬の調合を始める。

 結構な量だが、こればっかりは地道にやるしかない。

 薬が無ければ何も始まらないからな。







「母様、ただいまなのだ」


「お帰りタツキ。人間の街はどうでした」


「なかなか面白いところだったのだ。都民プレートとやらも作れたので、これからはいつでも行けるのだ」


「貴女は半分は人間の血を受けているのです。人間との交流は積極的になさい」

「貴女の事をナスカに任せて正解でした」


 母様はナスカを評価し過ぎなのだ。我の方がナスカの面倒を見てやっているのに。


 母様は人間の街の印象や、人間の営み、その他色々な事を聞いてきたのだ。

 我も人間の街で不思議に思った事や感じた事、領主やミドリの事まで、思った事は全部母様に話して聞かせたのだ。



 ニコニコしながら我の話しを聞いていた母様が、急に真面目な顔になって、口を開いたのだ。


「古竜様が貴女と話がしたいとお望みでした。今から伺うので貴女もついて来なさい」


 古竜様が。なんの話だろう。なんか重要な話みたいなのだ。






 久々の主人公視点から、最後はちょっとだけタツキ視点に戻りました。



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