3・そんな死に方あんのかよ!
『結論から言うと貴方は死にました』
やっぱり俺は死んじゃったのね。
「と言うとここは天国って事になるのですか?女神様もいるし」
『厳密に言えば違います。そういった事も踏まえてこれから説明していきます。少し長くなるかと思いますがよろしいですか?』
俺は女神アクーリスの目を見つめながら、覚悟を決めて頷いた。
『よろしい。最初に貴方も気になる事でしょうから、貴方の死因をお伝えします。』
『貴女は頭に銃弾受けました。射殺されたのです』
はぁっ?
射殺?
日本で?
俺の戸惑っている様子を見ながらも、アクーリスは続けて口を開く。
『暴力団同士の抗争に巻き込まれてしまったのです』
「へっ?」
『貴方が真里さんと待ち合わせをしていた駅の側には暴力団の組事務所があり、貴方を襲った銃弾は、その事務所を狙った流れ弾でした』
『天文学的な確率ではありますが、当たってしまったのは事実であり、しようがありません』
なんだそりゃ!
平和な日本の駅前で待ち合わせをしていて、流れ弾に当たって死んだ?
そんな事あんのか?
でもあったのか…。
あっ!
真里は?真里はどうなった!
もうすぐ真里の来る時間だった筈だ!
「真里は?真里はどうなったのかわかりますか?」
アクーリスは微笑を浮かべて答えてくれる
『大丈夫!彼女は心配ありませんよ。流れてきた銃弾は貴方の受けた一発だけですから』
『今も彼女は貴方を失った悲しみに沈んでしまってはいますが、彼女は強い女性です。必ず立ち直ってくれると思いますよ』
良かった。
真里が無事でいてくれたのならそれが一番だ!
真里ならきっと幸せになってくれるだろう。
「そうですね…」
真里との幸せな未来を信じていた俺は、それが叶わない寂しさを堪えながらも小さな声で精一杯の言葉を返す。
その俺の返事を聞き、女神も小さな頷きを返してからまた話し始める。
『それでは貴方の今後についての話しをしましょう』
今後?
死んじゃったのに今後なんかあんのか?
訝しんだ表情を浮かべる俺を無視して女神は話しを続ける。
『貴方は異世界に転生する事になります』
「マンガか!」
『アクーリス様に対して無礼よ!控えなさい!』
やべぇ、思わずつっこんでしまった!んでアクラに怒られちゃったよ!
でもお前、転生って。
『続けますよ。実は貴方の異世界への転生はこれが初めてではありません。次で実に5回目の転生になります』
「はあ?5回目!」
やべぇ、またつっこんじったよ。
本日の2話目終了、
明日も2話投稿出来るといいな。