28・ガールズパーティー
最上階の執務室ではミドリ様が親子喧嘩の真っ最中。
困ったお嬢様ね。ミドリ様も。
「お前の魔法などアテにならん」
「私だって日々努力していますわ」
「名門である領立騎士魔法学院の魔術学部魔法科の首席ですのよ」
「エリート面するな。学生など役に立たん」
「私は心配しているのですよ。ファスルト村には親しい者も有りますし、森にはポンキチくんやラスリルちゃんも居ますのよ」
「お父様は心配ではありませんの」
「今はそういう事を言ってるわけじゃないだろう」
埒が明かないわね。私達が上がってきてからもずっとこの調子だ。
『アクラさん、どのくらい経った?』
『30分くらいね。合計すれば3時間を超えたわ』
3時間か・・・ミドリ様、粘るわね。
「領主よ、ちょっとよいか?」
タツキ。あの中に切り込んで大丈夫かな。
「ああ、お前たちには待たせてすまない」
「いや、そういう事ではないのだ」
「今ナスカの方から我に連絡がきたのだ。やはり薬が全然足りないらしいのだ」
「残りの薬剤がいつ頃集まるか聞いてきてるのだ」
「その事か、今事務官が調整しているの筈だ」
「少しここで待っていてくれ」
「ミドリも待っていなさい」
領主様が席を立ち、執務室から出ていく。
事務官の方に進捗を聞きに行ってくださったのだろう。
『アクラさん、どうなの?』
『今さっきタツキとナビで思念通話してたわよ』
『タマモ・フェラー・フェリの大型3頭に使って、今は進行の早い小型を中心に投薬してるけど、カスカスだって』
『フェリとフェラーも発病したの!』
『言ってなかったっけ?』
『聞いてないわよ!』
『ごめんごめん。ナビに口止めされてたのよ。余計な心配事を増やすからって』
『そういうことね。ナビらしいわ』
ナビが中心になってスキルが影でコソコソやってるみたい。
ナビってそういうの得意そうだし。
「全くお父様は分からず屋ですわ」
「マリ達は私が一緒に行く事はどう思いますの?」
「メソは嬉しいな。ミドリちゃんと一緒は楽しいよ」
「私は今回は止めておいた方が良いと思いますよ。領主様もご心配していらっしゃいますし」
「それはわかってますわ。でも本当にファスルトが心配なんですの」
「私も連れて行ってください」
「領主様の許可が頂ければもちろんご一緒します。ミドリさんといると楽しいのは私も同じですし」
そうこうしている内に領主様が戻っていらっしゃった。
「明日の昼前には全て揃うそうだ。ただコカトリス熱の薬はもう殆どない。残りは薬剤で渡す事になるが」
「構わない。早急に集めてくれた事に礼を言うのだ」
「それとマリ。ナスカに言われた量より多く集まりそうだがどうする?」
「全て頂きたいと思います」
「わかった。手配する」
「契約は今晩でいいな」
「はい。よろしくお願いします」
「それとミドリ。調査に同行する件も今晩話し合う事にする」
「私も暇じゃないのだよ」
「マリ達の出発は明日ですのよ!」
「あ〜もう。行くつもりで準備だけはしていい。とにかく続きは帰ってからだ」
☆
「全くお父様は朴念仁ですわ」
「朴念仁って・・・」
すっかり遅くなってしまったが、ランチのお店に来ています。
ミドリ様に注文していただいた、おすすめ料理を待っているところです。
「ミドリちゃんのおすすめってどの料理なの?」
メニューを見ながらメソちゃんが質問する。
メソちゃんナイスな話題逸らし!
「これとこれとこれですわ」
「あえて前菜は止めて、この3品を存分に堪能して頂きたいの。このパスタに使われている小麦はミイージョ領の南部から取り寄せて・・・」
「お待たせ致しました。セコードビーフとキノコのソテー、こちらはチャルレーラになります。
ミドリ様が説明を始めたところだったが、料理の方が先に来たので頂く事にする。
「おいしい〜。このパスタ凄くおいしいよミドリちゃん」
「この肉美味しいのだ。我の好みにぴったりなのだ」
『美味しいわね、これ。地上に来て一番かも』
「このチャルレーラというのは食べ難いのだ。でも美味しいのだ」
「本当に美味しいわ。ミドリさんありがとう」
「いえいえ、喜んでいただけて私も嬉しいですわ」
この街の特産であるセコードビーフの薄切りと数種類のキノコ、それに彩り豊かな野菜を混ぜ合わせてソテーしたものに、甘しょっぱいソースがかかってなんとも食欲を唆る。
チャルレーラはミイージョ公爵領の伝統料理らしい。
歯ざわりの良いパスタを、卵黄とミルクで作った濃厚なソースを絡めて、その上にチーズを絡めたこれまた絶品な料理です。
『マリ〜、ちょっと代わってよ』
『えっ、味はわかるのでしょ』
『食感がわからないから、物足りないのよ』
『そうゆう事ですか。いいですよ。代わりましょう』
「ほんとにおいしいね。マリちゃん」
「あれ、アクラちゃん?」
「なんで代わったってわかった、メソ?」
「だって食べ方がアクラちゃんだもん」
『アクラさん、変な食べ方してないでしょうね』
『失礼な、普通だ』
「皆さん、最後にデザートのパンケーキもありますわよ」
「「「『スイーツ!』」」」
『アクラさん、全部食べないで途中で代わってくださいよ』
『パンケーキのふわふわ食感を独り占めっていいわね』
『強制交代しますよ』
『冗談よ。ちゃんと代わるから待ってなさい、マリ』
☆
「マリ、メソ、すまんが出発をもう一日伸ばしてくれんか?」
昼食と買い物を一通り済ませて、領主様の本宅に戻り、帰宅した領主様と夕食の席に着きましたが、話し合いは領主様の意外な一言から始まりました。
マリ目線終わりませんでした。
原因はわかってます。
ミドリの親子喧嘩が長過ぎる!
実は内容的に少ないかと思って、意図的に親子喧嘩を長くしたのですが、何か書いててノッてきてしまって必要以上に長くなりました。
その上でマリ&アクラの会話に女だらけのガールズトークで2話では全く収まらず(両方長文にすれば収まるけど、読む方が大変かと思いまして)、買い物描写は全面カットになりました。
[お願い]
ポイント欲しいっす。ポイントくだされ。お願いしやす。




