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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第2章 建国編[領主宅]
23/110

23・魔物の森の不思議な夜

 領主さんにお願いきいてもらった、逆にこっちもお願いされちゃった。

「ファスルトで何かあったんですか?」


「心配するな。まだなにかあったわけではない」


「なら何故調査を?」


「そう慌てるな。マリとメソにも話しておきたいのだ」


「なら我がマリ達と代わるのだ。我の話しは終わったのであろう」


「お前は聞かないのか?」


「ああ。調査に行くとしても我は一度山に戻るのだ。心配していた母様に報告をしたいし、タマモや村の事も気になるしな」

「あのミドリとやらにも、挨拶してやった方が良いのだろ」


 そう言ってタツキは席を立ち、マリとメソに近寄って耳打ちしだした。


 暫くすると入れ替わりでマリとメソが戻って来る。


「ナスカくん、メソ達ファスルト村に行くの?」


「俺も今から詳しく聞くところだから、メソも一緒に聞いてて」


「うん」


 マリ姉とメソが席に着いたのを見計らって、領主は話し始めた。


「今はまだファスルトに何かあったわけではないが、あの村の周辺に不吉な兆候があるという報告を受けている」


「ナスカは覚えていないだろうが、お前達が幼い頃に巻き込まれたハーテノンの街が魔物に襲われた事件を覚えているか?」


「はい。忘れようがありません」


「メソも覚えてるよ」


 もちろん俺も覚えている。領主には俺の転生の事情までは話していないので、覚えている訳がないと思うだろうが、俺達姉弟とメソの両親が亡くなった事件だ。

 忘れる筈がない。


「あの事件と同じ様な兆候が、ファスルトの村周辺で起きている」


「具体的には?」


「数ヶ月前から村周辺での魔物の報告が全く無い。村の者達は平和になったと単純に喜んでいる様だが、ハーテノンでもこれと同じ兆候があった」


 たしかにあの時も安全な街道を進んでいた筈だったな。あれが兆候だったのか。


「あの事件では私も引っかかる事があってな」


「引っかかるとは?」


「ハーテノンは私の領地の中では最も北に位置しているが、事件後に真っ先に調査に入ったのは、距離的にここと然程かわらない王都の兵だ」

「そして速やかに周辺の封鎖が王命として出され、実行したのはハーテノンから最も近いガネーボウ公の領都の兵達なのだ」

「領主である私のところに報告がきたのは、全て終わった後だった」


 確かに妙だな。直接の領主のところへの報告が最後とは。


「ファスルトには8年前の事件もあるし、気になってな。あの時も両種族の族長が気になる事を言っていただろ」


「ええ。ゴブークとオーリンが二人共、頭に霞がかかっていたみたいで余り覚えていないと言ってましたね」


 8年前の事件とはファスルトの村の近くの森で起きたゴブリン族とオーク族の縄張り争いの事である。


 当時はその森で、俺達テイルズフォックス親子とフォーンラクーンの群れ、そしてトランスフォームラクーンドッグの親子の魔物3種族プラス3人で棲家を形成していた。

 仲良く暮らしていた俺達だったが、ゴブリンとオークの争いに巻き込まれはじめた。


 そんな時に視察に訪れたのが、領主のマルサン公爵親子である。


 ファスルトの村ではまだ森での争いが伝わっておらず、視察に来ていた領主の娘ミドリは村で、森の入り口に変わった花が咲いているという話を聞いた。

 好奇心旺盛なミドリは視察団の目を盗んで、森まで花を見に来てしまった。


 案の定争いに巻き込まれたミドリを助けたのが、偶々通りかかった俺である。


 ミドリに公爵を紹介された俺は、森の現状を伝えて警戒を促した。


 公爵は即座に対策に乗り出したが間に合わず、ゴブリンとオークの争いは人間の村にまで飛び火したのだ。


 結局は俺達3人がゴブリンとオークの双方をぶっ飛ばして仲裁したのだが、一つ気になった事がある。


 ゴブリンやオークといった知恵ある魔族が人間の村に手を出すことなど滅多にないのだ。

 数で勝る人間に手を出せば、討伐隊を組まれ、自分達の壊滅は必死となるからである。

 しかも縄張り争いで疲弊している最中に、その戦場を人間の村に移すなど自殺行為に他ならない。


 仲裁後、俺達は領主にこれまでの経緯を話し、森の魔物達を俺達が管理するという条件で、森を自治区として認めてもらい、魔物と人との橋渡し役として俺達3人がファスルトの村で暮らすことになる。


 頭に霞がかかったみたいだったというのは、この時にゴブリン族の族長ゴブークとオーク族の族長オーリンに何故人間の村に戦場を移したのか聞いた時の答えだ。


 その後の1年半を俺達はファスルトで暮らした。人と魔物が信頼関係を結んだ後に、領主に招かれてセコードの街に居を移したのだ。


 今もファスルトの村と森の魔物達との関係は良好で、この森が俺達の最初に作った拠点である。


「わかりました。とにかく行ってみましょう」


「頼む。お前達なら魔物の側からも意見が聞けるしな」


『お話中にすみません。マスター』


『んっ、ナビさん。どうしたの?』


『タマモの容態が急変しました』


『母さんが!』

 毎日寒いっすね。

 外仕事やりたくないっす。

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