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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第2章 建国編[領主宅]
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21・お願いランキング

 庶民派貴族にお願いに来ました。

「聞いて欲しい願いは二つあります。マルサン公」


「ちょっと待てナスカ。マルサン公はやめろ」

「お前たしか私と初めて会った時にはおっさん呼ばわりしてたじゃないか」


「あの時にはまだ貴方様が領主様だとは知らなかったからですよ」

「承知している今となっては、ニスリーン王国の三公爵の一人である、アガリーン=フォス=マルサン公に向かっておっさんとは呼べませんよ」


「わかったよ。意外と硬いなあお前」

「だが、その硬い喋り方はやめてくれ。呼び方は、そうだなあ、せめて領主にしろ」

「様は付けるなよ。様は」


「わかりましたよ、領主」


 面倒くさい人だな、この人。


「それで早速お願いなんですが、薬を大量に都合して欲しいんです」


「何の薬だ?」


「コカトリス熱です」

「獣の村で蔓延してしまって早急に必要なんです」

「量は中型の魔獣で80頭分なのですが、都合つきますか?」


「コカトリス熱か。人間には滅多に移らない病気だから、そこまでの備蓄はないと思うぞ」

「材料だけでもいいのか?」


「構いません。調合は俺がするので」


 コカトリス熱は魔物にとっては死亡率の高いやっかいな伝染病だが、人間がかかる事はまずない。

 しかし家畜にもかかりやすい病気だし、人間の発病も0ではないので人間の街にも薬は備えてあるのだ。


「契約はマリとでいいのか?」


「はい」


「わかった。手配がつき次第マリと契約しよう」

「代金の支払いもその時でいいか?」


「はい。お願いします」


 この国の法律で、薬品の取引は成人でないと行えない。


 薬は早急に必要だったので、本当なら俺一人で来たかったのだが、俺では売買契約出来ないのでマリかメソと来る必要があった。

 俺一人なら亜空間移動でその日のうちに来る事が出来たのだ。

 で、結局はいつも通り3人一緒に来たという訳だが。


 普段は人里離れて生活している俺達だが、実はかなりのお金持ちである。

 マリとメソは冒険者としての稼ぎがあるし、何度か災厄級の魔物を退治してもいる。

 災厄級の魔物1体の素材と礼金だけでもひと財産稼げるのだ。


「薬はこれでいいとして、もう一つのお願」


「お父様!ナスカ達来てるって!」


 まずい。五月蝿いのが来た。


「ミドリ様、学校はどうしたのですか?」


「もう終わりましたわ。今日は半日ですの」

「それよりもナスカ、様はやめなさい!」


 この親子は二人して。


「マリさん、メソちゃんもお久しぶりですわ」


「お久しぶりですミドリ様」


「久しぶり〜ミドリちゃん」


「マリさんも様はやめて欲しいですわ」


 この娘はミドリ=ランド=マルサン。

 俺より2つ年上の14歳

 翡翠色の瞳に金髪巻き髪クルクル美少女の領主令嬢。

 完全無欠のお嬢様だ。


「今日はどうしましたの?何か面白いことでもありましたの?」


カタン、ズボッ


 俺は椅子から立ち上がると隣に座るマリの後ろに移動して、マリの影に手を突っ込んだ。


「あわわっ!また捕まった」


 ミドリが目をキラキラさせて、俺の動向を見守っている。ミドリは《思念伝達》は使えないが、鳴き声が聞こえたんだろう。


スポンッ


「お嬢にこんなものをお持ちいたしました」


「真っ黒なモフモフですわ!」


「なになに、ナス兄ちゃん離して、は〜な〜し〜て〜」


 ルルは俺から逃れようと暴れるが、俺は意に返さずミドリに向かってポーンと放り投げた。


「うわぁ、フワフワしてますわ」


 怖がる様子は微塵もなくナイスキャッチしたミドリがルルに抱きつく。

 相変わらず好奇心旺盛なお嬢様だ。


 会う度に何かと付き纏ってくるミドリだが、このお嬢様の好奇心のおかげで、今、気兼ねなく領主にお願い出来る立場になっているのだ。


「メソちゃんもモフモフになって欲しいですわ」


「いいよ〜」


 俺はマリの肩をトントンと叩く。


「マリ姉、お願い」


「しょーがないわね。ミドリさん、広い所で一緒に遊びましょうか」


 マリ姉は立ち上がると机から離れる。応接間といってもかなり広い部屋なので、開けた場所はいくらでもある。


 ルルを抱えたミドリとメソもマリ姉に続く。


「では我も」


 立とうとするタツキの肩をガシッと抑える。


「タツキは駄目。これからお前の話しをするんだぞ」


 途端にムスッとして膨れっ面になるタツキ。

 こいつもモフモフ好きなんだよな〜。


 

 モフモフ最強伝説!

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