2・担当の女神様
本日2話投稿したいと思っております。
「どこだ、ここ?」
意識は戻ったが何が起こったのかが全くわからない。
仰向けに寝転がっている状態なのだが下に何もない。ベットどころか床もない。いや、床はあるにはあるのだが、大分下の方にある。
平たく言えば宙に浮いているのだ。
落ち着いて整理してみよう。
今、俺がいるのは6畳程の小さな部屋だが、何もない。
壁にはドアも窓もなく、天井には電灯もない。なのに明るい。
部屋全体が薄っすらと間接照明に照らされている様な光を放っている。
ありえない事だらけなのだが、何故か夢ではないと確信できる。
意識は通常よりもはっきりとして、なんか晴れやかな気分にさえ感じられるのだ。
俺は真里を待っている間に意識を失った。
普通、意識を失って倒れたら病院に運ばれる筈だ。だが、ここは病院ではない。病院どころかこの世にはあり得ない空間だ。
「俺、死んだのかな?」
自覚症状は全く無いが、あり得ない空間に居る為に死後の世界という陳腐な考えに行き当たる。それもなんか違う気がするのだが。
寝てても、いや浮いててもかな?仕方がないので立ち上がってみることにする。
両脚を横にズラすと普通に脚は下に下がって床に着いた。普通にベッドから降りるみたいに。ベッドなんか見えないのだけれども。
んっ?まてよ…。
両脚?
何の違和感もなく左脚がある。義足ではなく普通の生身の脚がである。
試しに立ってみる。
「普通に立てるな!」
驚きで口に出してしまった。
歩いてみるが普通に歩けた。つま先でトントンと床を叩き感触を確かめる。
「やっぱり俺って死んだのかな?」
また一人つぶやいてしまった。普段は独り言など言わないのだが…。
その時に突然にドアが開いた!
いや、ドアなんてない。壁の一部分がドアの様に消えた。開いたのではなく消失したのだ。
『起きましたね』
開いたドア、いや、消えた壁の向こうから突然声が聞こえる。その声色はとても優しい感じがした。
『出てきていただけますか。大丈夫。危険はありません』
一瞬戸惑いはしたが、俺に選択肢はない。このままここにいても何も状況は分からない。
俺は覚悟を決めた。
一度、深く呼吸をしてゆっくりと部屋から出て行く。
部屋の外も部屋だった。打って変わって広い部屋。それもギリシア神話に出て来る神殿の様な荘厳な一室。
部屋の中央には、やはりギリシア神話から抜け出した女神の様な女性が、シンプルではるが高級感のある上品な椅子に腰かけている。
深く蒼い色の立てばお尻まで届きそうな長い髪に、同じような深く蒼い瞳。巨乳中の巨乳に深くくびれた腰。抜群のプロポーションをした女性である。
その隣、やや後ろに下がった位置にもう一人の女性が立っている。
この女性も大変な美人さんではあるのだが、座っている女性と比べると霞んでしまう。
水色の髪に水色の瞳。髪も長いが背中の辺りまでで、巨乳といっていい胸の大きさではあるし、腰もくびれて魅力的な女性なのだが、座っている女性と比べると少しストンとした印象だ。
全体的にスケールダウンした感じである。
『私はあなたの担当神となった水の女神アクーリスと申します。隣は私の弟子で同じ水の女神のアクラです』
「女神?というと俺はやはり死んだのか?」
『口を慎みなさい。アクーリス様に対して失礼ですよ!』
『良いのですよアクラ。彼もまだ戸惑っているでしょうから』
女神の弟子だと言う女性が俺の口調に文句を言い、女神だと言う女性がその弟子を嗜める。
状況が全く掴めない。担当神って??
「口調については謝ります。しかし俺には女神だなんだと訳がわからないのですが?」
わからないが女神だと言うので、俺は居ずまいを正して言い直す。そんな俺に女神アクーリスは答えてくれる。
『構いません。では先ずは貴方の置かれている状況から説明いたしましょう』
「お願いします」
そして女神は一つ頷いてから静かに話し始めた。
『結論から申しますと貴方は死にました』
そうか、やっぱり俺は死んでいたのか…。
当分の間は頑張って毎日投稿したいと思っとります。
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