10・女神様の出張
なんかまた死んじゃったみたいだなぁ、俺。
もう一度転生出来るのかなぁ?
「はい。わかりました」
「女神様が申される事でしたら、その通りに致します」
「ありがとうこざいます。まだ気持ちの整理もついていない中でよく決心してくれましたね。マリさん」
「いえ。正直に言えば、パパとママが亡くなって、今の私はどうしていいかわかりません」
「今の私の代わりをしてくれる方がいるというのは、私にとっても有り難い事だと思っています」
「大変つらい状況の中で、私の提案を受けて頂けて感謝致します。メソさんもそれでよろしいですか?」
「メソはマリちゃんと弟ちゃんと一緒ならどこでも行くよ」
「それに今のメソは狐ちゃんの心も一緒になっちゃってるから、かえって楽しみなんだよ」
「ありがとうございますメソさん」
「それに比べて、貴女はいつまでむくれているのですか?アクラ」
「そうは言っても15年ですよ、アクーリス様!」
なんだかボソボソ話し声が聞こえるな。なんか聞き覚えのある声だ。
俺はゆっくりと体を起こした。
目線がやけに低い。
「やっと目を覚ましましたね。お身体は大丈夫ですか?」
あれ?女神。ああ。やっぱり俺また死んじゃったのか。
前と同じようにアクーリスとアクラがいる。
その隣に見たことない女の子も二人いる。誰だろ?
「死んじゃったんですね、俺」
「また転生させて頂けるのですか?」
「担当はまたアクーリス様ですか?」
「隣にいる女の子達は誰です?」
状況のわからない俺は、矢継ぎ早に質問してみた。
「落ちついて下さい。貴方は亡くなってはいませんよ。この二人もね」
「はじめまして弟くん。お姉ちゃんのマリ=クライムフォールです。よろしくね」
「わたしはメソだよ。よろしくね弟ちゃん」
お姉ちゃん?それにメソっておばちゃんの娘の名前だよな?
「えっ!なんで二人が天界にいるの?あっ、もしかして二人も転生出来るのですか?女神様」
「だから落ちついて下さい。ここは天界ではありませんし、貴方もこの二人も死んではいませんよ。あの災厄から生き残ったのです」
生き残った?あの状況で?
アクーリスの言葉に俺は目を見開いた。そしてキョロキョロと首を振りつつ自分の姿を確認する。
手足みじけぇ〜。どう見ても生まれたての赤ん坊のままだ。
性別の確認もした。前世と同じでまた男だった。
しかしあの状況でよく生き残れたな。なによりお姉ちゃん達も生き残れたのか、良かった〜。てっきり死んだものと思ってたから。
俺は改めて二人の女の子を確認した。
お姉ちゃんのマリは5歳くらいかな。
水色の髪に水色の瞳。髪の長さは肩まで掛かるロングヘアーだ。
どことなくアクラと似た雰囲気でアクラの子供の頃って感じかな。性格は似ないで欲しいところだ。
アクラよりは清楚っぽい感じだし大丈夫と思いたい。
しかし前世で真里の旦那になる筈だったのに、こっちではマリの弟とは。ちょっと複雑。
もう一人がメソ。おばちゃんの娘ちゃんだ。
桃色のフワッとしたショートヘアーに黄色がかった茶色の瞳。全体的に可愛いらしい感じの女の子だ。
落ちついて周りを確認してみる。
なるほどここは転生の時の神殿ではなく、鬱蒼とした森の中、いや森の奥地って感じだな。
天界のあの独特な雰囲気がない。
「私の事情ではあるのですが、貴方達が魔物に襲われた場所よりも森の奥に移させてもらいました。ここは確かに貴方達が襲われた森であり地上界ですよ」
「この二人には既に説明させて頂きましたが、貴方にもお話しがあります。特に貴方は魔物に襲われた状況も把握出来ていないでしょう」
「長くなりますので、貴方も此方に来て下さい。大丈夫。歩ける筈ですよ」
アクーリスが俺の考えを読んだかの様に話しかけてきた。
歩けるのか?
試しに立ってみる。
問題なく立ち上がれた。
俺は足元を確認しつつ二人と二柱の方へと足を進める。
うん。何の支障もなく歩けるな。
「産着はサービスで着せて置いてあげましたよ」
アクーリスが微笑みながら言った。
ずっとマッパのままだったから正直有り難い。
俺は二人の女の子の前まで来て、ぺこりと頭を下げた。
「えっと、名前はまだ無いけど弟です。二人共よろしくお願いします」
アクーリスが俺の姉達への挨拶を横で聞き、思い出したかの様に提案してきた。
「そうね。これからお話しをするのにも名前はあった方が良いわよね。マリさん。名付けをお願い出来ますか」
「え〜、弟か妹が出来るって聞いた時から嬉しくて色々考えてたのですが、今は頭の中真っ白になっちゃって…。」
「女神様にお願いって出来ますか?」
「身内であるマリさんに付けて頂くのがベストではあるのですが、あんな事の後では無理からぬ事ですね。貴方の方からの希望とかはありませんか?」
「デストロイヤーなんてどうですか、アクーリス様。なんか強そうでカッコイイでしょ」
お前は黙ってろよアクラ!
ってかなんか不機嫌そうだなアクラの奴。
「俺が自分で決めていいのならナスカがいいのですが」
「前世と同じ名前というのは余り感心しませんが、まあ問題はありませんし、そうしましょうか」
「では改めてよろしくお願いしますナスカ=クライムフォールさん」
「よろしく、ナスカ」
「ナスカくん、よろしくね」
「よろしく、マリお姉ちゃんにメソちゃん。アクーリス様とアクラも改めてよろしく」
無事にデストロイヤーは回避した。
「それではナスカさん達が襲われた状況の説明と、これからの事についてもお話しさせていただきますね」
俺は一つ唾を飲み込んでからアクーリスの話しに耳を傾ける。
不機嫌そうだとは思ってたが、アクラの奴がずっと膨れっ面を続けている。
そっちもなんだか気になってしょうがないんだけど…。
主人公さん生き残っていたみたいでなによりです。
作者としてはまた説明回が続くと思うと憂鬱なんですが。
説明回って読むのは好きなんですけど、書くのってめちゃくちゃ鬱陶しいわあ。
まあめげずに頑張ります。
評価ポイントの見方とか少しずつわかってきました。
評価されるのって思ってたよりずっと嬉しいわぁ。
他の方の作品の後書きでポイント欲しがってる気持ちがわかってきましたよ。
感想とかも頂けたらと思います。よろしくね。




