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タイムリミット、そしてレベルマックス

 俺が生まれたのは田舎の村。

 【イスティナ】という国の西側にある小さく名もない村である。

 この世界で俺はロビンという名を授かった。

 剣士の父と神官の母の間に生まれたごくごく一般的な男の赤ん坊。

 まあ、それも産まれて少しばかりの間だけだったわけだが。


 前世の記憶のある俺は、生後3日で両親の知らない言語を話していた。

 まあ、それは日本語なんだが……。

 当然この世界の言語は日本語ではなくこちらの世界のものなので日本語が伝わらないのも仕方ない。

 そして子供の頭とはすばらしい。

 子供の頭は柔軟とはよく言ったもので、こちらの言語をスラスラと理解できるようになっていった。


 体の使い方も当然理解しているのですぐに立ち上がり行動しようとする。

 しかし、そこは赤ん坊の体、中々発達するまでは難しいらしい。

 それでも動かそうとしているうちに発達して動かせるようになった。

 他の子どもよりもその発達はかなりの早さらしく両親は驚きの連発だった。

 これも経験値超絶アップの加護の恩恵だろうか?


 生後3か月時の俺のステータスはこんな感じだ。


 ――――――――――――――――――――――――――――――

 ロビン=ドレイク

 レベル4 状態:健康(経験値アップ(超絶))

 HP   : 50/50

 MP   : 10/10

 攻撃力  : 5

 魔法力  : 1

 防御力  : 3

 魔法防御 : 1

 かしこさ : 3

 素早さ  : 10

 器用さ  : 8

 

 スキル  : なし

 ――――――――――――――――――――――――――――――


 ちなみに普通はレベルなんて3歳まで1のままらしい。

 よってレベル4は異常も異常。

 両親や村の人からは神童だと騒ぎ立てられた。

  

 しかし経験値アップ期間は16歳まで。

 前世での過ちを繰り返さぬよう努力をすることを決めている。


 3歳でこの世界の言語の読み書きを習得。

 村で走り込みをし、農業の手伝いをする。


 5歳になったあたりで父と剣の練習をする。

 母さんと結婚するまではギルドで冒険者として活躍していたという父さん。

 優しい母さんに時折注意されるほどスパルタ。

 打ちのめされて傷をつくることも多かったが、苦にはならずもっともっとと立ち向かっていった。

 その一方、母さんには勉学を教えてもらった。

 この歳にして10歳ほどで学ぶ範囲までは習得する。

 もっといけると思ったが、さすがに前世の地頭が悪いだけあって前世の記憶はあまり役にたたない。


 そして大分ステータスも上昇した。


 ――――――――――――――――――――――――――――――

 ロビン=ドレイク

 レベル15 状態:健康(経験値アップ(超絶))

 HP   : 150/150

 MP   : 50/50

 攻撃力  : 25

 魔法力  : 1

 防御力  : 20

 魔法防御 : 1

 かしこさ : 10

 素早さ  : 40

 器用さ  : 15


 スキル  : なし

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 

 そしてこの時にレベルアップ時のステータスアップには何をしたかと個人差があることに気づく。

 走り込み、筋トレ、剣の修行、勉学をしていたためそれに関するステータスは上昇。

 しかし、一方で魔法との関わりが薄かったため魔法系での上昇はない。


 8歳、満を持して学校に入学する。

 村の学校ではなく、親の意向で村に近い都市【カルタナ】の名門校に通うことになる。

 父さんが冒険者時代に稼いでいた蓄えがあったため金銭に無理はなかったという。


 両親からは都市に引っ越すと言われたが、村でのスローライフは両親の夢の生活と知った俺は引っ越しを強く拒否。

 両親の言うことを素直に聞いていた俺がこの件では拒否していうことを聞かないことから両親は折れ、俺は大人が歩いて2時間の都市にある学校へ毎日走って通うことになった。


 それもトレーニングのため。

 少しでもトレーニングをしてレベルを上げなければならない。

 もうリミットまで半分。

 まだまだレベルは低く、もっと上げたい。

 数字で目に見えるレベル、そしてステータスが上がることがモチベーションになる。


 学校は名門校だけあり、教師も生徒も天才と呼ばれる者から貴族まで選りすぐり。

 学術、剣術、魔術、全てにおいてハイレベルな教育環境。

 しかし、そんな中でも今までの経験が活きて学術では上位、剣術ではトップ。

 魔術においては平均以下であるが総合では中々の上位成績である。

 

 友達も多くできた。

 できることが自信になりコンプレックスがなくなったのが大きいだろう。

 話すのも堂々と話すことができた。

 前世では考えられなかった女子と会話もすんなり達成できた。


 まさに順風満帆の学生生活。

 10歳にして母さんの許可がようやくでて、一人で村の近くの森や山の魔物の狩りをする。

 学校からの帰り、毎日のように魔物を倒していった。

 実戦では訓練や座学よりも大きく経験値が貰えた。

 そしてレベルが加速度的に上昇していく。


 12歳にもなるとこのあたりの魔物では敵はいなくなった。

 相変わらず剣術では同学年では敵なし、スキルを使わない戦闘では教師にも善戦できるほど。

 あの全く敵わなかった父さんをも超えることができた。

 学術も魔術もトップになりまさに努力が報われる世界だ。


 そして16歳をもう少しで迎える頃――ついに俺のレベルは上限に達した。


 ――――――――――――――――――――――――――――――

 ロビン=ドレイク

 レベル99 状態:健康(経験値アップ(超絶))

 HP   : 800/800

 MP   : 500/500

 攻撃力  : 650

 魔法力  : 500

 防御力  : 400

 魔法防御 : 450

 かしこさ : 380

 素早さ  : 999

 器用さ  : 870


 スキル  : なし

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 

 努力を続けた自分を褒めたい。

 何度もステータス画面を開いてその数値見て愉悦に浸る。

 

 そして16歳、成人式の日。

 ――神が言ったリミットを迎えた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔法を努力した表現は無いけど、それなりに上がってますね
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