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2章まとめ(3章を読んでくださった方向け)

3章から読んでくださった方が、こちらも読んでくださることがあるみたいなのでまとめてみました。

3章だけでは繋がりにくい部分が少しでも納得していただけると嬉しいです。

 植物さえ存在できない砂に覆われた世界、かろうじて生きながらえる者たちは太陽の光と熱を避け、地上での活動は夜に限られていた。


 昼日中の地上で動くものと言えば線路を走る「夜汽車」だけ。

「塔」から送り出され、「地下」へと運ばれる夜汽車に乗る子どもたちは、搾血さっけつと呼ばれる処理をされた後、「地下」に住む者たちの食糧になる。


 夜汽車を得るためや、地下への入口である「駅」間の移動のために地上に上がる時、地下に住む者たちが気をつけなければいけないのが「ネズミ」の存在だ。どこからともなく突然現れるネズミたちは、地下に住む男たちを無差別に殺害し、そして女を連れ去る。ネズミに攫われた女は二度と戻ってこないと言われていた。


 数ある駅の中でも搾血を生業とし、絞り出したものを瓶に詰めて他の駅に分配しているのがワシの駅だ。ワシの駅に住むクマタカは、駅の当主であるオオワシを父に持ち、ひと回り以上年齢の離れた弟のヨタカとともに暮らしていた。


 いつものように父に同行して夜汽車に向かったある夜、クマタカは塔からの亡命を希望するイヌマキとシャクナゲの夫婦と出会う。

 塔に対して嫌悪感を抱き、蔑んでさえいたクマタカだったが、彼らとの交流の中で互いに理解を深め、イヌマキとは何でも語り合う仲になっていった。


 そんなイヌマキとの何気ない会話の中で知らされた事実に、クマタカは激しく動揺し、生業ができなくなってしまう。

 だが自分の無力感に苛まれていたクマタカを救ったのもまた、イヌマキだった。イヌマキの進める研究に希望を見出し、感謝と期待を述べるクマタカ。


 しかし周囲の者たちはそれを良しとしなかった。

 かつてのクマタカがそうであったように、地下に住む者たちは塔を敵対視する。


 説得を試みるも失敗に終わったクマタカは、イヌマキたちのもとへと急ぐが間に合わず、夫婦は殺害されてしまう。


 衝動のままに凶刃を振り、取り返しのつかない過ちの中、クマタカはイヌマキの研究を完成させることを決意する。


 一方、歳近いクマタカを何かと気にかけていたヘビのシュウダは、クマタカの乱心によって家族を失い、仲間を失い、叶うはずだった将来も失われた。

 ヘビの駅の再興とクマタカを討つことを誓うシュウダ。そしてシュウダの女友だちのカモメが取った究極の選択は、搾血までの日々を平穏に暮らすはずの夜汽車の子どもたちの運命を狂わせていく。



登場キャラクター


<ワシ>

クマタカ(男) 生真面目な少年。当主のオオワシを父に持つ。尊敬と劣等感と恨みを父に抱き、弟のことはかわいがりつつも複雑な思いを隠し持つ。


ヨタカ(男) クマタカの弟。父に似て陽気、外面がいい。兄を全知全能のように思い込み過剰に尊敬する。兄ちゃん子。


オオワシ(男)クマタカの父。陽気、豪快、破天荒。子どもたちにはなんでも好きにやらせたい。


サシバ(男) オオワシの側近。間が悪い。ある日オオワシがどこからともなくワシの駅に連れてきた。


ノスリ(男) だみ声の下っ端。



<スズメ>

セッカ(男) スズメの駅の参謀。口の上手い小男。


ヒバリ(女) 物静かな切れ者。



<ヘビ>

シュウダ(男) ヘビの駅の当主を伯父に持つ青年。女好きな医者見習い。


ウミヘビ(女) シュウダの従姉。口調と性格がきつい。家族の中では障害を持つ姉の介護を主に担う。勉強熱心な薬学者。


ヤマカガシ(男) シュウダの従姉甥。母の離婚で父方の駅からヘビの駅に移ってきた。



<ネコ>

ヤマネコ(女) ネズミ駆除の専門家。腕っぷしがいい。一目惚れされてから付きまとってくるシュウダを、最初は疎ましく思っていた。


テン(女) ヤマネコの仲間。



<チドリ>

カモメ(女) ヤマネコの幼馴染み。夫にべたぼれ。


アホウドリ(男) カモメの夫。妻と娘を溺愛。


ウミネコ(女) カモメとアホウドリの娘。



<研究所>

イヌマキ(男) 塔からの亡命者。クマタカのことを親友だと思っている。頭はいいが力は弱く情けない。


シャクナゲ(女) イヌマキの妻。クマタカを年上の立場からしばしばたしなめる。イヌマキのことをよく叱る。


コウヤマキ(男) イヌマキとシャクナゲの息子。


ワン(獣) イヌマキによるシャクナゲの。




アイ(女) 義脳ぎのうと呼ばれる作られた知能。皆さんの健やかな生活をお手伝いする。

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