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最低ランクの俺が実は強いなんてわかるはずがない  作者: 真中麒麟
覇王学園入学編
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襲撃の終了と世界ランク1位





誠一郎は横薙ぎを放った。すると不自然なことが起きた。またもや跳ね返さずに回避したのだ。


今までは全ての攻撃を反射していたが誠一郎が普通の剣で攻撃すると反射せずにかわしていた。これが意味することはなにか。


・・・これはもしかしたら、そう思った誠一郎は武器を技剣テク・データに握り変え衝撃波を放つ。


すると跳ね返った衝撃波が誠一郎を襲う。それを身体を沈めることで回避。そのまま飛び上がりながら斬り上げを放つ。リーダーの男は後ろに跳躍しかわした。


・・・やはり。あのリーダーの男は固有武装(リベレイト)を使っている。俺や二年生の先輩が放った衝撃波はいずれも固有武装を使った攻撃だ。


そして直接攻撃は回避したということは固有武装の能力は固有武装を媒介として発動する異能攻撃を跳ね返す能力だ。


そう確信した誠一郎は武器の破壊を行うために体倒崩速を使用。超速度で接近する。そのまま背後に回り逆薙ぎを放つ。入ったと思ったそのとき、リーダーの男はしゃがみ攻撃をかわすと


「惜しかったなぁ、でも残念。お見通しだ」


そういうとこちらに向き直り、誠一郎の頭目掛けて銃弾を撃った。


普通ならここで勝負が決まったと思うだろう。だが誠一郎はこれが狙いだとばかりにリーダーの男に


「さっきの言葉そのまま返してやるよ。お見通しだ」


そういうと誠一郎は密かに使用していた身体能力強化で反応速度を強化し、銃弾を最小限の動作で避け、すぐに腕力強化に切り替えて腰を捻りながら逆薙ぎを放つ。


リーダーもなんとか対抗しようとするが腕力強化で強化した剣戟の速さには付いていけず剣戟を受けて倒された。


さきほどの男がふらふらと立ち上がったがすぐに顔をしかめ、その場に片膝をつく。


そんな男に近づき首元に剣を突きつける。


「お前は俺の母さんを殺した。母さんは、死の間際に『過去の出来事に囚われてはダメだ。前を向いて生きるのよ』そう言ったが俺には無理だった。だからお前も俺の母さんと同じように殺してやる」


止めろ、そう言おうとしたが誠一郎の冷たい瞳とオーラに息を呑み声が出なかった。そのとき、


「駄目よ」


と声が聞こえた。声のした方を見ると、エリス・ラティアークが立っていた。


「何故、そんなことを言える。さっきも言ったようにあいつは俺の母さんの仇だ。この罪は死を持って償うべきだ」


と低い声でいう。それでもビビることなく、


「それは違うのよ」

とエリスは言葉を繋ぐ。

「罪を償う方法は死だけじゃない。生かすことでその罪を長い時間をかけて償わせることだってできる」

そして、


「今までのあなたの生きる意味が母さんの仇を討つことならこれからは私を生きる意味にしてください」


これからもよろしくお願い致しますとエリス。


「解った」


そう言って剣を下ろした。


「それじゃあ学園長に連絡するね」


と告げ、学園長に電話をし始めた。




『もしもし。ああ誠一郎くん?そっちはどう?』


と呑気な声で学園長。誠一郎が


「新旧差別派の第22部隊のリーダーとその側近と交戦しました」


と告げると、


『ええ!!新旧差別派の第22部隊のリーダーとその側近と交戦したですって?』


と学園長はやはりゆっくりした喋り方で驚いていた。


「はい。リーダーの男は俺が、側近はエリスが倒しました」


と肯定した。


『それでどうだった?どんな能力と武器を使っていたの?』


と学園長。


「まずはリーダーの男は、武器を媒介として発動する異能攻撃を跳ね返せる固有武装です。側近は普通の弓矢と、透明化魔法を使っていました」


全て嘘偽りなく話した。


すると


『解ったわ。それじゃあそっちに新田先生を送るわ』


「解りました。それではこちらで待っていますので」


最後にそう言って電話を切った。

その5分後新田先生が来て、先程の戦闘で戦闘不能になった学生と教師を連れて覇王学園に帰った。その後、捕らえた新旧差別派の兵士たちを新旧平等派に引き渡した。


「そういえば」

「ちょっとここだと血生臭いから違うところで話しませんか」


今までここは大規模の戦闘が行われていた場所だ。よってここでは話しづらいということで学園寮に戻ってから話すことになった。




そして20分後、学園寮に戻ってきて自分達の部屋に入った。


「えっと、さっき話そうとしたことってなんですの」


向こうで話を切ったからだろう、そんなことを聞いてきた。


「さっきはありがとう。君のお陰で俺が、母さんを殺したあいつと同類になるところだったよ」


と明るい顔で誠一郎。


だけど、と顔を暗くして


「あいつは、やっぱり俺の手で殺したかった」


と無意識のうちに声まで暗くなっている。


「それよりも、さっき君が言ったことって本当?」


一息


「俺を止めたときの告白って」


「あっ・・・えっと・・・」


明らかにどもっている。


「うん・・・」


小さな声で肯定する。



「えっとさ、別に恥ずかしいことじゃないよ。逆にすごいと思うよ、告白出来るのは。告白は勇気がいることだからね」


「じゃああなたはどうですの?私のこと嫌い?」


と不安そうに言った。だから


「そんなことないよ、俺だってエリスのこと、好きだ。あんなこと言われたの初めてだし」


この言葉を言って誠一郎はもう引き返せないと感じた。


「誠くんのその言葉信じていいんですわね。私の告白に対する答えですのね」


そう言われた誠一郎は


「勿論」

と肯定した。


「それなら」


エリスは深呼吸を一回する。


「私と付き合ってください」


告白を受けた誠一郎は、

「こちらこそよろしくお願いします」




学園長室。学園長が話していた。


「ええ、恐らくここの場所はもう新旧差別派にバレたと思います。他にも学生が戦闘を行い負傷しています」


『それなら今すぐにでも場所を移せ。学生には一人前になるまでは可能な限り戦闘を避けさせろ。戦闘は先生方などの大人があたるように』


電話の向こうの声は学園長に命令できるほどの地位の持ち主だった。そして、ああ、それとと思い出したように


『学園内の順位20位内とエリス・ラティアーク、そして赤城誠一郎には戦闘を許可するように』


と告げ、一週間後に覇王剣祭を開催するようにと伝えるようにと告げると、電話は切れた。


「そんなにいきなりいわれてもね・・・」

と学園長は嘆くように呟いた。




あの襲撃から一週間経ったある日。新旧平等派学園支部から連絡を受けた。このことは学園長から担任、そして生徒へと伝えられることとなった。



そしてあさのホームルーム。襲撃から一週間経っていて流石にまたいつもの学園生活に戻っていた。だが、明らかに変わったことがあることを学園内の人たちは皆知っている。

それは、


「一週間前の新旧差別派の襲撃で差別派に学園長と教頭の能力が割れてしまったので、今日から先生を1人学園長補佐役として新旧平等派から呼びました。どうぞ入ってください」


すると、教室に1人の女性が入ってきた。その姿を見て、教室がざわめいた。


「彼女は天王寺杏奈。新旧平等派のエースにして現世界ランク1位です。この人が私の代わりに担任をします」


と学園長が言うと、天王寺杏奈という女性は、


「では自己紹介をします。最初に私の名前は天王寺杏奈といいます。ランクはAランクです。先程の紹介にもあったように、現在は世界ランク一位となっています。出身は覇王学園で、学園長の生徒でした。気軽に話しかけて来てください」


と天王寺先生は簡単に自己紹介をすると次は質疑応答の時間になった。


「ステータスについて教えてくれますか」


ある男子生徒が聞くと


「さっきも言ったようにランクはAランク。魔力量、攻撃力はAランクで、防御力はBランク、魔力制御はB+ランクです」

それでは

「他に質問はありますか」


そう聞くと今度は女子生徒が質問をする。


「固有武装について教えてくれますか」


その問いに対し天王寺杏奈は


「固有武装の名前は3種の神器(ゼウスマキナ)といいます。能力は教えられません」


時間はあと少し残っている。だから、


「そろそろ最後の質問に入ります」


というと誠一郎は手をあげた。すると視線が自分に集まる。

そのまま構わずに質問する。


「新旧差別派について知っていることを教えてください」


と告げると、


「新旧差別派は今、平等派と対立関係にあり世界各地で争いをおこしている。この戦争はすぐには終わらないと思います」


「何故そんなことがわかるんですか」


前の襲撃は学園内の誰かが学園の警備について新旧差別派に情報を渡していると踏んでいた誠一郎はそう聞くと


「私個人の見解だけど」


と前置きをひとつ入れてから話始めた。


「新旧差別派はリーダーが変わってから年々組織が巨大化していて、少しずつではあるけれど戦闘員のレベルも上がっている。日本は一番伸びしろが高い。そして日本の支部にもかなりの数の差別派がいます」

それに対して


「私達平等派は差別派に比べて明らかに組織の大きさが大きくなるのが遅い」


声のトーンを落として天王寺杏奈は言った。そして言葉を続けようとしたとき


「戦力を拡大させるまで差別派の攻撃を耐えられるかどうかが鍵になる、そういうことなんですね」










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