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最低ランクの俺が実は強いなんてわかるはずがない  作者: 真中麒麟
覇王学園入学編
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決闘と新たな固有武装




「それでは今から赤城誠一郎対エリス=ラティアークの模擬戦を開始します。試合はどちらかが戦闘不能になるか自己申告の降参でのみ決まります。それではバトルスタート」


バトル開始と同時に互いに前方へ駆け出した。


俺は走って接近。剣を抜くとそのまま上から振り下ろす。


ガキーン、エリスは固有武装を上げ、攻撃を防ぐ。そして空間転移で距離を取る。


エリスは剣先を相手に向け、構え直す。先ほど纏っていた殺気が無くなっていることに気付いて余裕ができたのか


「なかなかやりますわね。それならこれならどうです」


エリスが目の前で固有武装(リベレイト)を上から振り下ろす。


何をするのだろうかと剣を構えた。


すると空間を引き裂くような音をだして目の前の空間が縦一文字にわれた。


割れた空間を後ろに跳んで回避する。


しかしエリスは避けられるとふんで空間転移をしていた。誠一郎は移動先に自分から突っ込んでいく。


エリスは横薙ぎを放つ。


入る、そう思ったとき、誠一郎が剣をしまうのを見た。


・・・・何をする気なのでしょう。


そう思いながらも攻撃は止めない。当たると思ったエリスだが、誠一郎がバック転をし攻撃をかわした。


それを見たエリスは急いで空間転移をした。


その直後、誠一郎がバック転の勢いを利用して剣を振るっていた。


それを遠くから見ていたエリスは


・・・危なかった。


転移していなかったら斬られていたと感じ、心の中で安堵した。


誠一郎はエリスが前にいるのを見るや否や体を前へ倒して目にも止まらない速度で接近する体技、体倒崩速ていとうほうそくを使用した。


誠一郎は剣を横に振るう。エリスはギリギリのところで空間転移を成功させ、距離を取った。


それでも誠一郎は体倒崩速で再び接近し次は連続斬りをエリスに見舞った。


エリスは、空間断層の障壁で連続斬りを防ぐと剣を振り下ろす。誠一郎は後ろに跳んだ。


だが誠一郎の目の前で信じられないことがおこる。


空間が斬り裂かれ衝撃波が襲ってきたのだ。それをなんとか剣で弾く。


それを見たエリスは


「こんなにも強いなんて予想外ですわ。でも次できめさせてもらいます」

と感嘆の声を漏らし勝利宣言した。


エリスは、虚空に向かって剣を振り下ろした。


すると近くの空間が破裂した。その攻撃を走り始めることで避ける。エリスはおなじように空間を破裂させるが少しずつスピードを上げ、攻撃を避け続ける。


その速さのまま体倒崩速を使用しさらに加速する。


接近して連続斬りを見舞おうとしたとき、エリスは空間転移をした。その瞬間、体倒崩速を使用し先回り。


空間転移を終えたエリスの脇腹に掌を当てた。


するとすごい勢いでエリスが後ろに弾けとぶ。


その直後に再び体倒崩速で接近し、横薙ぎを放つ。


空間断層の障壁で防がれたがそのまま手首を返して上から振り下ろした。するとその一撃がエリスに直撃する。


「きゃあーー!!」


そのまま後ろにふっとんだ。首に刃物を突き付ける。


「私の負けですわ」


エリスは静かに負けを認めた。


「そこまでのようね」


学園長が下に降りた。


「流石、栄二郎さんの息子ですね。あと試してみたいことがあるので、学園長室にきてください」



学園長室



俺とエリスは学園長と一緒に学園長室に入った。


「何故決闘を行うことになったのかその経緯について聞いてもいいかしら」


学園長は、何故決闘を行ったのかわかっていないようだった。ならば教えた方がいいのだろう。


「昨日の放課後・・・」


簡単にまとめるとこうだ。昨日の放課後にエリスが着替えているときに俺が部屋に入ってしまい、それに怒ったエリスに決闘を挑まれてしまったということだ。


「それで決闘に勝った赤城くんはどうしたいの?」


学園長に聞かれた俺はじぶんがどうしたいのか話した。


「あそこは俺の部屋でもあるんだ。エリスが着替えているときは外にいるから同じ部屋でも・・・」


「別にいいですわ」

「そうですよね、やっぱり嫌ですよねそれなら違う部屋にって・・・え!?」

「別に私は構わないですわ」


驚いた。まさかO.K.がでるとは思わなかった。


「それじゃあ決まったみたいね」

「でもそれってダメなんじゃないんですか?」

「別にあなたたちの他にも男女が同じ部屋の人はいるのよ」


初耳だ。


「そうと決まったら手続きをしておくわ。では本題に入るわね。赤城くんは固有武装って持っていないのよね」


「はい、持っていないです」


正直に話した。


「学園には一つだけ、持ち主のいない固有武装があるの。その固有武装が使えるかどうかのテストをするわ。それじゃあもって来るわね」

そういうと学園長は武器を探しに武器室に行った。




固有武装とは一人一つだけ持つことができる武器のことで様々な形、能力を持っている。


武器に魔力を送ることで効果を発揮し魔力を送り込んだ際に武器が光れば適性があるとされている。


「ねえ、さっきの話って本当ですの。固有武装を持っていないって言うのは。あの武器は固有武装ではなかったんですの。それでは初めて会ったときも固有武装ではないんですね」


呆れたような顔で言われた。


「まあそうだね」




10分後、武器室に固有武装を取りに行っていた学園長が戻ってきた。


その手には黒色の刀身で黒色の柄の両刃の剣が握られている。


「この剣は固有武装、技剣テク・データよ。この剣は身体能力と魔力量が両方とも高い人のみが扱える上位の固有武装よ」


胸を張って自慢している。


「それじゃあ、武器に魔力を送って」


学園長の言葉に従い武器を手に取り、柄に魔力を少し送る。すると、


「魔力量が足りないわ。もっとたくさん送り込んで」


言葉に従い魔力をたくさん送り込む。すると武器全体が明るく光った。


「凄いじゃない。君にはテク・データを扱う素質があるよ」


じぶんでは何がどういうことかわからないけど学園長がそう言っているならそういうことなのだろう。







学園長が学園長室にいると電話がかかってきた。


電話の主は赤城栄二郎だった。


受話器を取って電話にでる。


「もしもし、栄二郎さん。あなたに言われたように息子さんの誠一郎くんに固有武装を与えました。でも私には理解できません。何故誠一郎君に武器を持たせたんですか?」


学園長、神崎舞姫は解せないとばかりに栄二郎に問いかけた。


「誠一郎は小さいときに母さんを新旧差別派に殺されているんだ。俺は本人から新旧差別派と戦うと聞いた。最初は反対したさ。命を懸けてまでやることなのか?そんなことは大人に任せればいい、と」


そんなことを言った俺に対してあいつは何て言ったと思う?と問いかける。


学園長は黙り込んだ。


それを先を促す無言ととったのか言葉を繋ぐ。


「このままやつらを放っておいたらどうなる、俺みたいに悲しむ人が増えていくだろう。これ以上他の人たちが悲しむ顔を見たくないと言ったんだ。

そんなあいつの想いを感じ取った。戦う意思があることはわかったが固有武装を持っていなかった。今の状態では渡り合うことはできない。

だから固有武装を持たせることを決めた。

俺がこの学園にあいつを入学させたのもそれが理由だ」


固有武装を持たせるのは、息子を戦争にいかせるということだ。それは断腸の思いで下した決断だったというのは想像に難くない。


「息子は俺が引退したのは調子が悪くなったからだと思っている。だけど実際はこの学園を守る、もっと言うならば、子どもを新旧差別派から守るためには、引退するしか方法がなかったからだ。

俺だって戦争を早く終わらせたい。そのためならば今まで築いてきたものを失う覚悟も出来てる。あいつが本当の理由を知ったら優しいから無茶をすると思う。

そうならないためには固有武装を持たせて真実を隠しておかなければならない。

協力してくれるかい?」


神崎舞姫に協力を求めると、


「・・・・わかりました」


納得はしていないようだったがとりあえず、要求は呑んでくれたみたいだった。


「ありがとう、助かるよ。それじゃあまた今度」


赤城栄二郎との電話が終わった直後、部屋の扉をノックされた。


「どうぞ」


扉を開けて入ってきたのは赤城誠一郎だった。


「あの、すいません。さっきの話は本当ですか。親父が俺をこの学校にいれたというのは」


どうやら聞かれてしまったらしい。だけど栄二郎に口止めされている以上、ここで話してしまえば栄二郎の想いが無駄になってしまう。だが、

「ええ、本当よ。」

素直に認めた。

言葉はまだ続く。

「もっと言うなら、君が固有武装を手にしたのも彼が君を心配してのことよ」

他にもいろいろと言われたが話せることは全て話した。

「そうですか、何故親父が俺に黙っていたのかはわかりませんが入学の真実を知れて良かったと思います」

神崎はまだ話は終わっていない、そう言おうとしたが栄二郎が誠一郎に真実を告げていないため、いうことはできなかった。

「それでは失礼します」

誠一郎は学園長室から出ていった。



続く


















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