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1話-⑤
カフェオレを飲み終えた男が会計に向かう。
レジで万札を2枚、店長らしき人物に手渡すと、レシートを渡される。
「ありがとうございました!」
釣りはない。
本来のカフェでは、有り得ないことだと思われるやりとりであるが、他人の会計を注意深く観察するような人間は皆無であるから、そのやりとりに疑問を抱く者はいなかった。
カフェを出て、裏路地に入る。
財布からレシートを丁寧に取り出す。
「カフェオレ 480」
「レジ担当者 加藤」
「日時 652365月100688日080906111時428745分」
満足そうにうなずく男。
この数列が、都市伝説「悪魔の数列」と言われる代物である。
しかし、実際にその数列を見た者は、いない。
だからそんな数列は存在しないと唱える者が多数を…。