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僕は殺し屋に向いてない  作者: 土竜道化
1/7

プロローグ

夜。

音という概念が日没と共に崩壊し始め、また彼がやって来た。

彼はいつも神経質で、唯一残った音で僕に語りかける。

カチコチカチコチ。カチコチカチコチ。

いつも、彼の声に怯えた。

さぁ、早く、さぁ、早く。

…死ね!…死ね!…死ね!…死ね!

薄手の毛布くらいしか味方につけるものがなく、ひどく毛羽立った、肌触りの悪いそれで身を覆った。

お願いだから、少し寝かせてくれ。

泣いても許してくれない。逃げてもどこまでも追いかけてくる。

無情にも、いつも彼から僕を救うのは、僕が大嫌いな「明日」だった。

日の光と共に、音が戻ってくる。

彼は舌打ちを一つすると、霧散して消える。

床に散らばった硝子の欠片を見下ろし、僕はようやく眠りに落ちることが出来る。

束の間の休息。

そして、その数十分後に僕は「今日」に起こされることになる。

その瞬間からまた、夜に怯え、明日を嫌う一日が始まるのだけれど。

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