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遊園地 下。

『ふぅ。祥子さん、なんか飲みます?』

『ぅん。もぅ喉カラカラ。一緒に買い行こー。』


飲みモノ飲みながら、暫しの休憩。


『ぁのさ、シュン君って趣味とかあるん?』


『趣味じゃないけど、僕さ、物理学が好きなんだ。そんなん変だょね?』


『ぅうん。そんなことないょ。ブツリガク…いいと思うょー。』



ぁのー、ブツリガクってなんですか?

食べ物?違うょね?


『そう言ってくれると嬉しいな。なんかさ、みんな物理を知らないんだょね。』


ごめんねシュン君、ゎたしも本当は知らないの。


でも、悪意のなぃ嘘ならきっと神様は許してくれるよね?



ぇ、悪意丸出しだって?


いいもん、神様が許してくれないならエンマ様に許して貰うから。


『じゃあ、祥子さん、そろそろ観覧車行こっか。』

『ぅん。』



観覧車は思っていたょり全然空いてました。

『観覧車に乗り降りする際は足元に十分お気を付け下さい。』


シュン君と観覧車の中に二人。鼓動が速すぎて心臓壊れそう。


シュン君はゎたしのむかいに座りました。本当は隣がよかったんだけどな。


「カタン、カタン」



観覧車はどんどん上って行きます。沈黙の二人。


ぁれ、シュン君どうしたのかな?


さっきまではずっと話かけてくれてたのに。

緊張してるのかな?



沈黙の中、シュン君にもっと近付きたい。触れてみたい。そう思ったの。

なんでだろうね。

こんな気持ちは初めてだょ。



観覧車は天辺。


ぇえい、女は度胸。

ん、愛嬌だっけ?そんなんどうでもいぃ。



『ぁのさ、シュン君、隣に…座ってもいぃかな?』



ぁう、言っちゃったー。




『……ダメ。』



この一言のショックはかなりなものでした。だってさっきまで優しかったシュン君が隣に座られるさえ嫌だって。



泣きそうだょ。てかもぅ泣いてるね。




そしたらうつむいてたシュン君から驚愕の一言、


『実はね…僕、観覧車って…苦手なの。揺れるのが…怖くて。だから今は…動かないで…くれると…』




ぇーーーーーー。


シュン君、ゎたしに苦手なら言えって言ってくれたょね?


ゎたしをひっかけるなんてなかなかやるなぁ、シュン君。


『シュン君、平気?観覧車苦手なんて知らなかったから、ごめん。』


なんて言いながら、ちゃっかり隣に座ってるゎたしはたぶん悪魔だね。


まぁ、ゎたしをひっかけた罰だょ。



勝手にひっかかったんだろって?


ゎたーし日本語ワーカリマセーン。



『んあ、…揺らさないで。恐いから…ね。』


今しかない。


と思ってしまった自分に嫌悪感を抱きつつ、シュン君の手をギュッと握ったの。

そしたら、シュン君も握り返してくれて。


たぶん、シュン君は焦ってゎたしの手を握っただけ。

でも、人と触れ合うのがこんなに嬉しいなんて。


シュン君の手。あったかいょ。


観覧車から降りるまで手はずっと握ったままでした。




『シュン君、ダメだょー乗れないなら、乗れないって言わなきゃ。本当に焦ったんだから。』


さっきとは逆の立場です。


『ごめん。なんか水差しちゃったね。それに、心配かけて、女の子泣かすなんて、僕最低だな。』



ぅにゃー、泣いたの見られてるー。


でも泣いた理由は分かんなかったみたいね。


シュン君に嫌われたと思って泣いたなんて言えないけどね。




『いぃの。ぁれはあれで楽しかったょー。ふふッ。』


だって、シュン君と手が繋げたんだもん。

ちょっと強引だったけど。

ちょっと?かなりだね。



そしたら、シュン君が

『あの、心配かけてしまったお詫びに、後で僕ん家に来ません?祥子さんのために美味しいオムライス作りますょ。』


ゎたしのためだって。

ケチャップで、ハートなんか書かれちゃったりしたらどうしょ?



てへッ…そして二人はオムライスに永遠の愛を誓ぅの。


ふにゃー。顔が熱ぃょー。


祥子ちゃんオーバーヒートしちゃってます。



『ぇ、本当?…行く。でも、オムライス一緒に作りたいな…。ゎたしこう見えて…結構料理するんだょ?』



『うん、じゃ一緒に作ろっか。』


次週、愛のオムライス。

たかがオムライス。されどオムライス。

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