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第四話~少年の感情~
「ただいまー。」
「おかえりなさい」
学校から帰ってくると少年はすぐさま自分の部屋に行き、寝間着に着替えそのまま布団に入った。
「あら、具合悪いの?」
「うんん、ただ疲れてるだけ」
「そう、ならいいけど・・・風邪ならちゃんと言いなさいよ?」
「分かった」
少年は、体調が悪いわけでは無かった。
布団に入り枕に抱きつきながら、またあの蛾の事を考えていた。
ーーーあの蛾にまた会いたい、なんでだろーーー
少年は考える、何故自分は人でも無い、ペットでもない一匹の蛾にここまで惹かれているのか。
ーーーあの蛾を見ていると、とても安心するんだよな。俺を分かってくれるのがあの蛾だけだからか?ーーー
「そうだ、きっとそうだ。でもそれなら、僕もあの蛾を分かってあげなきゃ」