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第三話~少年の意思~
「ただいま。」
少年は帰ってくると、玄関の前で呟いた。
その少年の声も聞こえないほど、居間には怒号が響いている。
ーーーまだやってんのかよ。くだらねーーー
少年が部屋に戻ると、ふとあの蛾を思い出した。
ーーーそういや、なんていう蛾なんだろ。ーーー
少年は、普段読みもしない昆虫図鑑を本棚から取り出し一ページずつ読み始めた。
自分に答えをくれたのは一体何だったのか、それを知るために少年はページを一枚一枚めくっていった。
「ほら、そろそろ寝なさい?明日学校でしょ。」
「うん、もうちょっとだけ」
「適当に寝なさいよ。」
ーーー知りたいんだ、お前の事。ーーー
そして親の言いつけも守らず、数時間たったあとに少年は見つける。
ーーー毒蛾なのか、あれ。毒を持ってそうには見えねぇけどなぁーーー
そして少年は、布団に入り、目を閉じてまた考える。
意識が遠退くのを感じながら・・・