表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年は蛾に恋をする  作者: ふみ
3/5

第二話~少年の思考~

少年は考える事で逃げてきた。

『自分らしさとは何か』なんて気難しい事から『ゲームで勝つためにどうしたらいいか』なんてどうでもいいことまで、考える事でその問題が解消された気がして少し安心した。

そして今日も、暗い夜空の下で少年は考える。


ーーーなんで俺は幸せになれないんだろう。ーーー


買って欲しい物はある程度高価なものでも買ってもらえる、美味しい料理だって食べさせてもらえる、人と話す機会だってある。

でも何故、自分は満足出来ないんだろう。

そんなことを考えているうちに少年は目的地につき、いつもの乳酸飲料を手にレジまで行く。


「これ、あと肉まんもください。」


少年は店員が金額を言う前にお金を出すと、買った物を手に店を出た。


「ふー、ふー、はむっ... やっぱ熱い...」


饅頭を頬張りながら帰っていると、少年はあの日の蛾を見つけた、あの日の蝶のような蛾だ。


「覚えてる?」


少年がそう言うと、蛾はひらひらと電灯の上から降り、少年の肩に乗った。


「やっぱ気のせいじゃなかったか」


少年は石の階段に座り、その蛾に再び話しかける。


「言葉が分かるならさ、僕の悩み聞くだけ聞いてよ。」

「僕ね、裕福な家庭に生まれたのにとっても寂しいんだ、何でだと思う?」


するとその蛾は少年の肩からまたひらひらと飛び立ち何処かへ行ってしまった。


「・・・そうだね、僕は一人なんだ。君ぐらいしか相談する相手が居ないほどね。」


少年は饅頭を食べ終わると、また再び家に帰り始めた。

また一つ分からないことが分かった、そう自分に言い聞かせて。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ