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プロローグ
「くだらないなぁ・・・」
クリスマスで大量の人々が溢れかえる交差点を道路の端から眺め、その目付きの死んだ少年は言葉を零す。
ーーー何がクリスマスだ、お前らがする事なんざ友達同士でプレゼント渡しあうかホテルでイチャラブ交尾だろ。英雄が死んだ日だって言うのによぉ・・・ーーー
「君もそう思うかい?」
視界が暗く、蛾なのか蝶なのかさえ分からないヒラヒラと舞う生き物に少年は呟きかける。
「・・・言葉が分かるわけないか。」
そう言い捨て、少年は去る。
何れ其のヒラヒラ舞う生き物に導かれるとも知らずに。