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私が流す涙の理由

作者: 紫陽花

"私は、生まれてきても良かったのだろうか"ふと、そう思う。

次女で真ん中っ子な私は姉と弟がいる3人姉弟。今思うと私は小さい頃から分かっていたのかもしれない。親が私達、子供へ注ぐ愛の量を。

「母の口癖はみんな平等。」その言葉を私はどれほど信じたか。

いつも楽しそうに話す父と姉。いつもわがままな弟に優しく接する父。だけど私にはいつも冷たい。掛け算の分からない姉に必死になって教える母。末っ子で一人息子の弟を可愛がる母。だけど私には何もない。だから私は小さい頃から必死に両親に嫌われないように頑張った。家の手伝い、勉強…。家の手伝いを頑張れば母に褒めてもらえる。勉強を頑張れば父に褒めてもらえる。そんな期待をしながら。

中学3年生。高校受験を控えた私は受かるかどうかの心配よりも全てにおいて私にプレッシャーをかける母に怒りを覚えていた。また、何をしても冷たいままの父に対して無意味だったなと思っていた。

姉は私と比べて出来が悪く、私立高校に通っていた。弟も出来が悪いのでせめて私だけは都立に行くように言われた。期待されるのは嬉しい。だけどそんな期待じゃない。

この家に、私の居場所はない。それが悲しくて毎晩のように泣いていた。

「そんなに嫌なら生まなきゃ良かったのに、生かさなきゃ良かったのに。」

同じようなことを繰り返し考えては涙で流す。そんな事を、こんなことを考えている事を、誰がわかってくれるだろうか。友人に話したって考えすぎの一点張りでどうしたって私の気持ちを理解してくれない。そんな私は今日も泣いて涙で流す。

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