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中央大陸学院選択科目一覧(あいうえお順)
・音楽
・機械応用学
・弓術
・空間座標学
・芸術
・剣術
・攻撃魔法学
・種族学
・心理学
・世界別歴史
・槍術
・哲学
・忍術
・野外調理学
*いずれの授業も月に1~2回、高名な冒険者がゲスト講師として招かれます
*一部の科目はレベルに応じたⅠ、Ⅱ、Ⅲのクラス分けがあります
リオウさんが体育教師。
へぇ~、適性はともかく似合うかも……じゃなくて!
え、なんで? 仮にも「折れぬ牙」のメインメンバーで、冒険者として忙しいはずのリオウさんが、どうして?
「本来受け持つはずだった先生に、何かあったんですか?」
「しらな~い。あ、あとねあとね! 生活魔法学がワンせんせーで、野営学がイジェットせんせー、機械学がキリルせんせー、家庭科がサイせんせー。それと、選択の音楽がリットせんせーになるんだって! み~んな、この前テレビでみたヒトたちだよねっ!」
ってことは「折れぬ牙」のメインメンバー勢ぞろいじゃねぇか!
あのヒトたち、確かにこないだの聖域発見報酬でかなり潤ったはずだけど、冒険者を引退したって話は聞いてないぞ?
いやいやいや、げーのーじんの授業みたいでわくわくする、なんて浮かれてる場合じゃないですよミサさん? 初期入会特典? ナイナイ、ありえない。
だって、中央大陸学院は、冒険者ギルドが作ったんだよ?
このストレートでなんのひねりもないつまらん名前からしてわかるでしょ、そんなサービス精神持ち合わせた組織じゃないんだってば。
総力を上げて作ったはずの学院なのに、こんな突然の変更がなされた。これは異常事態、いや、非常事態だと見て間違いない。セキュリティーレベルを急遽上げる必要性のある何かがあったのだ。
あー、これはいよいよヤバいよまずいよ。
るーきゅんの入学と言い、よっぽど大事なものが隠されてるに違いない……。どうしよ、賢者の石的なものが隠されてたら……。
そういえば例の王子さまもご近所に用があるとか言ってたし。うわぁ、悪役も揃っちゃってるじゃん!
「……いいですか、ミサさん。ジェレミーナⅩⅩⅩⅠ世さん。お勉強を適度にがんばり、交友関係は広く浅くを心掛けるんですよ。でも一番大事なのは、規則を守ることです」
「う、うん。あたし、お酒とかタバコとか、きょーみないよ?」
「ぷにぷに」
「そうではなくて。いやそれももちろん大事なんですけど。入ってはいけない場所、うろついてはいけない時間、禁制の品……。そういう項目に気を付けろってことです」
一瞬不満そうにしかめられた顔(と、体)を、私は見逃さなかった。
「ミサさん、ジェレミーナⅩⅩⅩⅠ世さん?」
わかってるわかってる。深夜にお友達とこっそりパジャマパーティーしてみたかったんだよね? 隅々まで探検して秘密基地みたいな場所をみつけたかったんだよね? 気持ちはわかる!
でも、駄目~。ミサさんはもちろん、ジェレミーナⅩⅩⅩⅠ世さんに何かあったらどーすんだよ。一族が押し寄せてくるぞ?
「ん~、まぁわかったけどぉ……。でもでもっ、もし廊下とか階段がいきなり動いて変なとこに入り込んじゃったとかならノーカンだよねっ?」
「ぷにぃ?」
「不可抗力ならしょうがないでしょうが、まずはあり得ません」
そんな理不尽、そうそうあってたまるか。
しかし、一夜明けて。
そういや理不尽というのはそこら中に転がっているものだったなぁ、と思い直す羽目になった。
今日はミサさんたっての希望で、西域の中でも特に古~い商店街に来ている。
わざわざこんなとこまで来なくても、便利で綺麗で品ぞろえの良いデパートが東域にはいくつもあるというのに。ぶつぶつ。
「みてみてミツキさん、ジェレちゃんっ! 箒屋さんだよっ! あれ、一年生ってマイ箒持ってっていいのかなっ? ジェレちゃん乗れそう?」
「何を期待しているのかはよ~くわかりますけど、それただの箒ですから。お値段が高くてスタイリッシュなデザインなのは、飛べるからじゃなくて、ファッションとかインテリア用に作られてるからですよ」
今時箒で掃除するヒトなんていないからな。むしろ贅沢品扱いなんだよね。
「……あ、あっち! 杖専門店って書いてあるっ!」
「見に行ってもいいですけど、多分期待してるのとは違う杖なんじゃないかな~と……」
「み、ミツキさんがいぢめる……」
「ぴぃ……」
「なっ! 人聞きの悪いっ。これは」
「見つけたぞっ! 『暴食の魔女』っ!」
これはいじめじゃなくてただの指摘です、と抗議しようとした私の言葉は、どこかからわらわらと湧いてきたがきんちょどもに遮られた。
ん? よく見たら中の一人は新入生代表君じゃない?
「『暴食の魔女』めっ! 弟子をいじめて楽しいかっ」
彼は正義の怒りを目に宿し、私をまっすぐ睨みつけた。
……え、なにこれりふじん!




