授業終了 岩崎 千晶のケース
授業が終わり、私は盛大に溜息をつく。
まったく、とても疲れる一日になりそう。
いちいち他人の目線を気にしなきゃいけないし、少なくとも今の私に他人と悠長に話す自信はない。
「は~、まったく.........」
「どうしたの?千晶ちゃん?」
いきなり後ろから話しかけられ、思わずヒエッ、っと間の抜けた声が出てしまう。
「っ、ごめん千晶ちゃん!私脅かそうとしたつもりじゃなくて.....」
そう言っている目の前の子は確かクラス委員長の代々木陽菜。
クラスでは大人しい部類で私とは接点も無く、あまり話したことも無かったけど...........
「こっちこそ驚いてごめん。で、どうしたの?」
「ほら、なんか落ち込んで見えたから、どうしたのかな、って思って。」
はい、めちゃめちゃ落ち込んでます。
なんて言えず、「ううん、私は大丈夫だから」と言っておく。
しかし、「大丈夫じゃないよ、とても思い詰めている感じだったし...何かあったら私に相談してよ、頼りないかもしれないけど...........」なんて言う。
普段だったらこんなに嬉しい言葉は無いと思うかもしれないけど、残念ながら人に相談できるような悩みではない。
なにせ今、私は男になっているんだから。
こんな事いきなり言われたら、誰だってドン引きしてしまう、私だってしてしまう。
とりあえず「うん、ほんとに大丈夫だから。」と言って無理矢理話を切り上げ、私は次の授業の始まりを待つのだった................
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今回の新キャラ
代々木陽菜
千晶のクラスの学級委員長。
気弱だがとても面倒見が良く、クラスの中でも頼れる存在。