授業終了 杉村 国彦のケース
「ダル........」
結局(いつも通りと言うべきか)授業内容は頭に入らず、四時間目が終了した。
教室中からやっと昼飯食えるぜ~、とか今日どこで食べる~?、なんて声が聞こえる。
「......屋上にでも行くか。」
俺は邪魔な奴らを押し退けて四階の屋上に続く扉へと歩く。
いつもこの扉は鍵がかかっていて開けられないのだが、
ガラッ
昼飯の時間だけは換気をしている為、こうして窓から入れる、俺だけが知っている場所だ。
「ふう...........」
屋上に入り、寝っ転がると、口から肺の空気を全て吐き出すくらいの溜息が出た。
やはりここは落ち着く。
静かで、誰もいなく、見晴らしもいい、最高の場所だ。
なのに現在は女、最悪な気分だ。
元に戻ると思って二日も待ったが一向に戻る気配も無い。
普通の人間ならこの時点で発狂していてもおかしくないくらい精神的に追い詰められている。
でも俺は発狂していない、この状況に慣れたからだろうか?
いや、慣れちゃ駄目だ。元の姿に戻れたときに色々問題が起きる。
気をしっかり持て、絶対に戻れると信じろ、陰鬱な考えは捨てろ、そう念じて頬を引っ叩く。
「クッソ......なんでこうなっちまったんだ.............」
その答えはまだ出ない。俺は非科学的な事は信じない方なのだが、これはある意味呪いの一種じゃないかと疑わざるを得ない。
「俺が何したって言うんだよ..........」
俺は空を仰ぎながらそう呟く..........
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