授業中
一時間目は僕の嫌いな数学だった。
ああ、もう今からの事を考えるだけで授業に頭が回る訳無い!
「お~い近衛、この問題答えなさい。」
っていきなり僕が答えなきゃいけないの?!無理無理!できないって!
とりあえず「わかりません。」と言うと、教室内からクスクスと笑い声が聞こえるが今はそんなことより、この状況を打破するのが先決だ。
「うむむむむむ.........」
まず、今日は体育が無いからいいとして、少なくとも週三日は体育がある。これをどうするか........
休んだら只でさえ低い体育の成績がもっと悪くなってしまう。
なら寒い日のみ出れば露出の少ない長袖でできる。
よし、これで行こう。
「よし近衛、これならできるだろう。」
ええっ?!また僕!?何でって後ろを振り向くと、
『お前がやれ』
と凄みを利かせた目で訴えてくる見知らぬ不良がいた。
何とか急いで筆算をやり終えて答えると、今回は合っていた様だった。
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン...................
やっと一時間目が終わった。と言うか何で後ろに不良がいるの?マジ怖い。
「なんだアイツって顔してるよ、近衛君。」
そういきなり話しかけてきたのはクラスメイトの富井信一郎だった。
背がめっちゃでかい。確か180cm越えだった筈だ。
「だってそうだよ、一昨日まで僕の席の後ろはいなかったじゃないか。」
と言うと「だってアイツ、昨日転校してきたヤツなんだよ。確か秋葉幹久って言う名前だったはずだよ。一度話したけどあんまり悪いヤツじゃなかったから大丈夫だって。」
へえ、と言って秋葉と呼ばれた男を見る。
確かに最初は不良かと思ったがよく見ると目つきが悪いだけの真面目な生徒に見えなくも無い。
「..........おい、何見てんだ。」
ひぃぃぃぃぃーーーーーっ。凄い睨まれた!ヤクザ並みの眼力だーーっ!
月末までコイツが後ろって、なんかの罰ゲーム?
[Change The View]
今回の新キャラ
富井信一郎
近衛のクラスメイト。
とても身長が大きく力も強いが、誰にでも優しく接して、先生からの人気もある。
自分よりも他人を優先する為に色々不幸なことに巻き込まれる事もよくある。
秋葉幹久
近衛のクラスに転校してきた目つきの悪い生徒。
富井が言うには悪いヤツでは無いらしいが........?