朝の登校 杉村 国彦のケース
(胸がキツイな........)
朝、登校中にふとそう思う。理由は簡単だ。胸部を包帯で無理矢理押さえつけているから。
「今日は体育無いな。良かった。」
と呟くと、背後から騒ぐ声が聞こえてきてすたすたと歩いてくる女子がいた。
(確か、岩崎、だっけ。)
岩崎は前年度の体育祭で好成績を残して有名だったので名前は憶えている。
それにしてもなんか雰囲気違うような..........
まあいい、今はバレない為に全力を尽くすだけだ。
そのまま岩崎が素通りしていくのを無視する。
~教室内~
「よう!杉村。お前も元気無えなあ、いつもの騒がしさはどうした?ん?」
そう話しかけているのはクラスメイト、西田由貴。
「なんでも無い、とっととどっかに行け。というか騒がしさって何だ!?俺がいつも騒いでるみたいじゃ無えか!」と声を低くして叫ぶ。
「へへへ、冗談冗談。何で通じないんかな~?」
くっ、馬鹿にしやがって、こっちはそれどころじゃないって言うのに!
笑っているクラスメイトを追い返すと机に速攻で突っ伏す。
早く一日終われ~..................
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