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第十話 どんな結果になっても

春。


私も三年生になり、引退までの時間が近づいてきた。


新しい一年生が入ってくる。


二つ年下だと、なんだか幼くて可愛く見えた。


「ゆき先輩、こんにちは!」


そう言われて、私も笑顔で挨拶を返す。


それだけで一年生達は、きゃーきゃー喜んでくれた。


私はあの日から、みんなと沢山話すようになっていた。


「練習辛くない?」

「悩んでることない?」


そんなことを聞くと、色々打ち明けてくれる後輩もいた。


引退まで、あと少し。


思い返せば、ここまであっという間だった。


引退したくない。


まだまだこのメンバーでバレーがしたい。


この体育館で、みんなと笑っていたい。


だけど、時間は止まってくれない。


大会が一つ、また一つと終わっていく。


仲間達と、引退までのカウントダウンを始めた。


「次が本当に最後の大会だね」


そんな話をするたび、少し寂しくなった。


もっと早くバレーを始めていれば。


もっと早く、バレーと出会いたかった。


三年生になってもらったユニフォームの番号は、二番だった。


一年生の頃、初めて貰ったユニフォームは一番後ろの十二番。


それがなんだか懐かしく感じた。


そんなことを思いながら、最後の試合の日がやってきた。


みんないつもと少し雰囲気が違う。


緊張しているんだと思う。


私もそうだった。


だけど、悔いだけは残したくなかった。


お父さんとお母さんが、ビデオカメラを持って試合を見に来てくれた。


お父さんとお母さんに、この三年間の成長を見てもらいたかった。


私はみんなに声を掛ける。


「さぁ行こう!」


そしてコートに並んだ。


笛が鳴る。


緊張していた。


だけど、もう私はあの頃の私じゃない。


もう弱くなんかない。


トスがどんどん上がってくる。


「ゆき!」


みんなの声が聞こえる。


その期待に、私は応えたかった。


みんなの声援が、ちゃんと耳にも届いた。


それが力になった。


去年と同じように、一試合、二試合と勝ち進んでいく。


家に帰ると、お父さん達が撮ってくれたビデオを見せてもらった。


そこに映っていたのは、仲間達と笑いながら試合をしている私だった。


点数が決まって、みんなで喜んでいる。


私はこんな顔でバレーをしていたんだ。


あんなに必死だったのに。


気づけば、自然に笑っていた。


その映像を見ながら、私は少し安心した。


そして明日。


三試合目――。


どんな結果になっても、必ずみんなで笑って終えよう。


私は、そう心に誓った。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


三年生になると、「最後」という言葉を何度も意識するようになりました。


引退したくない。

もっとこのメンバーでバレーがしたい。


そんな気持ちがどんどん大きくなっていった時期だったと思います。


昔は緊張してばかりだった私も、この頃には仲間の声をちゃんと聞けるようになっていました。


ビデオに映っていた笑っている自分を見た時、「楽しめるようになったんだな」と少し嬉しくなったのを覚えています。


続きも読んでいただけたら嬉しいです。

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