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ゲヒュール  作者: ルイ
35/43

黒崎迅vsシュトルツ

「……なるほどな」

黒崎が小さく呟く。

「フクスは七割しか削らなかったんじゃない」

一歩、踏み出す。

「――それしか削れなかったのか」

視線の先。

シュトルツ。

直線的な身体。

鉱物と金属が混ざり合った異形。

「さっきレヒツが、硬度無視の必中攻撃を当てた時も」

間。

「形は崩れなかった」

衝撃波。

黒崎は紙一重で躱す。

「けど、フクスの攻撃は通ってる」

視線を細める。

「無傷じゃない……が、普通でもないな」

再び衝撃波。

足場が砕ける。

「遠距離で削るのは無駄か」

黒崎が息を整える。

「レヒツ」

「二人で詰めるぞ。近距離で殺し切る」

時間は、深夜。

レヒツの気配が変わる。

禍々しさが増幅する。

その力を、黒崎も引き出す。

次の瞬間。

シュトルツの視界から、二人が消える。

衝撃。

瞬間移動と錯覚する速度。

叩き込まれる一撃。

フクスの尾と遜色ない破壊力。

連撃。

連携。

確実に削る。

だが――

違和感。

「……避けてない?」

違う。

避けない。

ノーガード。

真正面からの殴り合い。

「おい、避けろよ」

黒崎が吐き捨てる。

「こっちは一発で死ぬんだよ」

押しているようで、押していない。

削れている。

だが、削りきれない。

そしてこちらは――

近距離の衝撃波を、紙一重で躱し続けている。

いつ死んでもおかしくない。

「……考えろ」

プライド。

偏食種。

そして――

形を保つ肉体。

「……いや」

黒崎の目が細くなる。

「レヒツ、一旦離れろ」

距離を取る。

「傷はつく。すぐ治る」

「だが――」

「“つかない部分”がある」

思い出す。

直線的な形状。

だが、攻撃を当てた瞬間――

丸みを帯びた“何か”が、内側に現れる。

「……オランダの涙」

その言葉。

シュトルツの動きが変わる。

連続する衝撃波。

「……やっぱりな」

黒崎が小さく笑う。

「通じるんだな、その言葉」

「今ので確信した」

一歩、踏み込む。

「レヒツ」

「人狼だろ」

「集中しろ」

「中にある」

「急所が」

レヒツが目を閉じる。

静止。

集中。

その隙を、逃さない。

シュトルツが距離を詰める。

至近距離。

衝撃波。

穴が穿たれる。

それでも、

レヒツは動かない。

乱さない。

――刹那。

内側から、砕ける。

肉体が崩壊する。

粉砕。

破片が、遠くへ飛び散る。

静寂。

黒崎が息を吐く。

「……レヒツは、内側から壊せる」

わずかに視線を落とす。

「集中がいるがな」

間。

「……深夜じゃなかったら、死んでたな」

小さく呟く。

「助けにも、行けないか」

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