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ゲヒュール  作者: ルイ
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朱音・フクスvsヘルシャフト

「……フクス」

朱音の声が、わずかに揺れる。

「心配はいらない、朱音」

フクスは視線を外さない。

「傷は……徐々に癒えている」

視線の先。

ヘルシャフト。

王のような巨体。

玉座に座したまま、すべてを見下ろしている。

支配を冠するヴェーラー。

ヘルシャフトは動かない。

フクスを見ない。

――援護。

判断は速い。

傷は癒えても、消耗は残る。

ならば。

他を支え、四体で仕留める。

最適解。

ゆっくりと、手をかざす。

支配。

世界が歪む。

跪かせる。

そのはずだった。

「――はぁ」

朱音が、息を吐く。

覇気が走る。

ぶつかる。

支配は、砕ける。

「やっと……こっちを見てくれた」

ヘルシャフトの視線が落ちる。

標的を、変更。

――朱音。

殺す。

近づく。

その瞬間。

尾が、薙ぐ。

「ゲホッ……!」

ヘルシャフトが弾かれる。

「フクス!!」

フクスの尾。

一本。

再生したばかり。

中身の無い、“空の尾”。

それが――

今の一撃で砕ける。

完全に、尽きる。

「……噛み殺してやる」

踏み出す。

「駄目!」

朱音が叫ぶ。

「今行ったら、返り討ちに合う!」

一歩、止まる。

「……なら、相打ちにする」

「無理でしょ」

朱音が息を吐く。

「作戦がある」

フクスが見る。

「なんだ、朱音」

一歩、近づく。

「支配欲」

静かに言う。

「全部じゃないけど……あげる」

一瞬。

朱音の内側で、何かが膨れ上がる。

欲望。

支配。

それを、増幅する。

そして――

触れる。

唇が重なる。

流れ込む。

「……朱音」

「今ので」

朱音は目を細める。

「ヘルシャフトに対抗する力は、もう無い」

「だから――」

「瞬殺して」

ヘルシャフトが動く。

再び、支配を発動する。

だが――

遅い。

視界が、落ちる。

回る。

自分の体が、見える。

首が、無い。

フクスが、

噛みちぎっていた。

「……ゲホッ、ゲホッ」

血を吐く。

それでも立つ。

「他の……援護に回る」

朱音が首を振る。

「無理しないで」

「今のであげた力も、全部使ったでしょ」

一拍。

「信じよう」

フクスは視線を動かす。

戦場の奥。

「黒崎は……」

一瞬。

「あぁ……流石だ」

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