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聖歌の才能がなくて退学寸前ですが、アニソンなら世界最強⁈  作者: さんご


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3/13

その3.黒ヒョウの獣人登場。やったあ!

わたしはあちこち飛び跳ねる癖毛を2つの三つ編みに押し込みリボンをして誤魔化している。

ルーナに言わせると「誤魔化せてませんわ!」なのだが

髪に時間をかけてる暇はない。


今日も今日とて勉強だ。

聖歌学園では『聖歌』の授業から、一般知識、経済学も学べる。

それだけ『聖歌』が歌える『聖女』は国にとって有益なのだろうと

最近気づく。


村では『聖女』様がお医者様より高度な治療ができる人という認識だったが

もっと政治的にも重要らしい。

ここら辺は勉強中。


そして『聖女』にもランクがある。

簡単な治療ができる方から、伝説級ではあるが蘇生できる方まで。

星の数で表すらしい。

聖歌学園の卒業試験を合格すれば国から『聖女』の称号がもらる。星ひとつ。

その後は功績で増えるものらしい。

星ひとつで生涯終わる人も少なくないそうだ。

学園長の胸には星が5つあった気がする。


「卒業試験で高い点を取れば 星ふたつもらえる可能性もあるそうですわ!」

ルーナは意欲的だ。

そこは見習いたい。


今日も二人して林の中でお弁当を食べる。

「今日の鶏肉は美味しく焼けましたのよ!」

ルーナは学園の近くにお屋敷があってお昼にお弁当を届けさせている。

最初ルーナの家のシェフが作ったお弁当を差し出されたが

今回だけだと(食材を無駄にしてはいけない)次回からは断る宣言した。

そしたらルーナ手作りの弁当を持ってきた。

「親友の手作りでもダメですの?」

断れずに食べた。

美味しかった。シェフとは違う美味しさ…温かみがあるような。

ちくしょう、嫁にしたい。

そして気づいたら日課になっていた。


お礼にわたしは『アニソン』を歌った。

囁くように小さな声で

ルーナも喜んでくれた。


「明日からお礼の歌ダメだからお弁当も貰わないよ」


蒼白になるルーナ。

「ひどいですわ!」


どの口が…と思いながら

最後のお弁当を味わった。


「今日だけでも歌を!」というルーナと

「退学にしたいのか!」というわたしで

揉めたが「お弁当をお食べになったのに⁈」という

ルーナの押しで本当にこれきりラストの『アニソン』となった。


最後だから…

なるべく明るいこれから試練に立ち向かっていけるように

美味しい顔の主人公の歌を口ずさむ。


心をのせて歌う。

『アニソン』ではこんなに容易くできるのに

『聖歌』の歌詞はこんな感じ。

「天から降り注ぐ光の雫よ

白の衣にかかるやわらかな光よ

遠き神の眼差しに…」

まったく心がのせられない。

込められない。感情移入できない。


『アニソン』は名シーンが思い浮かぶ。

主人公の気持ちに寄り添える。


基本アニメのオープニング曲または、エンディング曲で使われている部分しか歌えない。

なのでわたしの歌は短い。

その短い歌を校舎から少し離れた林の中で

ルーナ以外に聞かれるとは思わなかった。


「今、歌っていたのはどなたですか?」

低い男性の声だ。

わたしとルーナは焦った。

この聖歌学園は女生徒のみだが男性職員もいる。

聞き覚えのない声だが全ての職員を把握してるわけではない。

「退学」の文字がチラつく。

すぐに逃げようと立ち上がるが

ルーナがしがみついて離れない。

「どうしましょう!

聞かれたでしょうか⁈」

とにかく逃げるのが先だ!

わたしは無言のままルーナをお姫様抱っこする。

「あら」なんて声を出してうれしそうにするルーナ。

ルーナの方が若干背が高いが百姓舐めるなよ。

うちの村はイモが名産。生まれた時からイモの袋抱えてたんだ

ルーナの一人二人、楽勝だ!

そう思って駆け出すが黒い影が立ち塞がる。

逆光でよく見えないが先ほどの声の主のようだ。

「今の歌を…」

「すみません。黙っててもらえますか⁈」

わたしはルーナをお姫様抱っこしたまま固まる。

学園長に注意されたのは昨日のことだ。

言い訳さえさせてもらえないだろう。


立ち塞がった人は「フフ」と笑った。


「失礼しました。

大丈夫、黙っているのは得意です。」


目が慣れてきた。

大柄な男性だ。

2メートルはありそう。

マントが揺れる。

フードをかぶってる。

金色の瞳と目が合った。


「重いのでは?」

彼のセリフにルーナを下ろす。

「よろしいのに」ルーナが名残惜しげにいう。

わたしはよろしくない。


彼はフードを取りながら言う。

「私はクーガ。学園長を訪ねて来ました。」

彼の頭は黒豹だった。

とても美しい黒い毛皮と金の瞳、

ピンとしたヒゲと柔らかそうな毛の三角の耳を持っている。

「今の歌はあなたが?」

クーガの美しさに偽名を使うことも思いつかず思わず言ってしまう。

「はい。アニカと申します。」

それがクーガとの出会いだった。






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