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聖歌の才能がなくて退学寸前ですが、アニソンなら世界最強⁈  作者: さんご


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その1.次にアニソンを歌ったら退学ですか⁈

ここは歌の魔法が使える世界。


代表的な歌魔法は

神に捧げる讃美歌『聖歌』により人を癒すこと。


それは、物理的であったり精神的であったり

歌によって癒し方は様々。


そして歌えば発動するものではない。

歌い手が心をのせて初めて『聖歌』は魔力を発揮する。


その『聖歌』を学ぶために「聖歌学園」がある。

そしてわたしは今その学園の学園長室にいる。


「次に『アニソン』を歌ったら即刻、退学です!」


「な、なんやて〜!」と、心の中で叫びつつ

「はい。以後気をつけます」としおらしく対応するわたし。


わたしは関西人ではない。

ノリで出てしまった心の叫びである。


前世の記憶があるわたし。

全ては思い出せないが成長と共に思い出した…

アニメの記憶。


楽しかったアニメ。

泣いたアニメ。

とにかくアニメの記憶が八割を占める。


長い闘病の中、親にも見捨てられ

15歳くらいで亡くなったわたしは

それでも前向きに生きていた。


治療が辛い時はアニソンを口ずさんだ。

歌えない時は心の中で歌った。


頑張れた。頑張った。


そんな前世の記憶を思い出した幼いわたしは

『アニソン』を歌った。


熱で苦しむ母のために。

その時に歌ったのは美少女戦士のエンディング曲。

母はあっという間に健康体になった。


風邪の治療だったが

『聖歌』を使える「聖女」がいない村では

瞬く間に噂になった。


そして論争になった。


明らかに『聖歌』でない歌詞。

正式な『聖歌』でないなら使うのを禁じたい保守派。

使えるならいいじゃないか。ありがたい派。


論争は激しくなっていったが事故が起きたことにより

解決した。


土砂崩れが起き村人数名が巻き込まれたのだ。


巻き込まれた人達は、なんとか助け出され

村の集会所に運び込まれた。

治療はしたが

内臓を潰された者。

足を無くし大量に血を失なった者。

「聖女」のいない村では死を待つしかない者たちとなった。


そこに10歳のわたしが呼び出された。

村人は期待していたわけではなかったらしい。

最後に少しでも心が安らげばと…


保守派も誤り頭を下げてきた。


わたしはもちろん歌った。

死を待つしかない苦しみは知っていた。

痛みが和らぐようにと島の戦記の『アニソン』を歌った。


神秘的なその曲に

苦しんでいた人たちの表情が安らかになっていき

家族の方々が涙した。


しばらくすると匂いが変わった。

血の匂いが消え

新緑の匂いがかすかにした。


歌い終わる頃には

村人が皆立ち上がり拍手していた。


瀕死で苦しんでいた人たちもだ。


足が生え、髪も伸びていた。


表情はイキイキしていた。

「ありがとう!アニカ、君は聖女だ!」

「歌うのを禁じようとしていたのに…悪かった

素晴らしい歌だったよ」

「ありがとう、アニカ!」


お礼の言葉と奇跡の光景を目の当たりにして

わたしは倒れた。

心を込めて歌いすぎたらしい。

魔力とは生命力。

わたしは知らずに命をかけて歌っていた。


それを知った最後の保守派の村長は

「アニカ様!」とその後わたしを猫可愛がりした。


アニカ様素晴らしい派

しかいない村ができた。


わたしの母だけは心配をした。

「アニカの性格が歪んでしまうんじゃないかしら…」

わたしも懸念した。

おだてられすぎて、踊ってしまう自分が見える。


人から頼られたことのないわたしにとって

歌うだけで頼られるのは気分が良すぎることだ。


母が村長に相談して

聖歌学園へ入学することになったのは

事故から4年ほど経過した頃。


歌による治療も独学でなんとかこなすようになってはいたが

知識不足と感じていたわたしは入学の話を受けた。


村人に泣きながら見送られたのが一年前。

そして『アニソン』を歌えば即退学という事実に

泣いているのが15才の今のわたし。





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