4話「小さな来訪者」
こんにちは。3話までを書き直し、4話を投稿しますね。よろしくお願いします。
翌朝、七星は起きていた。春子は疲れて眠っている。彼は床に座り込んで折り畳んだ膝に肘をたて、手で口元を気にしていた。
「やるっきゃないんだけどな…」
気鬱そうな目はごく近くを見詰めている。
そこへ、コンコンコン!と、ドアが元気にノックされた。七星はドアを見てから、眠り込んでいる響子と春子を窺った。そして春子を起こす。
外からは、お構いなしに子供の声が聴こえてきた。
「春子ちゃん!入るよ!春子ちゃん!会いに来たよ!」
慌てて七星は春子を揺すり起こして来客を伝えると、同時に声を聞きつけた春子は怯えた。彼女は胸へ両手のひらを抱え、おろおろ辺りを見回す。
「大丈夫だ。お前を知ってる。子供だけどな」
「それで…あの…」
「うん!わかったでしょ!僕、奏くん!」
また新しい人が来た。しかも、子供。それもとても元気な。
どうやら彼はとても人懐っこくて、全然周りに疑いを持たないみたい。それは有難いけど、子供だから何も分からないみたいだし…。私はそろそろ途方に暮れかけていた。
こんなに何人も初対面の人が来て居座られても困る。でも、みんな私を知っていて、なぜか協力的だから、お断りしてお帰ししますという訳にもいかない。
「それで、奏くん…ここに何しに来たの?」
奏くんは、小さな子だけど、手足ももう長く、頭もさほど大きくない。細く柔らかな髪は子供らしいけど、鼻はそろそろ伸び始め、口元もすきっとしていた。本人は「7歳だよ!」と一応自己紹介してくれている。
そんな奏くんが大きく大きく頭をひねって顎を支え、うーん、うーんと言ってから、こう言った。
「春子ちゃんを助けに来たんだよ!僕たちならできるからね!」
「え…」
〝どうして?〟
私はまた真っ逆さまに、謎で出来た真っ黒な袋へ閉じ込められた気分だった。
〝なんでそんな事までできるのかな。子供にできるはずないのに。しかも、どうしてそんなに自信を持って言えるの?〟
すると私の脇に座っていた七星さんが、ずずいと俯いた私の視界へ入り込み、眉間を寄せ私を見ていた。
「そろそろ、少し話すよ」
〝どうして?私、知らない人に話す事なんか何もないのに〟
〝どうしてこの人達だけが知っているの?そんなの、変だわ…〟
袋は解けないまま、私は七星さんの話を聞く事になった。
お読み下さり有難うございました。またご辛抱下されば幸いです。




