プロローグ
初投稿です。
一体いつからここにいたんだろう。
気がつくと、私はチクチクとした地面の上に横たわっていた。
どうやら草の上のようだ。
手入れされてる様子もない。
まだボーッとしている頭のまま、フラフラと体を起こす。
(ここ、どこだろ……?)
辺りを見回すが、一面に濃い霧が立ち篭めていて数メートル先すらまともに見えない。
上も、下も、右も、左も、目の前すらまともに見えない中、腕を伸ばそうとする───。
私の目に、白くぼんやりと光る細長い触手の様なものが映った。
霧に同化してしまい良く見えない。
その予想外の光景に思わず声をあげるが
「――!!!!? ……………? ―――? ――――――?」
おかしい、声が出ない。
ちがう、声は出てる。
正しくは言葉が認識できないという感じだ。
いつの間にか触手は引っ込んでいた。
これってヤバいんじゃ……。
幻覚に言語障害に、こういう時って脳に何か起きているとかなんとか……。
とやかく言う前に救急車!!!
ポケットをまさぐろうとするが、手が空を切る。
何度か繰り返してもおんなじ。
すぐさま腰の辺りに目を見やるがそこには、何も無かった。
見えるのは真っ白い霧だけだ。
服も、体も、無い。
あんまりにも異常な状況に頭が冴えてきた。
これは夢なのではないか。
明晰夢ってやつなのかも。こんなこと初めてなのでよく分からないけど、多分そんな気がする。
でも夢にしては草の感触がやたらリアルだ。
とりあえず、これが本当に夢なら───
ビュオオオォオオオオオオオ────
突然強い風が吹き出した。
霧を晴らす想像をしたのが良かったようだ。
同時に私を中心として周りが照らされている。
謎である。
加えて風が体の芯を撫ぜてくる。
まるで体の中を直に触られているような、夢にしても嫌な感覚である。
そうして十秒くらい経っただろうか。
光がパッと消え、我に返ると、
眼前に見たこともない煌びやかな星空が広がっていた。
本当に見たこともないのだ。
星の輝きは然ることながら、月?と思われる紫色の円が星々の中で一際強く輝いていた。
そして、そこには餅をつくうさぎでも蟹でもなく
子供の頃ぼんやり眺めた雨の日の水溜まりの様な、幾重にも波紋が重なったような模様が刻まれていた。
初投稿でした。