14 忠誠
タトラ女史はゆっくりと話し始めた、
「私達はここから遙か北東へ行った、山脈に囲まれたヴィクゼル谷に住むダークエルフ族、ヴィクゼル氏族に連なる者です。我が氏族には、かつて谷が外敵に攻められたとき、谷にやってきた放浪のドワーフが鍛えた大剣と戦斧と長槍を与えられ、それによって外敵を打ち負かし、谷は守られ氏族は救われた。という古くからの言い伝えがあるのです。その大剣と戦斧と長槍は“三つの守護器”として氏族の宝になりました。そして、放浪のドワーフに助けられた事を感謝して、時折やって来る他種族の冒険者や旅人を大切にもてなす習慣ができたのです。しかし・・、」
今から10年程前、ヴィクゼル氏族の谷にやってきた源人族の冒険商人を歓待し、一晩里に泊めたところ、その商人が氏族長の蔵に納めていた“三つの守護器”を盗み出して姿を消した。当然のこと氏族内は大騒ぎになり、盗人を捜し出して盗まれた“三つの守護器”を取り戻すことになった。そして追手として選ばれたのが、氏族長の次女であるタトラこと、ヴィクゼル・タトゥトラ・サレーラと、いずれも氏族長を補佐する有力支族の娘であるテトラこと、ヴィクゼル・テウェラル・サリエ、ヤトラこと、ヴィクゼル・ヤスウェル・フィーラ、セトラこと、ヴィクゼル・セレウィロ・ラウリ、の4人だった。
サレーラとサリエは、以前から氏族内の商人として、北隣にあるノルヴァイク帝国内で行商をしていたため、商人たちに伝手があった。なので、冒険商人を名乗っていた盗人を追うのにはうってつけと思われたのだ。そして幾つかの事情が加味されて、フィーラとラウリの2人が加わり、サリエと3人でサレーラを補佐しながら盗人を追跡して捕らえ、“三つの守護器”を取り戻すことになったそうだ。
その後、ヴィクゼル谷を出発した4人は家族名をもじった偽名を名乗ってノルヴァイク帝国へ入り、盗人の足取りを追いながら自分達の食い扶持を稼ぐために商売をしつつ帝国内を西へ移動し、2年ほど前にクーアルド王国へ入った。だがこの頃にはすでに盗人の足取りも途絶え、三つの守護器に関する話も全く聞こえてこなくなっていた。そこで、クーアルド王国でも屈指の交易都市であるルアブロンなら、何か手掛かりがあるかもしれないと一縷の望みを託してルアブロンを目指してやって来た。
そして3ヶ月ほどかけてルアブロンとその周辺で商売をしながら探っていたところ、守護器のうちの一つ、長槍をルアブロンの商人が持っているらしい事を耳にした。
「それで、その商人から長槍を買い取ろうと近付いたのですが、買い取りの話よりも私に興味を持ったようで・・・。」
サレーラさんが恥ずかしそうに俯きながら言った。
(情婦になれとでも言われたのか。)
まぁ、無理もない、などと思いながら浅く頷いて了承を表した。
「その商人は、姉がなびかないとみるや、力づくで我が物にしようとしてきたのです。それでひとまずルアブロンを離れ、身を隠そうと出てきたのです。」
俯いて唇を固く結んでいるサレーラさんに代わってサリエさんが言った。
「それを知って、その商人が差し向けたのがあの4人と言う訳ですな。」
師団長閣下がそう言うと、3人は黙って頷いた。
「事情は分かりました。それでは、その戦斧と大剣は貴女方にお返ししましょう。」
師団長閣下がそう言うと、3人は一瞬表情が固まった後、師団長閣下に視線を集中させた。
「伯爵閣下、今なんと仰いましたか・・・?」
「そこにある戦斧と大剣が、貴女方がお探しの三つの守護器のうちの2つに間違いないのであれば、お返しします。」
「よろしいのですか? これは伯爵閣下の部下の方が見つけた物で、現在の所有権は伯爵閣下に・・。」
「いや、盗品であればそうはいきません、本来の所有者に戻されるのが正しいでしょう。それ以外の選択肢は私のみならず、帝国軍の名に疵を付けることになります。」
師団長閣下がそう言うと、3人は息をのんで黙ってしまった。
「我々は今現在も任務を遂行中でありますので、これらを回収した事も含めて全て軍務中の行動になります。その最中に回収した物品の中に、敵性ではない純然たる民間の資産があれば、所有者に無償で返還するのは当然のことです。何ら問題はありませんよ、サレーラさん。」
師団長閣下の穏やかな説明を聞きいていたサレーラさんが
「伯爵閣下、我が氏族から盗まれた三つの守護器は、それぞれに強い魔法が封じられているのです。大剣には軍勢を率いる力を強化する[統率]、戦斧には持つ者とその周囲に居る者の武を強化する[武力]、長槍には持つ者とその周囲に居る者の勇を強化する[勇気]。閣下はすでに[統率]と[武力]を手に入れておられます、それでもお返しいただけるのでしょうか。」
これは、師団長閣下を試しているとしか取れない質問だが、サレーラさんの目に邪気は感じられなかった。
「ええ、変わりません。本来の所有者を目の前にしておきながら、その神聖な力を我が物にしても、それは邪な力になってしまうでしょう。そのような力を用いて何事かを成そうとは思いません。」
師団長閣下が静かに語るのを聞いていると、我々も自然と背中が背もたれから離れ、座ったまま直立不動となるような感覚を覚えていた。サレーラさん達を見ると、3人は俯いて肩を震わせていた。
【サリエ、フィーラ、私はこの方に臣従の誓いを立てるわ、止めても無駄よ。】
【お姉様、私もお供します。】
【ちょ、ちょっとお姉様?! サリエも何を言ってるの? ラウリはどうするの? 守護器は?】
【あの子の傷が治ったら決めさせればいいわ。守護器は誰かに取りに来て貰いましょう。】
【誰かって誰よ! それにまだ長槍がないのよ? それはどうするの?】
【それはキルネスが持っているのだから、後でどうとでもなるわ。】
【まだ、そうと決まった訳じゃないでしょう!? それになんでいきなり臣従するわけ? お礼を言って済ませましょうよ。】
【誠意には誠意を持って応えるしかないのよ、フィーラ。】
【・・・やっぱりそれね・・。・・・仕方ないわね、分かったわ。】
【無理しなくても良いのよ?】
【まぁ、確かにお礼だけじゃ釣り合わないわね。それに、あたしだけ帰ったら父上が激怒するのは目に見えているし。たぶん追い返されるわね。】
【じゃ、決まりね。】
「あの、タトラ、いえサレーラさん・・・?」
3人の気配を探りながら声を掛けると、サレーラさんが静かに立ち上がり、2人とも続いて立ち上がった。3人は師団長閣下から見えるテーブルの横へ移動した。何事かと私達3人で顔を見合わせていると、サレーラさん達が両手を胸の前で交差させると、そのまま左膝を床に着き、頭を垂れた。
「ホーフェンベルグ帝国伯爵閣下、私、ヴィクゼル・タトゥトラ・サレーラ、そして、ヴィクゼル・テウェラル・サリエ、ヴィクゼル・ヤスウェル・フィーラは、閣下の清廉なるお心と巌のごとき志に触れ、畏敬の念とかくありたいと志を同じうする者にて、願わくば御身の側に我ら身の置き場を賜り、導きを与え給わんことを乞い願いまする。我らが願いお聞き届けいただけるならば、この身が朽ちるまで変わらぬ忠誠を捧げまする。」
サレーラさんの口上は初めて聞くものだったが、言いたいことはよく分かった。彼女達は師団長閣下に忠誠を捧げているのだ。
(守護器を取り返したからか? それにしては身が朽ちるまでの忠誠とは、少し大げさだとは思うが・・。これは絶好のチャンスじゃないか。)
そう思いながらちらっとハイン大尉を見ると、すでに両眼を輝かせて師団長閣下を見ていた。私も師団長閣下へ視線を移すと、師団長閣下はいつもどおりの冷静な口調で、サレーラさんに問いかけた。
「よろしいのですか、私は異邦人ですが?」
「はい、何ら問題ではありません。」
「いつか元の世界に戻るかもしれません。」
「お許しを頂けるのであれば、お供します。」
そう答えた時にフィーラさんが微かに揺れた。師団長閣下はサレーラさんの淀みない答えに黙ってしまった。
「師団長閣下、よろしいでしょうか。」
「なんだね、ブリンクマン中佐。」
私は立ち上がってサレーラさんを見た。
「サレーラさん、貴女は師団長閣下への個人的な忠誠を誓っておられるようですが、今この状況で師団長閣下が、個人的に3人の女性を家臣にした、と言うことを兵士達が知ったらどう思うでしょうか?」
「とおっしゃいますと?」
サレーラさんが顔をあげて首をかしげた。
「ここにいる部隊全員が、国家が雇用して師団長閣下が預かっている部下なのです。その中で師団長閣下だけが女性3人を個人的に雇う、兵士達はこれをどう思うでしょうか。」
そこまで言うとサレーラさんも気がついたようで、何も言わずに俯いてしまい、師団長閣下は満足げに頷いていた。
「そこで、私から師団長閣下に意見具申を行いたいのです。」
師団長閣下が目を細めて私を見ながら
「・・許可する。」
「サレーラさん達3人を、軍属として採用することを意見具申します。我々が行動するにあたり、彼女達の知識、能力は必要不可欠でありますので。」
サレーラさんがぱっと顔を上げて
「ブリンクマン中佐殿、軍属とは?」
「軍人ではありませんが、軍務に従事する立場の者を言います。現在我々が置かれた状況を考えますと、師団長の独断で決定されても問題ないと考えます。」
私がそう言うと、サレーラさんが視線を師団長閣下に向けた。
「我々の状況が落ち着いた時に、改めて個人的な仕官について願い出てはいかがでしょう。」
私がそう言うとサレーラさんは頭を下げ
「伯爵閣下、何卒・・!」
師団長閣下は私をじろりと見た後に
「分かった、3人とも立ち給え。」
師団長閣下の言葉に従って3人が立つと
「君達は我が帝国軍の軍属として、皇帝陛下と軍に忠誠を誓うか?」
「はい、誓います。」
3人が答えると、師団長閣下は満足げに頷き
「甚だ簡略ではあるが、只今の宣誓を持って君達を軍属として採用する。君達の働きに期待している。」
師団長閣下がそう言うと、
「有り難き幸せ。必ずやご期待に添いまする。」
と答え、深く頭を垂れた。
私とハイン大尉がささやかな祝辞を送った後、師団長閣下を交えて話し合った結果、2つの守護器については正式に返還するが、サレーラ達の郷里である谷に持ち帰るまで、師団司令部が責任を持って保管すること、後日各指揮官を集めた会議で周知することが決められ、続いて鉱石と骨の売却と魔法具の購入に関する計画を策定することが下命された。
「承知致しました、師団長閣下。ルアブロンの魔法具職人とは知古の仲でありますので、早急に作成を依頼して参ります。それと、私達も1つ所持しておりますのでお使いください。」
「そうかね、それは頼もしいな。1個あたりの単価にもよるが、まずは必要な数を計算してから依頼しよう。君達のも借用できるなら賃料を支払う。」
「師団長閣下、差し上げるか、無償でお貸しすることしかできません。」
サレーラが正面から師団長閣下を見据えて言うと、師団長閣下は礼を言って承知した。
「それから、魔法具はわずかでも魔力を持つ者でないと使えません。その鑑定も行います。あとは、魔物の骨と魔石の回収と売買についてもお任せください。」
「では、手分けして行うように調整して計画を立てようじゃないか。魔力があるかどうかの鑑定は君達にしかできないが、骨を魔石の回収は我々でもできそうだしな。」
「承知致しました、閣下。」
その後は魔石と骨の回収作業の段取りについて話合った。書記係が呼ばれて内容を記録し、ハイン大尉が点検する。
「ハイン大尉、どうだね。」
「は。回収方法と搬送、選別と貯蔵場所、問題ありません。」
「よし、このまま売買についても決めてしまおう。その前に少し休憩だ。それとエルドマン大尉とフィルカザーム少尉だったか、彼らにも加わって貰おうと思うがどうだね、ブリンクマン中佐?」
「了解しました、呼び出します。師団長閣下。」
師団長閣下は満足げに微笑みながら頷いた。売買の為にはルアブロンに行くことになる。それなら同時に諜報員を送り込むつもりらしい。ここに来てから初めての攻め手となるのだが・・。
(まずは情報収集だからいいとして、その結果を踏まえて行動を起こすとなると、作戦の立案指導に当たる将校が欲しい。)
私を補佐するはずの参謀は補充予定となっていて、第7軍司令部で師団と合流する予定になっていた。
(前師団長の置き土産がここで効いてくるとはな。)
私は内心、顔が歪む思いだった。その他にも現在は欠員となっていて補充予定だった部署がいくつかある。
(なんとかして使える奴を探し出さないと、追いつかなくなる・・。)
15分の休憩に入り、書記達が退室すると師団長閣下に呼ばれ、2人を呼んだ理由を聞かされた。思った通り、サレーラ達がルアブロンに行く時にフィルカザーム少尉の部下を同道させて市内の情報収集、できればルアブロンに秘密拠点を設けるのはどうか、との話だった。私もハイン大尉も反対する理由はない。
「それは、間諜ということでしょうか・・?」
サレーラの問いに答えると、ルアブロンは交易都市で人の出入りが激しく、人口も多いので可能であるとのことだったので、後は指揮官次第だった。
休憩時間が終わる頃、エルドマン大尉とフィルカザーム少尉が司令部にやって来た。
「師団長閣下、お初にお目に掛かります、第6降下猟兵連隊第7中隊第4小隊長フィルカザーム少尉であります。」カツン!
師団長閣下は黙って頷いた。
「ハイン大尉、君の秘密保全義務はAだったな。」
「はっ、閣下。」
「ならば今からA+だ、いいな。」
「はっ、了解致しました。」
「2人とも正規の所属と階級を申告し給え。」
エルドマン大尉が躊躇いがちにサレーラ達に視線を送りながら
「師団長閣下、この3人はよろしいのでありますか?」
「ああ、構わんよ。これから行う作戦は彼女達抜きでは不可能だからな。それに彼女達は我が軍の軍属だ、問題ない。」
師団長閣下が答えると、サレーラ達が直立不動を取って浅く一礼した。
「・・了解致しました。自分は帝国軍総司令部作戦局、第800特別教導連隊第9中隊、エルドマン大尉であります。」カツン!
「私は軍務省情報局のフィルカザーム大尉です。」
ハイン大尉は黙ったまま驚いていたし、私もフィルカザーム少尉の正体には少し驚いた。
「エルドマン大尉、フィルカザーム大尉、彼が当師団の情報参謀、ハイン大尉だ。今後何かと話す機会が増えるだろうから、見知っておいてくれ給え。」
師団長閣下がそう言うと、ハイン大尉が直立不動を取り、2人の大尉も同じ動作で応えた。
「さて、フィルカザーム大尉は潜入の経験があるのかね?」
「はい、短期間の任務を何度か遂行しています。」
師団長閣下はフィルカザーム大尉の答えを聞いて小さく頷いた。
「では、君達にやって貰いたい仕事がある・・・」
師団長閣下は行動を起こす為に必要な資金を調達する理由と方法、同時に攻略目標であるオーレンベアク辺境伯爵に対する諜報網の必要性を話した。
「魔法の適正があれば魔法具は使えるそうだ。使えれば言葉の問題は解決できる。しかし私が求めているのは現地の社会構造、習慣や風習、立ち振る舞いなど、対象は全てといっても過言では無い。」
師団長閣下が言葉を句切ると、フィルカザーム大尉が右人差し指を上げた
「閣下、ご命令頂ければ直ちに準備にかかります。」
師団長閣下は、にやりと笑うと
「よろしい。サレーラ君、なにか意見はあるかね?」
「はっ、表向きはノルヴァイク帝国から来た商人を名乗るのが良いと思われます。ノルヴァイク帝国とクーアルド王国では言語が違いますので魔法具を使っても怪しまれません。ルアブロンですと私は目立ちますが、幸いサリエとフィーラは顔を見られておりませんので、サリエを案内人として同道させます。」
サレーラの説明にエルドマン大尉とフィルカザーム大尉が頷く。
「あとはノルヴァイク風の服装を整え、品物は魔物の骨と拾い集めた武器にします。あの魔石はとても珍しい物なので売りに出すと衆目を引くことになります。魔法具職人に依頼する分だけを隠して持ち込むのが良いと思います。」
「それでは魔法具の代金はどうする?」
いきなり資金獲得の当てが外れた私が問うと、
「魔石そのもので支払えば良いのです。間違いなく、嫌な顔はしません。」
サレーラはさらりと答えた。少なからずショックを受けている私には気付かずフィルカザーム大尉が質問してきた。
「できるだけ高いところに部屋を確保したいのだが、どうだろうか。」
「ルアブロンの街中で部屋を確保するには宿を取るか、空き家、空き部屋を借りる方法があります。建物はほぼ三階建てが多いので、それほど困らないと思いますが、商人であれば宿を取るのが普通です。」
「長期滞在なら部屋を借りた方がいいのかな?」
「はい。食事をつくる手間はありますが、経費は安く済みます。賄い付きの部屋もあると思います。」
「店を開く、となると何か手続きは必要なのだろうか?」
「はい、商人ギルドに加入届と保証金を提出する必要があります。」
「分かった。ありがとう。」
フィルカザーム大尉はそう言うと、エルドマン大尉と視線を合わせた後、師団長閣下に向き直り
「まずは人選を始めます。」
「うむ。まず、魔法具を扱えるかどうか適正を見なくてはいかん。サレーラ君の鑑定を受けてからだ。」
「承知しました。」
「それとフィルカザーム大尉、君を司令部の第三参謀に迎えたいのだがどうかね?」
「第三参謀と言いますと・・。」
師団長閣下の突然の提案に、さすがのフィルカザーム大尉も面食らったようだった。
「立場的にはハイン大尉の補佐と言うことになるが、今後の事を考えると君には司令部にいて貰った方が都合がいいと思う。」
「部下はどうなりますか?」
「降下猟兵中隊の中隊本部付では駄目かね、エルドマン大尉?」
「問題ありません。」
「では、第4小隊は解散してフィルカザーム大尉は師団司令部の第三参謀に任命する。君の補助として3人を選抜して連れて来て良い。残りは降下猟兵中隊の中隊本部へ転属のこと。」
「了解致しました。」カツン!
師団長閣下が私を見て微笑んだので、安堵の頷きを返した。いきなりだったがこれでかなり楽になる。ハイン大尉の仕事、師団司令部の情報参謀は捕虜の尋問や偵察の結果から彼我の状況を予測するもので、潜入などの諜報活動を指揮する事はまず無い。しかし、現在の我々はフィルカザーム大尉とその部下が指揮下に入ったことにより、先手を打てる、つまり主導権を取れるのだ。
(予め優位を確保できるということは、結果に大きく作用する。だからこそ準備は怠らずに慎重に進めなくては。万が一露見したら警戒されて手が出しにくくなる。そればかりか、捜索隊が出てきて接触することにもなりかねん。そうなったら武力衝突だ。)
喜んでばかりもいられない、私は考えを改めて今後の段取りを練り始めた。




