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三角関係のタイミング

大学院の論文がやばいです。

ということを言い訳にして久しぶりの投稿です。


このサイトに生きる書き残しという意味を書いていいます。

もうちょっと、ジュニア小説よりにしていきたいのか、そうでないのか。

 

        ※


 ああどうして早く、本能のまま彼女を手に入れなかったのか。


 サナレスがリンフィーナを思ってそんなふうに吐息をつく時、同時に恋敵のアセスも、同じように吐息をついた。

 ああどうして早く、二人の不自然な関係に気付かなかったのか。

 本能では気がついていた。それなのに、見て見ぬフリをするという処世術は、王族特有のもののようだ。単に自身のプライドなのか、分からないでいる。


 アセスはいったいどうして、このサナレスとリンフィーナ兄妹の絆の中に、自分の人生を投じたのかと思い、悔やみそうになっていた。だが二人への気持ちに収まりがつかず、不毛な三角関係であるその事実を噛み締めて、無駄であっても必要だったと否定する。


 これは運命というものかもしれない。アセスは観念した。

 どうあっても、自分の魂が救われるために、アセスはリンフィーナとサナレス、この二人と出会わなければならなかった。そう思うからアセスは、このように諦めの境地になり、リンフィーナに接していた。


「私は。出来得ることなら、ずっと3人が出会えたことに感謝したかった」

 王族の士族間をまたがる男女関係でなければ、それは可能だったのだろうか?


 でも3人の三角関係は、理性では処理できない。異性だったから、そして一族を背負ったからと言い訳するけれど、それだけではない。


 我欲が出てくる。

 恋愛においては、理論や理性より、タイミングが全てだ。

 そのタイミングを、サナレスとアセスのどちらが味方にできるのかといった点で、リンフィーナとの未来が左右されている。


 アセスが腹を括っているとき、サナレスも思い悩むところは同じでいる。


 サナレスは父であるラーディア一族の総帥ジウスから冥府の管理者を探すことを託されてうんざりしている。おそらくはそれを覚悟した気分のまま、冥府の魂がごった煮になるレテの川に飛び込んだ。本心でサナレスは、リンフィーナとアセスを今すぐにでも追いかけたかった。二人はそもそも、自分の視力を取り戻す方法を模索しようとして冥府を越えたのだ。


 一方で幼いリンフィーナがサナレス以外に初めて興味を向けている存在は、恋敵対象にいるアセスであり、サナレスは少し焦燥感を持っている。二人が相思相愛になる可能性は濃厚で、兄としてその関係を祝福してしまえば、めでたい事だ。だがしかし。サナレスの隠している本心には嫉妬心があった。

 その心のうちを焦がす複雑な感情には、ただリンフィーナとアセス、二人が幸せであればそれでいいと受け入れることすら諦めていた時期もある。


 今のサナレスは、現実で視力を失ったとしても、アセスとの勝負を投げ出す選択はしなかった。

 リンフィーナは手元におきたい。


 サナレスも、単にリンフィーナへの恋愛感情を諦めたというわけではなかった。

 サナレスも迷っていた。

 アセスとリンフィーナの関係を、かつての自分とムーブルージェの関係に見立ててしまいそうになる。


 さらに不器用なラーディオヌ一族の総帥、アセスに対してへの友情の気持ちも芽生えており、サナレスは諦められないでいる。アセスとリンフィーナ、二人との関係に真摯に向き合いたい。だがリンフィーナについて、自分の庇護下でいてほしいという親心に似た思いがあった。サナレスは、それには不安定なこの世界で魂が行き交う冥府が主軸にある。別世界を別世界の秩序で管理する、冥府の管理者が大切なのだろう、と言う見解を持ってしまった。


 ジウスとの謁見をすまし、サナレスは更に頭を悩ませていた。

 いくらこちらの世界の政治の中心にいたとしても、それらが複数存在する異世界の事情を鑑みて動くと言うのは、とても難しいのだ。


 まず時空が違う。

 時空が違うと言うことは文化が違う。

 文化と宗教、そういったものは人の歴史に根付いていて、違うことを当然として受け入れることを余儀なくされる。


「はぁぁぁーー」

 サナレスは深いため息をついた。

 次に言う。

「無理だろ」

 ボソッと口にした内容が全てだったので、ジウスとヨアズの思いというか願いを知りながら、サナレスは自分の欲望にフォーカスした。

 ただ、自分の視力を取り戻すためという名目の元、協力しているアセスとリンフィーナを、サナレスは追いかけることを優先した。


 優先した結果、出た言葉はかなり破壊的だ。

「あのさ、時代に移り変わりが早いときって、悪いけどーー冥府だろうが、アルス大陸だろうが、組織的なもの全部が変化するんだよ。学問的な立ち位置の冥府だけ変わらないって? ーーそんなわけない。学問も歴史の変化の積み重ねだと、私は思う」


 冥府のことはさておき、サナレスは可能性という未来に手を伸ばす。

「それに」

 サナレスは笑う他なかった。


「王族とはいえ、限られた生命なんだったら、生きている間の時間について、もっと大事にする。ーーそれくらい、わかっている」



偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝ち組になる取説」

「戻った場所は、異世界か故郷」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー


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