今、何より夕食である
こんばんは。
今日はやっと夜に予定がないので、もう少し書こうと思っています。
皆様の反応、足跡、感想を励みに。
例え、それが皆無でも。
かつては小説家という夢、今はただ死ぬまで書きたいという欲で、
書いています。
あとがきは、読む順番を記します。
※
「買収成立」
ワギは秒でできると、束の間部屋を出て行った。そして帰ってくるなりそう言った。
ソフィアはポカンと開いた口で、ワギを見ていたと思う。
「ーーおまえ、どうやってそんな簡単に!?」
慌てたソフィアは訝って睨んだが、リトウはその横で吐息をついた。
「和木君、ちょっとは説明した方がいいよ」
「こいつ(原始人)に?」
ワギは横柄だ。一皮向けばそれはすぐにわかって、ソフィアの心がささくれ立つ。
「おまえ達人間に、こいつ呼ばわりされる覚えはない」
視線を鋭くすると、ワギはふっと笑みを浮かべた。
「あ、魔女様でしたっけ? かつて火炙りにされた、あの、有名な」
言葉に敵いを感じてしまい、ソフィアは更に感情が泡立ってくる。
「殺してやるーー! おまえなど呪い殺してやる!」
「はぁ? あんた、人殺したことなんてないでしょうが」
そう言われたソフィアは、過去を思い出そうとして、頭が痛んだ。多分殺している。大量に殺していた。片頬が引きつるのを感じたけれど、ソフィアは魔女だから仕方ないと納得していた。
「人を殺しただって? 勘違いしないで欲しいよな。殺した者の人生を背負ってこそ、人を殺したって言えるんだよ。背負わないやつは、ただ淘汰しただけだろ? ただの食物連鎖。一瞬、一瞬」
ワギは言った。
「わからない!」
「だったら、おいそれとそういうこと言うな」
ワギの感情はあまりにも冷えていて、ソフィアは言葉を詰まらせた。
「ごめんねソフィアさん、僕らはかなり高額所得者なんだ。それはサナレスと出会ったおかげなんだけどさ、だから安全のためにこの宿を買収ーー、いや購入したのは和木君の優しさなんだ。君に何かあったら僕たちはサナレスに合わせる顔がないからね」
サナレスはリトウを師匠と呼んだ。けれどワギもまた、サナレスに浅からぬ縁がある者らしい。
しぶしぶ、ソフィアは苛立つ感情を押さえることにした。
サナレスに怒られる、そして嫌われるのは避けたいという、保身心が最優先されていた。
「ソフィアさん、どうして勝手に独断行動を? サナレスと合流して一緒に行動した方が良くないですか?」
リトウに言われて、ソフィアだって、そうできるものならそうしたいと心の中で毒づいた。けれどその理由は、言えなかった。
言えない。
だから別のことを口にした。
「買収したら、夕食はどうなるんだ!?」
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
「異世界で勝ち組になる取説」
「戻った場所は、異世界か故郷」
シリーズの9作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー