表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/85

私は偉大な魔女である

こんばんは。

楽しみながら書いています。

長編ですが、後書に読む順番を乗せています。


なろうに書いてから、色々文体が変わってきているので、試行錯誤しております。

反応、感想、いただければ嬉しいです。

        ※


「口調が元に戻りましたね」

「ああ、こいつはどっちだ?」

「ソフィアさんだと思いますよ。リンフィーナであれば、私達のことをお前などと言わないと思います」


 ソフィアは額のすみに小さな怒りが起爆するのを感じた。


 自分が復活するために用意された傀儡にはリンフィーナという名がついており、自分が復活したけれど未だ、彼女が大事にされ続けている。ソフィアよりも上手く人間関係を築いていて、ーー何よりサナレスがーー、彼女を消すことを許さない。


 しかも事あるごとに間違われ、比較されるなんて、我慢ならない。

 ソフィアはグッと下唇を噛み締めた。


 そして、顎をグッと上げてふんぞりかえった。

「私は私だ! お前たち如きに丁寧な言葉など不要であろう?」


「あ、やっぱりソフィアさんだね」

 リトウがニコニコと人の良い笑みを浮かべた。

 その横でかなり気だるい雰囲気でヨースケが首を傾けていた。ソフィア以上に顎を傾け、斜め上からこちらを一瞥してくる様子は、完全に観察対象でも見る視線だ。圧倒的に上から目線って、こういう視線だろう。


「だから! どうしてお前たちがここにいるのだ!?」


「口調が変わるとずいぶん古めかしいな」

「何世紀も前に生きた魔女さんなんですから、それは仕方ないと思うのですよ」


 ううっ。

 彼らの言いようを聞いて、腹立たしさから、この男2人をこの場所と共に吹き飛ばし、消し去ってしまいたいという欲求に駆られたが、それをしたらサナレスに怒られる。きっと怒られて嫌われるのだと想像して、ソフィアは拳を握ってグッと堪えた。


 いつか消し去る。

 サナレスが一目いちもく置いている者たちでなければ、いつか隙をみて殺ってやると殺意を覚えるソフィアの視線に気がついたのか、ヨースケは笑ってリトウがそれを諌めて、気の毒そうにこっちを見てきた。


「ソフィア、僕たちが君の後を追ってきたのはね、以前のようにこのアルス大陸を崩壊させないようにするためなんだよ」

 リトウが説明してきた。


「私がまた大陸を滅ぼすと? おまえたちは、過去にも私が、この大陸を滅ぼしたと思っているということか?」

 刺々しく聞くと、リトウは人の良さそうな顔を困ったように曇らせて、首を横に振った。


「いえ。決してあなたがこの大陸を滅ぼそうとしているとは、私達は考えておりません。ここに来た理由ですが、私達は別々の理由があって、偶然ここにいるのです」

 リトウの順を追った話し振りは、どこかまどろっこしい。けれど彼の持てる範囲のコミュニケーションで丁寧に話してくれているらしく、ソフィアも、そしてヨースケも場の取りまとめをリトウに託していた。


「僕はその、純粋に興味本位でここに来たのです。もしかするとまた異世界が繋がるのではないか。それに繋がった時にどうなるのか。科学者として見届けたい。僕達が前いた世界とこの世界がどう繋がっているのか、知りたくてここにいます。それからワギくんはーー、ワギくんの口から聞いた方がいいと思う。ーー僕も聞きたい」


 ワギが軽くため息をつく。

「もう、そうとうーー、生きているのもだるいのに、俺に話題振るなよ」

 そう言いながらリトウの方に肩肘を乗せて、心底面倒そうだ。


「なんで居るのかぐらい、説明してください。不審者扱いされたくないですよね?」

「空気とーー」

「空気とは思ってもらえませんよ、普通」

 リトウが言い切って、ヨースケは投げやりに答えた。


「サナレスに頼まれた。いやーー。頼まれたわけではないか。興味本位と乗りかかった船」

 ヨースケがボソボソと言ったことのほとんどをソフィアは主観によってかき消した。

 ただ一つ、サナレスがヨースケにソフィアを追わすように頼んだという事実だった。


 サナレスが自分に興味を持った。そしてこいつを差し向けたのだな。

 ほくそ笑んだ。

 例えこの身体のリンフィーナを追ったのだとしても、サナレスに追われたという事実は、かなり高揚した。


「許そう」

 ソフィアは気分が良くなって、あっさりと彼らの同行を許可していた。


「私は、歴史上偉大な魔女ではあるが、この大陸を滅ぼす魔女ではない。おまえたちは、それを見届ければいい」

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝ち組になる取説」

「戻った場所は、異世界か故郷」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ